青春Wonder | ナノ


10年後の自分と入れ替わりまして


「撫子ー、ちょっとそこ動かないでねー。」

「滝様は何を考えてそれを構えてんの!?ここ部室!そんなロケットランチャー的なものを私に狙って撃ったらみんな巻き込まれるよ!つーかみんな助けろよ!!」

部活中、滝はロケットランチャー的なものを撫子に向けて構えた。しかも動くなと言っている。これはもう殺人予告ではないか。

「や、だって滝に敵うはずないやんか。」

「大丈夫、これ10年バズーカだから、撫子の命にロックオーン。はい、ドーン。」

「命って!命って!命ってぇええええええええ!!」

冗談に聞こえないよ!と言いたかったが、すでに滝の構えている十年バズーカからは弾丸が発射されていて撫子に着弾してしまった。撫子の居たところから中心に煙がたって辺りは真っ白に。

「……惜しい人を無くしてもうた…。まさか滝がそんなにも撫子に恨みを持っていたなんて思わんかったわ。」

忍足合掌、続いてメンバー皆合掌。

「…おい滝、椿崎の親御さんには何て説明する気なんだ、アーン?」

「だから10年バズーカだって、死んでないよ。ホラ、煙が晴れたら多分10年後の撫子が居るって。」

「…ホンマ滝は何者なんや。」

「忍足、それは今更すぎるよね。」

「ソヤナ。」


「ゴホッゴホ…なに?滝の祟り?………え、えぇえ?みんななんで中学生になってんの!?……ショタショタ☆ナイトフィーバー!?あ、今日か滝に10年バズーカ撃たれたのは。」

「え、どちら様?」

煙が晴れてそこに現れたのは撫子のはずだが、忍足は認めたく無いようだ。何故なら撫子が中学の頃よりもよりも顔が完成しており、すっかり大人になっていた。中学の頃は万年ノーメイクの撫子だったが、10年後はナチュラルにメイクをしている。髪形は大人っぽくまとめている。
そんな女子力の高い撫子を忍足は認めたく無いようだ。

「わー!撫子美人だC!」

「ありがとう、ジローは10年後も可愛いけど中学の方はもっと可愛いなぁ!」

撫子はムギュゥっとジローに抱き着く。

「何々?撫子って10年後もそんなキャラなんだね!」

「んー、この年頃の少年少女は大学生、成人に夢持ってんだよねー。だがしかし、中身は成長しないのが現実さ!!肉体年齢25歳!精神年齢14歳!脳内年齢18歳以上!!それはもう高校の頃から言ってます。変わったと言ったら選挙権を貰えたことかね。せーんきょ、選挙、明るい選挙ー!」

「クソクソ!大人に幻滅だぜ!撫子のバカァ!将来の夢の楽しみになんてことを!」

「文句を言う岳人も可愛いよ!て言うか、みんなショタすぎて私最高!今なら中学の頃の跡部も忍足も愛せる!跡部も忍足もおいでぇ!今ならお姉様が頭をなでなでしてあげるよー!」

「要らねーよ。」
「え、ホンマ?」

「マジマジ!子供の癖に大人すぎるお前らも萌え!」

「わー、撫子って10年後は中学生もショタ判定出るようになるんだ。成長したねー。」

「ハァア!滝も可愛く見えちゃう!昔はあんなに怖かったのに!今も怖いけど…。」

「何か言ったかな?」

「イエ、特ニナニモ?」

やっぱり怖いことは変わらなかった。

「そういえば撫子は何をしとったんや?そんな女子力の高い格好をして。」

「いやー…今日は久しぶりにみんなで集まろうって言っててお洒落めいてみた。ちなみにいつもはジャージだぞ!」

「10年たってもそこは成長せんのか…。」

「中学の頃から身長はそんなに伸びてないんだよねー。これ以上伸びて鈴無さんみたいになる予定だったのに。」


「それ以上デカくなってどうすんだよ。10年も経って成長してないとか激ダサ。」

「む、宍戸よ。お前にとって私は同級生的な感じかもしれないかもしれないが私にとってはお前、年下。もっと私を敬えばいいと思うよ?」

「ケッ、誰が椿崎なんかに。つーかお前もう四捨五入したら三十路、おばさんじゃねーか。」

おばさん、と言った瞬間に撫子のオーラが滝にも勝るものとなった。当たり前だ。それには敏感なお年頃だもん。

「あ?今宍戸なんつった?今物凄い禁句を言いやがったな?私が、おばさん?ハァ?」

「し、宍戸…流石にそれは、謝っといた方がええで?」

「そうだぜ?それ…流石にヤバいって。」

「俺に前言撤退なんて言葉はねぇぜ!」

「宍戸お前バカだC!それ言ったら一発殴られる覚悟はしておいた方がEよー。」

宍戸の発言に否定的なメンバー。これが正しいのに男宍戸、前言撤回はしないそうだ。

「言ったな?言ったな?お前、言ったなこの餓鬼どもがぁあ!」

「「「俺らもか!?」」」

「オフコース、お前ら全員連帯責任じゃぁ!ピギャッシャアァアア!!おどれら私が成長してないともうなよ!あの頃から培った18禁ワードの言葉!食らうか!?ぁああ!?今ならご丁寧に言葉の説明もしてやんよ!素面でもいけるぞ私はよぉお!」

「「「マジで勘弁してください!!」」」
「………。」

宍戸以外が声を荒げる。

「で?宍戸、お前の謝罪は無いのか?私は謝罪と撤回、そして謝礼を要求する!」

「だ、誰がするかよ!!」

「いい度胸だ!食らえ[ピー]が[ピ――]の[ピ――――]で[ピ―――――――――]」

「撫子様ぁあ!どうかお止めになって下さいぃい!岳人、ジロー行きぃや!自分らに決めたッ!」

撫子鎮静剤の投入である。

「「ラジャァアアア!!でも怖ぇええええええええええ!!!」」

撫子に抱き着く二人。

「はぁああん!天使ズ!!エクスタs―――――――――。」

四天宝寺の部長の決め台詞を言いかけて煙が立ち込めた。

「あぁ、もう5分間経っちゃったんだ。お帰りー、撫子。」

「ケホッ、ゴホッゴホ、ゴッホ、ひまわり!…………ただいま。滝…私アンタがマジで怖い。なんでマジで10年バズーカ持ってんの。マジで怖い。」

「へー、本当に行ってきたんだ。どうだった?皆集まってたみたいだけど。」

「あぁ、もうね。みんなね、カッコよかったわぁ…大人の色気、みたいな?…でも忍足怖い、マジ怖い。この私を幼女設定にしよったぞ。マジ怖い。」

大げさに体を震わして、恐怖を味わいましたと表現する。

「「「それこっちのセリフだからな。」」」


「え、なんで?」




――――――――――――
400000hit企画第2弾
遥様リクエスト「大人になってしまったヒロインが周囲を振り回す」でした。

あまり振り回してなくてすみません!!
管理人の残念な脳味噌では…こう……アッー!っていう発想しか出てこず…また18禁ワードの発声で止まってしまいました…。これ中学の頃の主でもいける感じでしたね。すみません。

<< TOP >> 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -