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Target宍戸亮01


二人が転校した先、それは氷帝学園。そこでも虐めはあった。標的は、宍戸亮。
兄貴分な宍戸がこんな境遇に居るのは想像していなかったが、これはこれで楽しめそうである。
転校して、その宍戸が置かれている状況を整理する。

そしてすべて理解した。お金持ちによる、お金持ちのためのお金持ちの単なる暇つぶし行為だ。その暇つぶしの一環として、あること無いこと捏造されて宍戸は100%悪者として処理されましたとさ。ちゃんちゃん。

分かりやすく言うと、花より男子の赤紙制度がリアルにあるだけ。そう考えれば、つくしと宍戸はどことなく似ている気がする。
だったら道明寺は跡部か?嗚呼、気持ち悪。
お金持ちの考えることなんて分からないやー、分かりたくもないやー。でも虐めは平民も考えて、考えて、やるんだよ。お金持ちだけの娯楽的行為じゃないんだよ。
それに虐められる側もいつまでも受け身じゃないってこと、


私が分からせてあげるよ。




稀李と白石は宍戸が一人で居る時に接触を図った。二人は始めから猫を被るのを止めた。勿論、動揺する宍戸。
この瞬間が、いつもたまらない…だけれど、今回はもっと面白い反応がこの学校を支配するんだろうね。それを作るために、種を蒔いておこうかな?

「ねぇえ?宍戸亮…私には君をこの境遇から救い出せるだけの能力がある。そして、望むがままに復讐してやろう。これはサービスだ。」

「俺は、稀李を楽しませるためなら自分を助けてやってもええで?」

「お前ら…そんなこと、復讐なんて俺はしたくない!ただ…ただ俺は…みんなともう一度、テニスが出来たらッ!」

「ふーん、それはどうやって可能になるの?そんな学園カーストの、最下層に落ちてる君が、どうやって頂点に居るテニス部達に自分は無実だと言ってのけるわけ?あ、ごっめーん。君はいつも『俺は悪くない!』『俺を信じてくれ!』って言ってたね。自分の無実だと言う訴えにテニス部達、この学校は肯定の意を示してくれた輩はいる?」

「それは…ッ。」

「居ないねぇ、寂しいねぇ、君は本当に悪くないって言うのに。だぁれも分かっちゃくれない。クスクスッ私みたいな性格してないのにこの状況を耐えれてる君がすごいや。尊敬しちゃう。」

「俺はまだ…見捨てられてない!」

絶望をしているが、一つだけ信じているモノがあると言った目をしている。

「なんかその眼、ムカつくなぁ。なに?なんでまだ見捨てられてないって言えちゃうわけ?そうか…鳳長太郎、か?ダブルス組んでるんだもんねぇ。そんな簡単に自分を切り捨てられないって思ってんの?」

「ああ、そうだ。現にあいつは俺に手を挙げたことは無い。加担してない!長太郎はまだ、俺を見捨ててない!」

「プッ…アハハッ、なんて美しい友情なんだ!そしてなんて勘違いも甚だしいんだ!嗚呼可笑しい!」

「何っ!?」

「フフフ。アハハッ…アーハハハハハ!」

お腹を抱えて大笑い。抑えきれない。面白さ。

「稀李落着きぃ、話が進まんやないか。」

「フッフフ…だったらさ、白石が話続けてよ。私、ちょっと耐えれないわ。っと、用事してくるし。」

稀李はこの場を離れる。残るは白石と宍戸。

「お前ら…一体、なんなんだよ!」

宍戸は稀李の存在が恐ろしかったのか、稀李には聞くことの出来なかったことを白石に問い始めた。

「四天宝寺からの転校生や、只今氷帝テニス部在籍。白石蔵之介と遠山金太郎や。それ以外の何物でもないで?」

「んなことは知ってる!俺が聞きたいのはなんでそんな性格をしてるかって事なんだよ!」

臆することもせず、白石に宍戸は突っかかる。

「なんや?その態度は、それが人に物を聞く態度か?」

白石の癪についに触れてしまった宍戸。

「お前こそ、何でそんなに上から目線なんだよ。ただの同級生だろ?なんで俺がお前になんか遜んなきゃなんねぇんだよ。それに俺を此処から救い出すだぁ?今更すぎんだろ!なんで今まで俺を助けてくれなかった!なんでだ!答えろよ!」

宍戸はもう、強気だ。自分が何を口走っているかも、一々覚えてないだろう。宍戸の精神もギリギリだったのだろう。誰かにあたらなければ、自分を保てないぐらい。
その気持ちは分からなくもない。が、相手が悪すぎだ。

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