043 |
やっと本題に入った。練習試合を開始しよう。ここで突っ伏していたメンバー以外は始めている。 ちなみに仁王はまだ起きていない。タイムラグが有ると言うことと、何より滝が直々に攻撃したのだ。簡単に目が覚めるとは思えない。 「皆様、お待たせいたしました。真田君と跡部のご子息を起こしてまいりました。」 「やぁ、真田気分はどうかな?にしても動きが悪すぎるんじゃないかな?」 「…すまない。」 「跡部ぇ、人の話はちゃんと聞こうやぁ。」 「黙れ。」 「さぁ、雑談してる時間も惜しいよ。真田と跡部は軽くアップして試合に入って。」 「イエッサー!」 「あぁ。」 「では私はマネージャーの仕事に戻ります。」 的確な指示出しをした幸村。それに従う二人。そして成実はマネの仕事に戻ろうとした。 「あー、成実にはウグイス嬢をしてもらおうかな。」 が、幸村の一声で半分却下された。 「…は?」 「どうせジャッジペーパーも書けないでしょ?だったら試合のコールでもしてもらおうかなって。」 お見通しらしい。まぁ、仕方ない。テニス自体には興味ないからね。審判すら出来ないよ。 「アーン?成実、書けねぇのか?だったら俺様直々に教えてやるよ。」 「跡部は真田とさっさとアップしてきてよ。イップスするよ?」 「……。」 跡部の提案は速攻で却下された。 「跡部のご子息、いってらっしゃいませ。」 「…行ってくる。」 跡部と真田を見送り成実は片手で拡声器を構え、片手で試合一覧が書かれてある紙を挟んだボードを抱えた。 「じゃ、成実。コール頼んだよ。」 「任されました。 …コールします。ダブルス、試合番号9番、立海大ジャッカル桑原・切原赤也ペアと氷帝学園忍足侑士・芥川慈郎ペアの試合を第2コートで行います。主審は立海大の長谷川健二、線審は氷帝の青木翼、よろしくお願いします。」 拡声器を通して成実の声が響きわたる。 「成実せんぱぁい!お久しぶりっす!」 「よ、久しぶり。」 その声に元同じ学校の赤也とジャッカルが反応。口振りを聞けばとても親しそう。しかしながら遠くから声をかけるだけ。幸村の教育が届いている証拠。と言いたいが、紫木からの攻撃を避けるためである。慣れているな立海大。 「お久しぶりです。切原君、ジャッカル君。試合頑張って下さいね。」 「ハイっすぅ!」 「あぁ。」 「ちょっとちょっと成実ー。どっちの味方ー?」 「私は友達の味方ですので悪しからずご了承ください。勿論、忍足君も芥川君も頑張って下さいね。」 「はーい!」 「八方美人ってこう言うことを言うんやろうな…。」 「続いてコールします。シングル、試合番号6番、立海大柳生比呂士と氷帝学園滝萩之介の試合を第3コートで行います。主審は氷帝木村良平、線審は立海大近藤隼人、よろしくお願いします。あ、第6試合の誰か、ジャッジペーパーをとりに来て下さい。」 ダブルスの第9試合の様にスムーズに試合開始ができると思ったが、6試合用のジャッジペーパーが本部に鎮座していた。ちょっと試合運営をミスってしまった模様。 「お久し振りです。」 代表として柳生が取りに来てくれた。久し振りな顔である。 「お久し振りです。柳生君もお変わりなく。」 「はい。藤ケ院さんはお変わりがあったようで。」 「えぇ、只今状況が変わってしまったので。」 「さて、私の相手は成実さんのお友達と把握していますが。」 「はい。私の大切な方ですよ。柳生君、頑張って下さいね。」 「健闘ありがとうございます。」 |
<< TOP >> |