汝は悪女の深情けなりや? | ナノ


032


「うん。簡潔に話し過ぎやんな。ツッコミどころ有りすぎるわ。ツッコミ待ちか。」

「ありがとう。流石関西人。最高のツッコミだ。
仕方ねぇから一から説明すると、紫木梨花って名前で立海男子テニス部のマネージャーを俺と一緒にしてた。梨花は一年から、俺は二年から立海に行ったから二年からだけどな。基本的なパーソナリティはこんな感じ。んでここからが複雑。梨花の家は大きい神社で梨花はそこの代表巫女なんだ。そこの神様は不浄を極端に嫌って異性との恋愛禁止令が梨花にはあった。だが!異性とのとは言われているが、同性とは禁止されていない。つまり恋愛をしたい年頃の梨花は百合に走ってしまいましたとさ。ここで質問のある奴挙手。」

「不浄ってつまり非処女を嫌うって事なんか?」

「うん。大抵の神様とかその辺バリ気にすると思うんだけどな。つかそこに着目するとか…おっしーにはむっつりスケベの称号を与える。」

「勘弁してや。俺が聞かんでも他の奴らが心の中で悶々としとったんやで。代弁してやったんや。」

「お前らむっつりぃ。」

「けど不浄を嫌うならその家の子孫途絶えへん?やったらその神社の維持の危機やんか。」

「あぁ、その辺りは大丈夫。その神社は梨花の家ともう一つの家が切り盛りしてて、ローテーションで代表巫女をしてるらしいから。で話を戻すと、梨花は百合を目指して俺に恋した。」

「ダウト!お前男じゃねーか!」

「黙ってろよしっしー。これから話すから。梨花は神社での修行で忙しくてメディアを見てなかった。それで俺が男だと知らなかったんだ。だから美女の俺の視線に射抜かれた。いやー、罪作りな俺。で色々ストーカーされる間に男だとバレました。」

「え、ちょ、ストーカーってどう言うこと。僕に報告きてないんだけど。」

「だって学校内限定だったし。危害とか被害とか無かったし。ストーカーとか慣れっこだし。報告の必要はないかなと。で、梨花は勝手に俺に恋をして失恋をした。」

「アカンっ涙腺崩壊や!ラブストーリーや!」

「しかーし、梨花に転機が訪れる。俺のことをそこの神様が気に入ったんだ。もう俺ってば神様までも誑かしちゃって。」

「…神。」

「で、そこの神様が俺だったら良いよーって。だから梨花の恋は諦めなくても良くなったとさ。だいたいこんな感じ。」

一通り話し終えた。
始めの内は現実味の有る話だったのだが、一体何が起こったのか…神様と言う単語まで飛び出てきた。

「なぁ、もしかしてメル友って神様?」

「…禁則事項だから話せません。」

これ以上話したら、トリッパーをとばしているのが神様で成実が承知の上だと言う事がバレてしまう。とても不自然ではあるが、口を噤んだ。

「そう言う場合って肯定と、とってもいいのか?」

「とっても良いが、都合が悪くなったら記憶消されるから。つーか消すし。今の話しすぎたって自覚してるから今すぐ消し去ってしまいたいわけだが、どうする?」

「……。」

「…成実さん。来世の嫁と言うのは?」

「簡単な話、俺が死んだ後魂はその神様のものになるって事。で、梨花の魂も神様のものになる。神様はどっちかって言うと俺と梨花を娘って感じに可愛がってくれてるからな。そんな感じ。」

「悪魔の契約ですか。」

「そんな無粋なことを言ってると記憶以外も消されるぜ?日吉ぃ。」

あだ名ではなく、本気で日吉に伝える。行動の一つ一つは筒抜けなのだから。神を貶すようなことをしたら流石に庇えない。

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