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「まぁ、嬉しい。跡部のご子息?嬉しいついでにお願いがありますの。」 「アーン?何だ?何でも言ってみろ。」 「立海と練習試合を組んでいただきたいのです。近々…旧友と新友、どちらが強いのか気になります。」 「親友!よし、監督と掛け合ってやる。良い結果だけを信じて待ってろ。」 「キャーッサスガアトベサマー。」 「………これを毒牙言うんやろうな。」 「何?オッシー、俺様の得意技の毒牙一発食らいたい?俺無しでは成り立たない生活にしてやんよ。俺破産だ、覚悟しろ。」 「遠慮する遠慮する遠慮する遠慮する。」 「そこまで言われたらやんねぇよ。やっぱ毒牙かけるにゃ金持ちじゃねーと割に合わねぇ。 その点、ご子息はいいカm…ファンでいらっしゃる。毎回のおひねり、もう俺の懐あったけぇ!」 「成実に認められたッ!ハハハファーハッハッハッハ!」 何このトランス状態。何これ怖い。 「……闇やッ闇が跡部を支配しとる!」 「じゃあさながら俺は、跡部を誘惑するサキュバス?」 「おひぃさんこそ自分の性別迷子っとるやん。」 「フハッ、開き直ってやんよ!あ、そうだ。お前等に注意事項を伝えておいてやる。」 話が大きく回転して、成実がメンバー全員に言う。 「なんや?」 「立海と練習試合をするとき、マネージャーも来ると思うんだけど…いや、絶対来るんだが、気を付けろ。俺と会話をしながらそのマネージャーと目があったら話を打った切ってもいいから逃げろ。絶対にだ!」 「…何でや?何でそないに必死なん。」 「…俺の信者と言うか…盲目すぎて…嫉妬が半端ないんだ…。あいつは俺と誰かが話してる姿を見たら、その誰かを標的に…。」 成実にしては歯切れが悪い。 「なんや、はきっりせーへんなぁ。標的に何をしでかすんや。」 「悪い子じゃないんだ。むしろいい子なんだ。標的めがけて…金的攻撃を辞さない。」 目を伏せて歯切れが悪く成実は言った。 金的、それは手軽に内蔵を物理的攻撃を加えることが出来、女には一生分かることのない苦痛が襲いかかってくるのだ。 「「「オヴ…。」」」 「…だから自衛シクヨロ。」 「成実さん、それ跡部部長にちゃんと伝えるべきではないですか?」 一番の被害者になりそうな跡部がトランス状態で今の成実の言葉が届いていない。 「…俺は言った。聞いてないご子息が悪い。ぶっちゃけ食らえばいいと思っている。」 「…ちなみに威力のほどはどんぐらいなん?」 「全力。」 「オプス…。」 「あ、もしかして紫木梨花さん?」 滝には心当たりがあるようで固有名詞を言った。 「そうそう。紫木紫木。」 「あー…みんなゴメン。」 滝には珍しくバツの悪い表情でメンバーに向かって謝罪をしてきた。一体何をしてしまったというのだろう。 「は?」 「流石に謝る。その子に入れ知恵したの僕だ。」 迷わず殺れって言っちゃってた。 |
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