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「なぁー、何やっとんの?遊んどんか?やったらワイも混ぜてーな!」 「「「!?」」」 「待ちぃ、金ちゃん。やけど、自分らホンマ何しとん?それ、リンチとちゃうん?……真田クン?」 「…四天宝寺の白石、か。」 「せやでー、真田クン去年振りや、でも今年は去年と違うて……。」 腐っとるようで。 「なー!しーらーいーしーワイもう移動で飽き飽きやぁ!兄ちゃんらとあーそーびーたーいぃい!」 「ちょーっと金ちゃん向こう行っとき?」 「えー!なんでや!ワイを仲間はずれにするんか!?」 「やないと…毒手やで?」 「や、毒手だけは勘弁やぁあああ!」 逃げ出す様に物陰へ移動した稀李。 「…で、真田クン、何のつもりなん?勿論真田クンだけやないで?そこに居るメンツもや。」 「四天宝寺中からの転校生と言うのはお前らだったのか?」 「せや、…で?俺の質問には答えてくれへんの?こっちに来てそうそう、こんなもん見さされて気分悪いわ。金ちゃんに悪影響なもん見せよってからに…。それに殴られとるん…部長の幸村君やないか。神の子と違うんか?何したって言うんや?」 少々の殺気を交え、やる気なさげに呆れた様に聞く。 「先ほどから何をおっしゃっているのか…残念ながら私には理解できません。」 「そうだ、白石蔵ノ介。部外者の君が口出さないでほしい。これは制裁だ、そう…制裁。愚かなことをしてくれた幸村に俺たちは正しい道へと戻そうと分からせているところだ。」 「へー…そうなん?けど、今回はこれで終わってくれへんか?」 「何故です?」 「金ちゃんがここに戻ってくる。金ちゃんにはこんな汚いとこ見せとうないんよ。」 「・・・だそうです真田君、もう帰りましょうか。」 「ああ、そうだな。俺たちの貴重な学習の時間を此奴なんぞに使っている暇など無いな。」 リンチをしていた人達。真田、柳生、柳は自分のクラスへと戻って行った。 そしてその場に残るは白石と、呻きながら意識を飛ばさないようにしている幸村。 「金ちゃん、おいで?」 「んー?あー!みんな居らんやんか!白石またワイをのけ者にしたな!」 「まぁ、落着きて、とりあえず幸村君を保健室に運ぶで?」 「分わった!」 白石が担ぎ、保健室へ。行ってみると、保険医が担がれている幸村の姿を確認するやいなや「職員会議があるから先生は行くけど、勝手に使っていいからね。」と言づけて去って行った。 「…デジャブルわー。」 四天宝寺に居た頃の自分の扱いとまるで一緒だなと思いながらも、取り合えず手当の優先。 「う……。」 意識がだんだんはっきりしてきた幸村。 「どや?自分、平気か?」 「……君…なんでここにいるの?」 「今日転校してきたんや。」 「そう…。で、何で助けたの?」 全てを軽蔑している眼。手当までしてあげたというのに、その目には感謝の思いは一切なかった。 「あかんかった?」 「ダメに決まってるだろ!あんなの耐えてたら勝手に終わってくれるのに、何故だ!君が俺を助けたからっていちゃもん付けられて今日のリンチが倍になって返ってくるんだ!もう…最ッ悪だよ!」 接触してくる人は皆敵。 話しかけてくる人は皆敵。 周りの人は皆敵。 誰も信じていない目で白石を睨みつける。 「助けてもらったんに、その言い方腹立つなぁ。」 「誰も助けて何て言ってない!それになに!?金ちゃんって子。あれをどうやったら遊びに見えるの!?バカ!?」 「幸村君…その気持ち、俺らは分かるで?」 「気休めなんていらない!転校してきたばかりの君達に何が分かるっていうのさ!」 |
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