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成実はさらに言葉を更に紡いだ。 「知能解除。お前って元々はものスゲェ馬鹿なんだな。」 「ッひ、ぁ止めっ!」 成実の言葉を受け富布里は頭を抱えた。何やら異変が起きたらしい。 「逆ハー補正解除。メンヘラでぇぶりっ子でぇ。だぁれも相手にしてくれないやつなんだよなぁあ?」 「ぅえッあ、ヒック止め、てッそれ以上、はっお願いッだからぁ!」 泣いて懇願する。けれど、 「だぁめ、お前、俺のこと散々利用しようとしたし貶してくれたもん。許してもらおうだなんて、むしが良すぎない?っつーことで、顔面偏差値解除!」 「いやぁぁあああああああ!」 顔を覆ってうずくまる富布里。髪の色がサーモンピンクから変哲の無い黒へ。そして本格的に富布里が泣き出した。なんだか弱い者虐めをしている感覚に陥る。 「…なーお萩ぃ、俺って悪者?」 「うん、今だけ見るならね。」 「はー、俺って心優しい男の子なのに。仕方無い証明してやろう。おい富布里。選べ。」 うずくまっている富布里の肩を揺さぶり顔を上げさせる。しかし富布里はそれに抵抗を見せた。 「イヤァ!触らないでぇ!」 「あ?黙って従えやぶりっこ娘!」 無理矢理立ち上がらせ、胸元のリボンを掴みこちらに向かせる。 「ひッ。」 「選べ。今すぐ元の世界に帰るか、このまま俺の手駒としてここに残るか、だ。」 「ッそんな事できるなら元に戻しなさいよぉ!」 「うわ、驚いた。まだこんなに反抗できるんだ。お見逸れしたぜ。さて、ここでアドバイスです。後一分もしたらご子息達が帰ってくる。」 「!?」 「お前の嫌っているそのみすぼらしい姿を晒すのと改めまして、モブです。って言ってやり直すの。どっちがいーい?」 「いやッこんな顔見られたくない!帰してッ元の世界に帰してよぉお!」 「妥当な判断だ。じゃあ達者でな。」 富布里の言葉を受け取り、成実は手をかざした。そうした瞬間富布里の姿がスゥ、と消えた。元の世界に帰ったらしい。肩の荷がおりた。 |
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