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数日後、KAITO(撫子)について色々な憶測が飛び交った。 ・どこかの国の貴族 ・跡部よりも金持ち ・中世からタイムスリップしてきた 付いたあだ名は蒼の貴公子。 因みにがくぽ(仁王)に付いたあだ名は藤の若君。 がくぽについてはあまりはっきりと写真に写っていなかったために話題性には欠けていた。 そんな中、当の本人は気にせず撫子はまた文芸部に出向いた。 どの様な状況になっているのか知るためだ。 「どもー。」 「撫子様ぁ!」 先程まで原稿用紙に向かっていたが放置して撫子の方に駆け寄る。 小動物の様で可愛い。 女子の平均身長は157cm、自動的に撫子の萌える対象物になる。 「可愛いなぁ…君達。」 頭を撫でる。 「そんなっ照れますわ。」 満更でもないようだ。 「で、私の作品どんな風になってる?」 「はい、とても好評ですわ。今までにないくらいの!」 「ほほー。」 「それでですね…会長がこの作品を書いた人に会わせろと…仰っているのですが…。」 「まさかフルボッコ!?」 「いいえ!そうではございません!素敵な作品を書いたお礼をしたいそうたんです。」 「っしゃ計画通り!」 イジメ撲滅計画セカンド始動である。 「じゃーねー…あ、君達は最近話題の蒼の貴公子って分かるかな?」 「勿論ですとも!私達が今書いていた原稿はその貴公子と忍足君の話ですもの! だって聞いて下さらない!?忍足君は絶対に知っている風ですのに口を割らないんですもの!思考を駆り立てられますわ!」 「なん、だと…。ちょっと見せてくれるかな?」 「勿論ですわ!!」 意気揚々と見せる女子。 撫子は原稿に目を通す。 まさかの忍足×私!? 「貴公子が…こっちなんだ…。」 「はい!だって忍足君が貴公子を庇っているのですもの。だから貴公子はこっちになります!」 「ですよねー。」 まじか…いや確かに私だって妄想すれば忍足×KAITOになるけどさぁ…。 俺が右…俺が……ま、いいか。散々人でやってきてるし、所詮は紙面上の出来事。 一通り目を通し終わった。 「どうですか?」 「うん、まぁ…良いんじゃないの?んで……この人誰だと思う?」 「分かりませんわ。家の力を借りてもデータがヒットしませんの…。」 当たり前だKAITOと言う人物は三次元に存在しないのだから。 「…誰だか、知りたい?」 「撫子様、知っているのですか!?」 「だってこれ……私だし…。」 ちょっと言いづらかったが、主に忍足×KAITO本の存在で。 しかし、今のタイミングを逃せば一生言えないし、それでは計画が破綻してしまうため、撫子は思いっきり言った。 「えっ!?」 「変装した、ワ タ ク シ !」 「へ!?」 |
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