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忍足が戻ってきた。 「何の用?メールだったらすでに送信済みだぜ。」 「もうどうでもええわ。さっき跡部がミーティングがある言うとったろ。」 「言ってたな。」 「あれ、面倒くさいことになるで…。」 言いたいことだけ言って去っていった。 部活が終わり監督の挨拶も終わり解散。 監督に音楽室の鍵を返し部室に急ぐ。 ミーティングは監督主催ではなく跡部主催だったようだ。 撫子が部室に向かうとすでにメンバーが揃っていた撫子が一番最後だった。 「遅れてさーせんした。監督に用事が有ったもので。」 「まぁいい、座れ。 これからミーティングを始める。」 「あとべー何なんだC。俺早く帰って寝たいC…。」 「我慢しろ。」 「今日集まってもらった理由はこれだ。おい樺地。」 「ウス。」 跡部の声に反応し、スクリーンの準備をする。 スクリーンに何かが映る。 「今女子の間で騒がれてる奴だ。特に青髪の方。」 スクリーンに映ったのはKAITO(撫子)とがくぽ(仁王)だった。朝、忍足に見せてもらった写メだった。 「誰それカッコE!」 ありがとうジロー。 「クスッ誰だろーねー。」 滝様怖いです。 「こいつが女子に知られたのは昨日の夕方頃だ。まだ一日しか経っていないが氷帝女子全員が知っている。 お前等に聞く、知ってる奴はいるか?特に忍足。」 「俺は何も知らんもん。」 「アーン?嘘をつくな女子共が言ってたぞ、忍足が一緒に居たってな。」 「…知らんもんは知らん。跡部…察しろや。コラ、」 忍足にしては珍しく跡部に対して命令口調。 そんなに怖いか撫子が、 少したじろぐ跡部。 「ふん、まあいい。他の奴らは知ってるか。」 それぞれ知らないと言う。 滝だけは撫子を見てニコニコしている。滝にはバレたようだ。 黙っていた方が面白そうだと、バラす気は無いようだ。この時ばかりは滝が味方に見える。 「部長。聞いて良いですか?」 「何だ日吉。」 「何故そんなにむきになってるんですか?」 それもそうだ。 跡部が気にする必要などどこにもない。 「いいだろう、答えてやる。俺を差し置いてこんな奴が話題になってるのが気にくわねぇんだよ!」 感情が高ぶって跡部が机をバァンッ!と叩く。 ………。 一瞬時が止まったかのように誰も動かなかった。 「はい、撤収!!」 撫子が言うとメンバーが自分の荷物を持って部室を去る。 「ちょっ、お前等待てよ!」 「あーあ、アホらし。」 「跡部…殺るねー?いつか。」 「くそくそ、跡部。時間を無駄にしやがって。」 「いい加減にして欲しいC…。」 「激ダサだぜ。」 「…跡部先輩…俺帰りますね。出来れば一人で考えて下さい。」 「…俺はこんな人に下剋上したいのか?本当に。」 「……ウス。」 「待てよお前等、樺地ぃい!」 みんなが出て行った後、 撫子も行こうとする、が最後に一言。 「あぁ、私知ってるよ。」 私だしね。 「じゃね。達者でな。」 部室から出て行く。 「何?おい椿崎!待て詳しく聞かせろ!」 「また今度考えながら善処しまーす!つーか人に物を頼む態度ってあるよねー!!」 叫びながら去っていく。 |
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