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「混乱するよねー。私も此処まで大事になるなんて思わなかったもん。」 「では…蒼の貴公子は撫子様?」 嘘、信じられない。と言った風の反応であったが、撫子が写真のKAITOの様に表情を似せれば納得したようだった。 「そだよーだからね、次のお願い。 この作品書いたのは蒼の貴公子だって噂広めてくれないかな?」 「分かりました…。」 「勿論お礼はするよ。もっと画質のいい写真欲しいよね?まだ本データをもらってないからなんとも出来ないけど、データ貰ったらもっといい雰囲気のデータ絶対にあげるよ。」 「本当ですの!?」 「当たり前じゃないか。あと…アァ゙…ン、俺のこと信じてくれてありがとな。」 撫子が頭を撫でていた女子を抱き寄せKAITOの声+忍足ヴォイス÷2で囁く。 ニコリと笑うと女子の顔が赤くなった。 「はぅ…撫子様を恋愛対象としてみてしまいそう…。」 「じゃ!後は頼んだ!」 逃げた。 そして作品の作者は蒼の貴公子だという噂が女子の間で立ち始めた。 イジメ撲滅計画セカンド完了だ。 続いてイジメ撲滅計画ファイナル始動。 下準備を急ぐ。 「ねぇ、跡部?」 「なんだ…。」 蒼の貴公子の登場により跡部宛てのラブレターの数が減っていってるらしい。 いつもはうざったいと思っているがいざ少なくなると精神的ダメージを受けている。 跡部…こいつ弱いな。 「今週の土曜日蒼の貴公子って人連れてきてあげる。その代わり公開練習にして。」 テニス部は土曜日の練習だけは非公開にしていた。 集中したいからだそうだ。 「…わかった。」 跡部の許しも出たことだし文芸部の子に伝言。 「今週の土曜日練習が公開になったからファンクラブ全員出てくるように操作してくれない?」 「了解しましたわ!」 「おい忍足!」 「なんや?」 「土曜日一時間早めに来い。あと予備のジャージ持ってこい。」 「何でや?」 「イジメ撲滅計画ファイナルの為。」 「分かったわ。」 ついに土曜日。 「チャオっす、忍足。」 「ちゃお…なぁ、言うとおりにしてきたけど概要教えてくれへん?」 「あ、言ってなかったっけ?まずファーストで匿名で例の作品をファンクラブ全員に広めて私らで言う神の位置に居ること。セカンドでその作者は蒼の貴公子って噂立てて。ファイナルで正体をバラす。」 勿論撫子作の忍足総受本と不本意だが広まってしまっている忍足×KAITOのことは内緒。 「なんやおもろいことになってるやん。」 「普通にバラすのっておもしろく無いからね。また演技しまっシュ!!だから忍足は話し合わせてね。」 「さよか…。」 前回の撮影会で身にしみている忍足。 否定なんかしません。 |
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