青春Destroy | ナノ


051


計画ファーストも成功?に終わりセカンドが始動だ。
文芸部の話によれば明日にでも配れるようだ。とんとん拍子に計画が進む。

少し遅くなったが部活に行く。
撫子の姿に気付いた忍足。

「遅かったやん!大丈夫だったんか!?」

「…超余裕!文芸部の子は味方に付けました。」

「ホンマか!どうやったん?」

撫子は右手をグーそして人差し指だけをたて、口元に持ってくる。
そして片目を瞑り、

忍足の黒歴史を再現。

「…禁則事項です☆…ブフッ!」

思い出し笑い。
忍足涙目。
声マネがある程度出来る撫子がやって昔の自分がしでかしたことに羞恥心にかられる。

「それ忍足もやってた!でもキモかったC…。」

「あぁ、確かに…見たい?」

ケータイを取り出して滝から送られてきた動画を見せる。

「アハハハッ!なんで撫子が持ってんの?」

居なかったよねぇ?と。

「…実は私には第三の目があって見ることが出来たのさ。」

「マジマジ?スッゲー!」

「いや、あの……冗談よ?
なんかネタが滑った…マジ恥ずかしい…。」

頭を抱えながらジローを撫でる。
器用だ。

「ザマァプギャー。」

忍足の小さな、小さな呟きが撫子に聞こえてしまった。
ナイス地獄耳。ドンマイ忍足。

「カッティーン、頭きた。このデータ私と滝しか持ってなかったのに、秘密主義ってたのに。あーあ、これみんなに送信してやる。跡部に岳人にジローに宍戸に鳳に日吉に樺地に!」

「ちょいやめぇ!つーか何時の間にみんなのアドレス知っとんのや!」

「そんなもん直接聞きに行ったに決まってるじゃんかマネージャーになって何日経ってると思ってんの。
後はー、マスターに仁王に柳生君に送ってやろーっと。ブラックメール送信。ズッキュン☆」

「らめぇえぇぇええぇええ!」

「お前が言ってもキモいんだよ!言うならジローに言っていただきたいものだ!」

「何々?らめぇ?」

近くに居たジロー。
何て意味?と首を傾げながら言う。

「っ………ジローマジ天使っ!」

「お前ら何してんだ真面目に練習しないなら帰れ。」

騒ぎに気付いた跡部が近付いてきた。
後ろには跡部と打っていたのであろう滝が録音機を握りながら近付いてきた。

「やぁ撫子遅かったね。知ってる?撫子が今日するはずだったドリンクとか俺がやったんだよ?面倒くさかったなぁ…。」

「実にすみませんでしたぁ!いつか必ず見返りをさせていただきますのでどうぞお許しを!」

勢いよくジャンピング土下座。滝を敵になど回したくない。

「ふふ、許してあげる。後、これあげるよ。さっきのジローの台詞。」

「貴方が神か!」

「俺タイミング良いよねぇ。たまたま録音機を持ってて、たまたま録音を始めてて、たまたまジローの台詞を聞いちゃうなんてね。」

「実にそうですね!」

もうツッコムことをしない。
滝に人類の法則は通用しない。

「おい、やる気があるなら練習を始めろ。それと今日は早く終わってミーティングがある。」

「はいはいー。みんな練習に戻ろうか。あほ…跡部の怒りに触れないようにねぇ。」

「おい、今何つった?あほ?」

「解散!」

撫子の一言で散るメンバー、跡部が何か言い掛けたが聞こえない。滝に引き摺られる様に去っていった。

「あっぶな、口が滑った…また滝に助けられてしまった……。」

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