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成実は部屋に入った。まだ気絶している三人。こう思えば忍足の耐久性はハンパなく高いな。何?何に対して慣れてんの? 「………ふぅ…だっりぃなぁ。キャラ設定間違えたか?あーでもこのキャラ結構便利なんだよなぁ。(玖城は)簡単に騙されてくれるし、勝手に翻弄されてくれるし、何より貢いでくれる。何て便利なお方達。」 「ぅ…、ッ…成実?」 「あ、ヤベッ!」 大きな独り言を言っていると、一番に標的になった跡部が目を覚ました。 「成実が看病してくれたのか?」 「え、えぇ…私の性で申し訳ありません。その様な…。」 「成実の気にすることじゃねぇ。悪いのは紫木って言う女だ。」 「確かに紫木さんが行動を起こしました。けれど、私を思って事の行動。だから私が謝ります。」 「アーン?……だったら、身体で払ってくれるか?」 「ご冗談を。しかしそれを望むなら…、」 精一杯、ご子息の前で舞でも何でも披露させていただきますが? 「む……。」 成実と跡部が見つめ合っている中、KYにも真田の意識が浮上した。 「あ、真田君お目覚めですか?おはようございます。」 「チッ!!」 成実は挨拶をして、跡部は小さく盛大に舌打ちをした。 「成実…あぁ、おはよう。油断してしまったな。紫木からきつい一撃だった。」 「学習して下さいな。」 「あぁ、未熟だった。む?跡部ではないか。どうしてここにいる?」 「ハッそんなの成実と愛の逢瀬を――「真田君より先に紫木さんの一撃を頂き、仲良く気を失っていたんですよ。先程まで。」 そんな男と逢瀬だなんてマジ勘弁。何見栄を張ろうとしてんだよ。スゲェ迷惑。 「哀れだな跡部。」 跡部の見栄を打った斬った成実。そしてザマァみやがれ、と言った風に真田は鼻で笑った。しかし真田自身も攻撃を受け沈んだことを忘れてはならない。 「黙れムッツリ野郎!」 「む!?何故その様な言われを受けなければならんのだ!」 「聞けばテメェ自称成実の一番のファンらしいじゃねーか!」 「自称だと!?失敬な!成実公認だ!」 公認と言う言葉。つまり成実が認めたという事。跡部はそんな事言われたことがない。 「アーン!?何だと!?どういう事だ成実!」 「え?ここで私に話を振ります?」 「当たり前だ!何故真田は公認されてんだ!俺は!?俺はどうなんだ!」 「…今の時点では真田君しか公認いたしません。」 だって成実と神様との関係と、学校をどす黒い意味で利用している事を知った上でファンであると言えているのが真田。跡部も多分真田の様に知った上でもファンだと言いそうだが、今はまだ認めない。真田には、と言うか立海には前回色々迷惑をかけたからな。ちょっと差をつけてやんねぇと。 「な!?」 「もう少し、もう少ししてからでは…駄目ですか?」 もう少し、迷惑をかけてから。後、数人トリップ娘がやってきてから。 「…いつか認めてくれるなら……。俺は…負けたのか……。」 「我が儘で申し訳ありません。」 「謝るな成実!謝らなくてもいいんだ。ただ…ムッツリの野郎に負けたのが…。」 「そんな、優劣をつけなくとも…。」 「いいや、俺様は誰にも負けねぇ!」 「…フフ、元気ですこと。さぁさ、元気が出たところで練習試合を開始しましょう。私は起こしに来たのですよ。」 「あぁ…。」 |
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