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「…今に見とけ、痛い目見るからな。」 恨めしそうに撫子を睨む。 「ハンっ!!もう痛い目見たわ!ちょっと見てくれるこれ!」 と言ってニーソを膝下まで下げる。 そこには赤く染まったガーゼが膝を覆っていた。 「うわなんやそれ!いつの間にそんなん貰うたんや!?」 「昼休みの学校探検中だよケッバレ!!後ろから突き飛ばされたわ!他にもあるぜ!」 袖を腕まくりして肘を晒す。ここにも怪我を治療した後が、 「どうよこれ!!男子のくせに卑怯じゃない?女子よりも陰険だわ! 周りに人が居ないときに限ってよぉ…。来るなら正々堂々と殴ってこいっつーんだ!!男子ってそんなに女子に負けることが悔しいわけ!?男尊女卑なう?うわ、バカらし!」 「俺は撫子の味方だC!!撫子カッコEじゃん!!丸井君には負けるけど!明後日の球技大会で見返してやろーよ!!」 丸井×ジローktkr。 いかんいかん、後で妄想しよ。 「…ですよね!!ジロー!良いこと言うじゃん!! 今回攻撃仕掛けてきた奴らも参加するんだろ?…復讐してやんよ。フッフッフッ…顔面にブチ当ててやる。あーマジ楽しみすぐる!」 「おい、氷帝ルール分かってんのか?」 顔面にブチ当てると意気込んでいた撫子に跡部がなんか厭らしい表情で撫子に氷帝ルールの存在を言った。 勿論知らない撫子。教えを乞おうと疑問形で返す。 「氷帝ルール?何それ美味しいの?」 「あーん?知らねぇのか。だったら教えて下さい跡部様と言うんだな。」 「教えて下さい跡部様、だぁ?言ってやろーじゃん。もちろん、跡部の声でぇ。 あ゛ぁ、あーあー…あーん?教えて下さい跡部様。」 「「「ブハッ!?」」」 メンバーもまさか跡部の声で敬語を聞くはめになるとは思わなかったようで滝も含め吹き出してしまった。 「おい、俺の声の真似してんじゃねぇよ!」 自尊心の高い跡部に対しては最も効果の高い嫌がらせになったようだ。 味をしめた撫子。 「無知な俺様にあなた様の偉大な知能のほんの一部で良いですからお分け下さい。」 「無駄に俺様なんて言ってすみません。今度から自身のことは僕ちゃんって言います。」 「僕ちゃんバカだから氷帝ルールなんて分かんねぇな、あーん?」 「もう止めてぇな撫子!!聞いてるこっちが腹筋崩壊を起こしそうや!」 代表して忍足が叫ぶ。 撫子が周りを見ると死屍累々。日吉でさえも肩を震わして笑っている。跡部は戦闘不能だ。 「跡部ざまぁ。お前に使う敬語なんて無ぇから!おい跡部、止めるからルールの内容を喋れ。」 「…………………。」 「返事がないただの屍のようだ。つーわけで誰か教えて。」 教えを請うにもまだ周りの人達も腹筋崩壊中。 跡部の僕ちゃんは破壊力が高すぎたようだ。 「……氷帝ルールちゅーんはな、男女混合でやるから存在するんや。 基本中の基本としては男子は主に男子しか狙っちゃあかん。まぁ基本やけん運動神経がええ女子は狙ってもええ。」 撫子の奇行にも慣れ始めた忍足が説明を始めた。 「ほうほう。」 「女子はボールをとったら男子に回したらあかん、自分で投げるんや。」 「へー。」 「で最後、顔面セーフ。 これはどこの学校にもあると思ったんやけど…撫子の学校には無かったんか?」 「顔面セーフはあったよ。」 当たり前じゃないか、そんなバイオレンスなドッチボールを田舎の学校に求めないでください。 「やったらなんで顔面当てるんや?意味ないやん。」 「勝つために当てるんじゃないもん。自己満足で当てるもん。 顔面に当たって苦痛に歪む顔…楽しみだなぁ楽しみだなぁ楽しみだなぁ楽しみだなぁ楽しみだなぁ楽しみだなぁ楽しみだなぁ楽しみだなぁ楽しみだなぁ…。」 「………………怖いわ…。」 |
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