勝つんは氷帝軍 02 |
氷帝軍最深部 跡部は高級そうな玉座に座り暇を持て余していた。滝は跡部の横で今回の作戦が書かれた資料を黙読。樺地がひたすら跡部に付き沿っている。扉のすぐ横にジローが眠っている。 その四人がそれぞれに好きなことをしていた空間に騒がしい足音が響く。 「…やっと来たな。」 「…クスクス、そうみたいだね。」 「樺地、構えておけ。」 「ウス。」 跡部は樺地に指示を出し、樺地はその指示に従い滝のすぐ横に位置する。滝は空間のど真ん中の位置で待機する。 さらに足音は近くになってくる。そして一番近づいてきて、高級な扉が乱暴に開けられた。そこに現れたのは宍戸達が取り逃がした敵軍8名。その敵軍のトップであろう人物が話を切り出す。 「今回は引き分けなんて終わり方はさせないぞ?跡部、」 跡部はこんな雑魚など興味ないといったように顔をあからさまに背けあくびをする。 「貴様ッおちょくってるのか!」 「まぁまぁ、そんな熱くならないで下さいよ。」 「誰だ貴様!」 8人全員の銃口が滝に向けられる。 「氷帝軍の参謀を務めてる滝と申します。」 「ハンっお前が参謀ね…今回は見誤ったな。チェックメイトだ。」 「ハハハハッ君も面白いことを言うね。」 滝は体を翻し、銃口を避け、敵軍トップの体にスタンガンを押しつけた。 「ガッァ!?」 ドサリと床に倒れこむ。 「貴様っ何をっ!?」 引き金を引こうと銃を構えるがそれはかなわなかった。7人全員いつの間にか肩を撃ち抜かれていた。痛みに悶え始める。 「樺地ご苦労。」 「ウス。」 樺地が撃っていたのだ。 「何をって?こいつは僕の立てた計画をバカにしたんだよ?自分が僕の策に嵌っていることも知らずにだよ?ムカついちゃったから気絶させちゃった。」 「な…にを?」 「おい滝、殺してんじゃねぇよ。」 「あぁ、跡部心配しないで、今回は普通のスタンガン使ったから生きてるよ。」 ニコリと報告。いつもなら改造スタンガンを使って殺してしまって言えうようだ。跡部は深いため息をつきながら、玉座から立ち敵兵へと近づいていく。 「誰がチェックメイトだって、あーん?いい景色じゃねぇか。さっきまで粋がっていた奴らが地面でのた打ち回る姿はな、しかし絨毯が汚れるからやめてほしいもんだぜ。」 「き、さまっ。」 「いいか?貴様らにとってここは何処だ?」 「……氷帝軍の本陣…。」 「違うだろ。」 空高くに片手を掲げパチンと指を鳴らす。 「敵地だ。」 「「「!?」」」 跡部の合図で忍足、岳人、宍戸、鳳、日吉が姿を現し、それぞれが銃を構えている。 |
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