青春Destroy | ナノ


003


一日はあっという間に過ぎて言って次の日になった。撫子は教室で小説を読んでいた。とても有意義な時間である。ちょっと早めに投稿して、誰にもばれない様に朝から大好きなベーコンレタスな本を読むなんてなんだか背徳感とスリルがたまらなく癖になると言いますか。

「…おはようさん。撫子。」

「ッ!?…おはようございました。」

挿絵が無くて心底よかった。

「あんな、撫子…お願いがあるんや。」

忍足が神妙な顔をして撫子に言った。なんだろう。なんでこんなに神妙な顔をしているんだろう。

「何?これ貸してほしいの?後もうちょっと待って。今日中には読めるから。」

「ちゃうねん。俺と契約してマネージャーになってよ!」

「叶えてよ!インキュベーター!…って、え?忍足、君漫研じゃなかったの?」

盛大な勘違いをしていた撫子。マンガ研究部だと何処を見てそう思ってしまったのか。きっとオタク=漫研だと言う偏見な目も撫子は持ってしまっていたかだろうか。

「なにその偏見!傷付くわ。」

「じゃあ、何部なのさ?」

「……テニs―「却下。」

忍足が全てを言うよりも先に途中を遮って撫子は言った。当たり前である。テニス部は嫌って言っているのに、忍足はマネージャーになってくれないか、などと言う戯言をほざいたのだから。

「頼む!今日部室に来るだけでも!俺の顔をたてると思って…!」

「関わる気がないと昨日言っただろうが。貴様の脳は蟹味噌か?」

「しゃーないやん。俺とお前の仲やんか!」

「よし忍足、目ぇ食いしばれ。」

撫子は握り拳を作る。

「堪忍や!」

「じゃぁケツ爆竹!」

「もっと嫌やぁ!せや、撫子コスやるって言とったやろ服買うる!ヅラも買うるから!」

「忍足、ヅラと言うなウィッグと呼べ。」

「あぁ、睨まんといて!めっちゃ怖いねん!5セット買ったる!ホンマ堪忍!」

「……。」

撫子は考えた。
5セット…1セットがピンきりだけど20,000円あれば大抵の物はできるから…。これはお得だ。しかも上限は無いからもっと得が出来るかもしれない。

「…椿崎、さん?」

「ふむ………部室行っても良いよ。」

撫子のメデューサの様な顔が菩薩のような顔に変わった。

「ホンマおおきに!」




放課後。

「ほな撫子行こかぁ。」

「はい兵長!」

二人は部室へと向かう。そして撫子の目の前には豪華すぎる部室がある。普通に入っていく忍足の後について入っていった撫子。忍足は適当にある椅子に座れと指示をした。大人しく座る撫子。

「………忍足兵長。」

「なんや、椿崎訓練兵。」

「ここが本当に部室なんでしょうか?」

「レギュラー専用の部室や。」

「今思ってることの発言の許可を。」

「どうぞ。」

「すごく…大きいです。」

「せやろな。」

「なんだこのでかさは!他の部活の部室の前を通ってきたけどこんなでかい部室は無かったよ!!しかもレギュラー専用?なめてんの?ねぇなめてんの?せいぜい10人程度の人数だけで此処使ってんの?意味わかんないんだけど無駄大杉やで!つかあのパソコン最新!持って帰っても良いですか!?」

「撫子…この程度でビックリしとったらあかんで、まだすごいヤツ居んねん。」

「誰それ。」

「部長でこの部室を作った本人や。俺様でナルシで存在が嫌味なヤツや。」

「忍足団長。」

「なんや。」

「帰宅の許可を。」

「あかん。」

「チッ…禿げ散らかせ。」

撫子は小さく舌打ちをした。

「聞こえてんでぇ。」

「じゃぁ縮め!」

「無理やから!むしろ伸びろ俺の骨端軟骨や!」


ガチャリと部室の扉が開く。

「アーン?忍足もう来てたのか。」

丁度良いタイミングで跡部が来たようだ。

「あぁ、跡部。撫子コイツがさっき言ってた部長の跡部や。…って撫子どうしたんや?」

撫子は跡部の方を向いたまま動かない。


テ ラ  イ ケ メ ソ
この場合このイケメソはどっちなんだ…。スペックは攻め属性……イケメソ×忍足…いや、さっきの忍足の悪態っぷりはヤヴァかった。あれは私に対する牽制か!イケメソに近付くなという。嫉妬心まるだしか!忍足×イケメソ?決めらんねー。安心しな忍足隊長。私二次元に嫁が居るから。君は十分イケメソとランデブーすれば良いと思うよ。

「イケメソさんこんにちは。もっと忍足とイチャついてもいいのよ。いや、イチャついて下さいお願いします。」

「って何でやねん!戻ってこい撫子!」

「ハっ!忍足。苦労をかけた。」

「忍足、コイツが椿崎撫子か?」

「せや。」

「ダメだな。俺様の美貌に酔いしれるようなヤツにはマネージャーなんて出来ねぇ。」

「は?イケメソさん。あなたの様なイケメソに酔いしれなくてどうするんですか。遠回しに人類亡べって言ってます?厨二、厨二なの?うわ、イタいよぉ、絆創膏持って来てぇなるべく大きくて人一人包み込めるぐらいのぉ!」

「てめぇ、喧嘩売ってんのか。」

「買ってくれるんですか?さぁ金をくれ、コスの敷金にしてやる。それよりイケメソさんは私の喧嘩を買うより忍足とイチャつきなさいよ!」

「跡部言うたろ?撫子はある意味有害やけどある意味無害やて…。」

「その態度俺が叩き直してやる。椿崎撫子。お前マネージャーやりやがれ。」

「だが断る。」

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