062 |
「今まで嫌がらせしていたこと謝ります! この本の作者がお姉様で蒼の貴公子もお姉様で…。今までの無礼な行い許して下さい!」 「あ、の…そんな謝んなくて良いから、お姉様はちょっと…。」 同級生からお姉様とは言われたくない。 「ダメですの?」 ママン、天使三号(一号二号はジローと岳人)が居るよ。 さらには後ろに控えているファン達もシュンとしている。 「ダメじゃない。」 言った瞬間、ファン達の口々からお姉様と言う単語が…。 「お姉様ぁ!」 会長のタックルからの抱擁。 撫子も全力で抱擁。 「あへー、可愛いっ。」 「あー、女同士の良い友情やんなぁ。」 グスンと目を押さえる忍足。 そして撫子は思い出した。忍足にさらなる復讐が必要だと。計画を最後の最後でブチ壊しやがったからな。 「そうだ、会長ちゃん。良いこと教えてあげるよ。忍足の本、続き出るよ。」 「本当ですの!?」 「俺様、嘘つかない。」 「ん?何のこっちゃ?撫子。」 ファン達がハッとした顔になる。 忍足にファンの間で同人誌があることがバレてしまったと。 それに気付いた撫子は言葉を付け足す。 「あぁ、大丈夫。忍足は理解者だから。会長、今忍足の本持ってる?」 「はい、…持ってきて。」 会長がファン達に声をかけると一人の女子が持ってきた。 「お姉様、どうぞ。」 「ありがとう。」 にこりと微笑みかける。 女子は顔を真っ赤にして戻っていった。 奥で羨ましいと言う類の単語が飛び交っていたのは気にしない。 「じゃじゃーん宍戸復讐用宍鳳本と実は同時発行されていました忍足復讐用忍足総受本。」 「なっ!?」 いまさら復讐されるなんて思ってもみなかったようだ。 「忍足ぃ?もしも他の奴らにバラしたら私の持ってる嫌がらせの才能を最大限に駆使し三次元でも二次元でも苦しめてやる。」 逃げ場の無い忍足。哀れ。 「………言わへん。」 「ンン゙いい子だね侑士。」 無駄に良い声を発揮。 無駄?イイエ、ファンサービスです。 証拠にファン達は嬉しそうな声を上げている。 撫子は再びウィッグをかぶり直す。 「では皆さん、本日は来て下さりありがとうございました。それと、俺と仲良くなってくれてありがとう。」 にっこりと本日で一番良い笑顔を見せる。 ファン達は口元を抑え、卒倒寸前だ。 |
<< TOP >> |