青春Wonder | ナノ


男になりリア充してきまして


「撫子、ちょっとリア充してきて?」

「へ、これで!?なんで!なんで、なんで!なんで男になってリア充してこないといけないの!?」

そう、撫子は滝の思惑によって男になっていた。そしてこの姿で街中を歩けと、さらにはデートしてこいと。何と言う拷問。

「なんで?んー…それは僕と幸村君が楽しむためかな。」

「…ですよねー。ん?リア充って誰と?」

「それは待ち合わせ場所に行ってからのお楽しみかな?ほら行ってきて?折角僕が服を身繕ってあげたんだから。」

「答えは全部はいにするしかないんですね!分かってますよ!行ってきますよ!!滝さんマジセンスいいですね!行ってきます!」

最後の方は涙が見えていた気がしなくもないが、滝はそんなもの見えてませんよ。

「滝君、やっと行ったんだね。」

撫子が去り、姿が見えなくなってから影に居た幸村が登場。

「あぁ、幸村君。そうだよやっと行ったよ…クスッでも説得5分もしないうちに行ったことは君の所のよりも従順ってことだよね。」

「フフフッ流石滝君って言っておくよ。俺の所は一時間かけても言うこと聞かないからイップスの恐ろしさ味あわせちゃったからね。で、君達はその任務引き受けてくれるよね?」

そして幸村の後ろに控えていたブン太とジャッカルが冷や汗を垂らしながらうなずいた。

「ならいいんだ。椿崎さん達の後ろを付けて行って後で報告ね。」

「「イ、イエッサー!」」

二人もこの空間に居たくないと言う感じに飛び出して撫子の後を追う。

「楽しくなりそうだねー。」

―――――――
――――――


「はー……行ったら分かる、か?」

駅前で待ち合わせだったらしく周りに人はたくさん。向こうから来てくれたら分かるのだが。

「………椿崎?」

「!?」

名前を呼ばれて振り返る。視線を真っ直ぐしていたら視界に入らなかったのですぐ下にやる。そこには白い髪の後頭部がある。

「……もしかして、仁王?」

「…プリ。」

「幸村君か…。」

「…ピヨ。」

「流石に同情するよ。私より扱い酷いね…。でも、指令をこなさないともっと大変なことになるから、行こうか…?」

撫子は自然と仁王の手を取り、手をつなぐ。

「プピーナ…。」
「…ハァ。」

二人はローテンションでとりあえず改札口へ向かっていく。とても哀愁漂ってます。

「ジャッカル…あいつらの身長さヤバくねぇか?」

「あぁ、確か幸村が言うには基本的に身長は15p高くなって低くなるって言ってたぞ?だから…仁王は160pで椿崎が…185p超えてんじゃねーのか?」

「もうカップルって言うより兄妹…?」

「確かに…あ、改札口の方へ行った。俺らも行くぞ!」

「おー!」

ブン太とジャッカルが二人の姿を発見して後をついていく。そして電車へ乗り込んだ二人を追う。土日だったためか、電車の中は結構満員。

「あー…狭い、きつい。寒い、ジャッカルの頭が。」

「何でだよ!……ッ!?おいブン太!見てみろ!」

「あん?」

ジャッカルが何か異変を見つけたようで、ブン太に見るよう促す、ブン太はその声に怪訝そうに声を出し、視線をやった。

「椿崎がさりげなく仁王を壁側にして両手をついて守ってんぞ!」

「すげぇ、椿崎スゲェ!」

そんな女子からしたら胸キュンな場面を見てから電車を下車。どうやら映画館に向かっているっぽい。

「ジャッカル、アイツら映画館にはいるっぽいぜ!俺らも行くぞ、つーわけで金!」

「自分で払ってくれ!」

「男が驕るのがセオリーだろ!?」

「お前も男だろ!?」

「いいじゃねーk……すまん、俺が醜かった。」

「なんだ?」

「だって…椿崎が仁王の映画代どころかポップコーンまで……。」

女の撫子が今は男だから、と言って仁王に映画代、ポップコーン代まで払っている様子を見せつけられたブン太。男としてのプライドをズタズタに引き裂かれ、ひどいダメージを負った。

「椿崎…どこまで男なんだ?」

映画を観終わった後はショッピング。ちゃんと女(仁王)の趣味に合わせてスポーツ店へ。

「……ジャッカル、俺もうリア充見るの辛い…つか椿崎を見るのが辛い。」

「安心しろ、俺もだ。」

とても疲労している二人。何故かって?
撫子が仁王の買った荷物まで持っているからだよ。

もう日没。帰宅する時間。
歩道の無い道を二人で隣に並んで歩いている。勿論、車道に面してる方に撫子。

「あ あ あ あ あ!!ジャッカル!俺もう帰る!仁王達も帰ってんだからいいだろぃ!?」

「待て!この先何があるかわかんねぇぞ!?ここで帰って幸村とかになんで最後までの情報無いの?とか言われらなんて言い返すんだよ!俺何も言わねぇからな!」

「あーあーあー!何も聞こえねぇ!」

ブン太が疲労いっぱいでキレ始めた。

「ッブン太あぶねぇ!」

「ぅわ!?」

この道幅にしてはスピード出し過ぎだろうと判断の出来る車が走り去った。
そしてブン太たちの前を歩いていた撫子達の横をその車が通る。その瞬間に撫子は仁王を抱きしめるように端へと押しやり危険の回避。なんとも男らしい。

「ブン太……帰るか。」

「ジャッカル…だな。」

「俺んちのラーメン食っていくか?」

「……行く。」

ジャッカルも折れて二人は撤退。




「で、二人とも報告は?」

幸村がブン太とジャッカルに口を開くように促す。

「幸村君……椿崎は生まれてくる性別間違えてるぜぃ。」
「…あぁ、男子力有りすぎだろ。俺、男辞めてぇ。」








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400000hit企画第4弾
暦亜様リクエスト「幸村様と滝様公認(ただし一服盛られて男女逆転)仁王と撫子のデート実況を丸井とジャッカルに」でした。

実況と言うことでしたので、これは夢と言っていいのか…いや、信じてる。

それよりもリアルに主のした行動を三次元でやってる所を目撃したころないんですけど。
むしろ、男子と女子が自転車二ケツしてて、女子がペダルこいでるカップルなら何回か見たことあるんですけどね。

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