10年後の自分と入れ替わりまして 2 |
「命って、命って、命ってぇええ!!」 撫子はこの言葉を最後に自分の居た世界と暫しのお別れをした。 白い靄で物凄くむせながら、視界がよくなったとき周りを見てみると、そこには確実に中学生ではないレギュラー陣が居た。 「ゴホ…ゴホ…私死んだ、私死んだ…うがー!!滝のバカ野郎ッ!!……って……誰ですか?」 「「お前こそ誰だ!?」」 「私は椿崎撫子ですよ!」 「フフッ撫子、本当に分かってないの?」 ほかのメンツを押しのけるように登場してきた男は一人。 「その不敵に蠱惑的な声色と微笑みは、滝様……?」 「正解、10年前の僕が10年バズーカ撃って来たでしょう?」 「………あれって、本当に10年バズーカだったんだ…そしてここは10年後の世界でおk?」 「そうそう、状況把握が速いのは流石だね。さっきの僕への暴言もスルーしてあげるよ。」 「心優しいお言葉ありがとうございます!」 「おー、本当に中学生の撫子だぜ!懐かしいな!」 「その声は…岳人?」 「お?分かるか?」 「い、いやぁあああああああああ!!」 撫子が叫んだ。見たくない物を見てしまったかのように、 「な、なんだよ!?」 「おっきくなってるぅうう!可愛かった岳人がかっこよくなってるぅう!わぁああああああああああッ!10年後の私はいったい何をしているんだぁ!Bボタンキャンセルを何故連打していないんだぁあ!」 「クソクソ!俺、ポケモンじゃねーし!」 「ってことは…。」 「俺もおっきくなったんだC!」 岳人も大きくなっているということは必然にジローも大きくなっているということで、撫子はジローの姿を見た。そう、大人の色気を保持しているジローの姿を。 「うわぁあああ!悪夢だぁ!癒されるどころか、なんだろ、皆必然的にエロくね?なんかエロくね?」 ショックを受けているのも数秒、すぐに脳内が新たな萌えを察知し態度が切り替わる。 「……別の意味で復活するの早いですね。」 「日吉と鳳と樺地が年上…年上か……なんか、謎の悔しさが…ッ!」 「意味不明なこと言わないで下さい。俺達だっていきなり先輩が年下になっていることに複雑な心境を抱いているのですから。」 「お互い様か……あ、私さどんなんなってんの!10年後の私って、どんなんなっているの!?リア充になれてる?」 「おうおう椿崎、それを聞くのは野暮ってもんじゃねーのか?」 撫子が若干前のめりに聞いてみると宍戸が聞くなと言う。いやいや、未来に来たからには一番知ってみたい事だろう。 「…宍戸……そうだね。今の君が言ったら説得力があるよ。」 「は?なんだよいきなり。」 「だって、宍戸の髪薄k――。」 「なってねぇよ!お前、それ中学の時から言ってるよな!?俺が監督の前で断髪してからよ!」 「フハハハハ!私は現在進行形で中学生ですけど何か!?」 「椿崎さん!それは違いますよ!宍戸さんの髪の毛は薄くなってません!頻繁に会っている俺が証明します!」 「頻繁に合っているとかどれだけ美味しすぎるフラグ立ててんの!?ご馳走様です!…でだ、私的にはそこで一番ふんぞり返りながら色気がマジ半端ない泣きぼくろの存在を消したいのだが。なに?あの人、歩く18禁ってパンピからも言われてるんじゃないの?」 「アーン?それはどういう事だ?椿崎。中学生のお前が年上の俺様になんて口のきき方してんだ?」 「……申し訳ありませんでした。配慮の足りない未熟者の戯言でありますので、大人の、おーとーなーの跡部さん、たかがガキの言っていることなので、容認すると言うスキルをお持ちになった方が建設的であると私は思ってしまうのですけれど?」 「…………。」 丁寧な言葉の中にもトゲをふんだんに盛り込んだ撫子の反撃。思わず跡部も絶句。周りのメンツも悪態をつくとこは昔からあったなそう言えば、ということを思い出していた。 しかしその中でも興奮している奴が一人。その名を忍足。 「ハァ、ハァ、敬語毒舌ロリが居るhshs、撫子や分かっとるのに興奮してまうでhshshshshs。」 「ヒッ!?おおおお、忍足キモイ!私をロリ判定してんじゃねーよ!」 「何言っとるんや、自分とは俺、10歳離れ取るんやで!立派なロリや!」 「ぎゃぁあぁああ犯罪者ぁあぁああああ犯罪者が居るぅううわぁああああああああ!?」 「こっち来いや!こっち来てぇや!!ホレ!」 来いや、とか言いながら忍足の方から撫子ににじり寄っている。 「やだぁああああ気持ちわるぃい!!滝様ぁ助けt―――。」 滝に助けを求めたところで自分の体の周りを白い煙が立ち込め始め、一気に包んだ。どうやら5分経ったらしい。この時代の撫子が10年前の世界から帰ってきた。 「ゴフ…ガハ…あー………楽園は過去に有ったんだ…。」 「なんや…戻ったんか。チィ。」 「ざまぁ見やがれ!こちとてめっちゃいいところで戻らされたんだから、しかし…忍足GJ!」 「あー…そういやぁそんな作戦を使ってみたりしたなぁ。」 「いやー…素晴らしい楽園を味わえたよ。でもみんな変わったなぁ。老けた…。」 「「「お前は一個も変わってねぇけどな。」」」 「え、何それ褒め言葉?」 ―――――――― 500000hit企画第14弾 淡雪様リクエスト「『10年後の自分と入れ替わっちゃいまして』の続編」 上手く表記が出来ないですね。最近の管理人は会話文にするのが癖になってしまったのだろうか? |
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