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やっほー!元四天宝寺中学校、一年遠山金太郎に成り代わっていまーす。遠野稀李です。四天宝寺をぶっ潰してめっちゃテンションが高いです。ワーイ、ワーイ。マジすっきりって感じーみたいなー……すみません。このキャラ辞めます。 少し前、白石と共にクソな四天宝寺を世間に晒して私たちは関東の学校に転校した。え?逃げたって?そんなわけないじゃん。私たちは虐められてたんだよ?そんな可哀想な子にそんな辛辣な言葉を浴びせるの?ショックだなぁ。 なーんて、どうでもいいじゃん。とりあえず底辺に落ちた学校なんかには居たくないんだよ。私の手で堕としてしまったのだけれどね。 「で、転校先はここか。」 「そう、此処。」 「ここ準勝校なんやろ?」 「そう、準優勝校。」 稀李と白石が共に向かっている先、転校先は立海大付属中学校。そして今、校門前。 「なんでこんな中途半端な学校にしたんや?折角なら優勝校んがええやん。青学がええやん。」 「まー…そーなんだけどね。でもねぇ。」 「でも…なんや?」 「原作を狂わしてみるのもいいかなって!白石がこんなキャラな設定じゃなかったし、もう私が私の力で狂わしてもいいかなって!さんざん今まで我慢してきたんだ!だから私の手で全てを引っ掻き回して、狂わして見てもいいかなって!キャハッ!」 「なんや…俺にとってはおもんないな。結果を完璧に知っとる訳でもないのに。」 「そこはだぁいじょーぶぅ…この学校にもなんかバグがあるから、ね。」 「なんや、この学校にもあるんか…もしかしてそれも狙いで?」 「もちろん!こんな伝統を重んじる学校に虐めなんて多発だよ。内部はとうの昔に腐ってんだろうねぇ。」 「ハハッ、なんや笑えんわ。」 「笑ってんじゃん?それに…私は娯楽を求めてんだよ。何もないところに転校なんてするわけないでしょ?いい子ちゃんの青学に。奇想天外のキャラがいない青学に、ぬるい環境に私が行く訳無いじゃん?」 「それに巻き込まれるこの学校の奴も可哀想やなぁ。」 「私の娯楽に便乗する奴は誰?」 「俺。」 白石の口角が上がる。口では面白くない、とは言っているが稀李が全てを引っ掻き回すと宣言している時点で、楽しくなることは必須。そもそも、白石には稀李に反対意見を示すことをしようとは思っていはいなかったから、ただの戯言を述べていただけである。 「フフ…ッさぁ、いくよ?」 二人は正門をくぐり、職員室へ。職員室に行って挨拶。勿論、猫をかぶって、転校の旨を伝えた。 校長、先生から「大変だったな」と労いの言葉をかけられた。白石は「今日は学校を見学させてください、始まる前に少し慣れていたいのです」と詭弁を連ね、今日は見学で終り。二人は職員室を後にして、とりあえず、人気のないとこへ。 「なぁ?」 「ん?」 「ここでは何キャラを通すんや?」 「んー…やっぱ天真爛漫キャラ?」 「その心は?」 「白石こそ、そのいい子ちゃんキャラはなんで?」 「それはもちろん――」 「「正体をばらした時の相手の顔を見るのが最っ高にエクスタシーだから。」」 声を合わせて、表情を合わせて言い放つ。 「あの快感は忘れないよー。もう、病み付きになりそう。」 「分かるわー、今回の蟲もそんな顔してくれるとええなぁ。」 「してくれるんじゃない?今回も、蟲はテニス部男子、限定するならレギュラー陣に蔓延ってるらしいから。まぁ、私はこれから天真爛漫純粋無垢なキャラを定着させていかないといけないけどね。」 「まーたテニス部か、呪われとるんとちゃうか?……ん?なんでもう分かったんや?」 「分かるよー?だってホラ、あっち。」 あっちと自分の後ろを指差され、白石は自分の体を反転させ後ろを見る。 「!?」 そこには一人の男子生徒を囲ってリンチをしている様子のテニス部のレギュラー陣の一部。 「あー…はいはい。…とりあえず、どうしたい?」 「とりあえず、接触を図る。」 二人は次の行動を決定し、行動に移す。 |
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