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「なッァンタ!何ょその態度!やっぱりみんなぉ騙してたのね!?このっ、クソビッチ!痛ッ!?痛ぃ!ゃめっ。」 成実に浴びせられた暴言。それを黙って見過ごすことはしない滝。拘束していた腕を締め上げる。 「主様に対する侮辱、身を持って償え。主様、指示を。」 「んー…とりあえず主様って呼ぶの止めね?いい加減鳥肌立つんだけど。」 「…いい加減慣れてよ。仕事中はそれで呼ぶって言ってるじゃないか。」 「だってなー、あのお萩がぁ…。確かに公私は区別しないといけないけどー。んー…。」 「じゃあ、慣れるまでずっと主様って呼んであげようか?」 「あ、今慣れた。速攻で慣れた。」 「何…?何様ょ藤ケ院!ァンタが滝君ぉこき使ゎなぃでょ!」 「あー、うるせぇ。叫ぶな。頭に響く。これだから女のヒステリックは…。つーか俺がお萩をこき使うのは家系的な、なんと言うか。んー…主従関係みたいな?俺その辺アバウト。お萩、教えてやって?」 「面倒くさい役を軽やかに押し付けないでよ。答えるけどさ。主従関係で間違いないよ。滝家は藤ケ院家に忠誠を誓ってる。まぁ理由は簡単だよね。女の格好してる間はか弱い設定で、下手に暴力沙汰に巻き込まれたらあれだからね。早い話ボディーガード。僕は自分の命よりも成実の命を優先するよ。」 「いやー、滝家の鏡だねぇ。けど俺はお前の命を失ってまで生きたいとは思ってねーんだけど。人の命って重てーし。」 「僕はそう教えられてるし。そうあるように現頭首様から仰せつかってるって言ってるじゃないか。」 「あークソ親父め…。まぁそう言うこった。理解したか?お前は頭はいいから理解してるわけだが。」 「…分かったぁ。ゃっぱ、ぁたしって頭良ぃんだぁ。」 富布里は最初こそ取り乱していたが、今はとても落ち着いている。何か悟った風である。 「あ?」 「ゃっぱりぃ、ァンタがみんなを操ってるんだぁ。ゃっぱり早い者勝ちなのかなぁ?だからぁたしの逆ハー補正が聞かなかったんだぁ。大丈夫、萩之介ぇ。ぁたしが今、助けてぁげるぅ。本当の萩之介ゎ誰かに従ぅことはなぃ。景吾さぇも手玉に取るみたぃなキャラだもんねぇ?」 「…お萩、そんなこと言われてますが?」 「わー、僕はそんなイメージなのか。僕ってそんなに怖い?」 「ぜーんぜん?」 「萩之介ぇ、そんな奴に騙されちゃ駄目だょぉ。ほら離してぇ?今すぐ神様に頼んで藤ケ院を消してもらぅからぁ。」 「へぇ、俺を消す…ねぇ。やってみろよ、今すぐ着拒させてやんよ。お萩、離してやんな。」 面白い事を言った富布里。成実はそれを気に入ったのか、実行させた。ケータイをいじりながら滝に命令した。 「ふん、今に見てなさぃ!」 富布里も同じくしてケータイをいじる。アドレスを探して電話をかけた。しかし一向に神様とやらは出ないらしく、富布里は次の言葉を言わない。 「繋がりませーん…てか?」 「何で!?何で神様がァンタの言う事なんて聞くのょ!」 「え?神様とメル友だから?」 「ふざけなぃで!神様はぁたしを愛してだからテニプリの世界に来てッ!」 「あー、違う違う。神様って案外暇だから暇つぶしっつってたぞ。更に言うなら俺はそれに便乗させてもらってる身だ。」 「へ…?」 「つまり、こう言うこと。」 |
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