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「あー、終わった終わった。一件落着ぅ!」 「成実が引っかき回さなかったら一件すら立たなかったと思うけど。」 「まー、小さいことは気にすんなって。」 「あー!?滝がここに居た!クソクソ外周サボりやがって!」 アップが終わって帰ってきたメンバー。ラケットなどを取りに来たのだろうけど、今日は外に出しただろう。覚えておけよ。習慣とは恐ろしいものである。 「ええやん、別に。バレて怒られるん滝やし…って言うかどないしたんこの部室。」 「あぁ、野良猫が来たんだよ。」 「あーん?氷帝のセキュリティーをかいくぐってここまでくる猫が居るとは思えねぇが。」 いつもなら成実の発言に対しては肯定的な跡部だが、今回はそうもいかないらしい。しかたない。事が事だ。でも無理矢理納得してもらう。ここで富布里がぁ、とか言ったら今後のトリップ娘達を入部させ辛いし。 「跡部のご子息。猫、が荒らしていったんです。」 「…そうか。成実がそう言うんならそうだな。」 ちょっとドスを利かせて言えば簡単に折れた。ちょれぇ。 「つーか富布里まだ来てねぇC。ソイツこそサボリだー。」 「あぁ、富布里ならさっき付けで退学したぜ。なんか親が速攻でどっか行くからそれについて行かねーといけねーとかで。」 「…なんや、アバウトやんな。」 「別にそこまで仲良くねかったし、知りてーとも思ってねーし。あ、そうだ、ご子息。こいつをどう思う?」 話の腰をへし折り成実はケータイの画面を見せた。 「…誰だ、それ。泣いてる女じゃねーの。ハッまさか成実にそんな趣味が!?」 「ねーよ。俺は普通に笑ってる女子が好きだ。で、こいつ可愛い?」 「は?…普通じゃねーの?どうでもいい。」 「富布里とどっちが好み?」 「こっち。」 「即答かよ!」 「富布里は顔が良くても性格があれじゃ駄目だ。それならまだ素朴そうなこいつでいい。つか最悪な選択肢を出すんじゃねーよ。そこはそいつか成実だろうが。まぁ、俺様は成実一択だがな!」 「あーはいはい。さ、そろそろコート行こうか。」 「話の腰打った切って質問して来たん成実やったやんか…。」 ボソッと忍足がツッコミを入れ、成実は律儀にもそれを拾い相応の反応を見せた。 「…ご子息ぅ!足フェチがぃぢめてくるのぉ!成実怖ぁぃ!」 しなやかな上品な動作で跡部の胸の中に飛び込んだ。泣くふりをしながら。なんとも庇護欲の駆られるシーンだろう。 「ゴルァア!忍足テメェ!俺の成実に手を出してんじゃねーよ砕くぞぉ!」 「何を!?」 「俺、ご子息のものじゃねーけど。」 成実を守ろうと暴走する跡部。逃げる忍足。それを見ている成実。我関せずと言った態度を貫き、部室から退室するその他メンバー。 うん、いつも通り。こんな感じこんな感じ。 「跡部ー、この写メ要る?」 「成実の写メが欲しい。」 「やらねーよ。劇場での撮影だけで満足しておけ。プライベートは晒さねぇ主義なんだよ。」 画像を保存して終了 →画像を削除して終了 |
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