青春Destroy | ナノ


049


顔を上げる忍足。

「…あかん…メバチコ出来てまう…。」

目を赤くして涙を流していた。

「むっちゃええやん!登場人物が鳳と宍戸ちゅーんはおいといて、話はむっちゃええやん!
BLなんはおいといて!さらにR指定なんはおいといて!!」

原稿用紙を撫子に返す。

「ほぅ…それはよかった。じゃ忍足、私ちょっくら文芸部に行ってくるから部活遅れまっす。」

早速行動に移す。

「なんで文芸部なん?」

「イジメ撲滅運動ファースト始動ってとこだよ。」

「俺も着いて…。」

「いや、いいから、来なくて。忍足は跡部に私が遅れるって事を伝えてくれる方が私は嬉しいな。」

「そか。気い付けや。」

「イエス、マイロード。」

「ほな俺は先に部活行くわ。」

「はいはーい、…行ったふりして私の後ついてくんなよ?」

一瞬忍足の動きが止まる。ついて行こうと考えていたようだ。
図星で固まってしまったらしい。

「勿論、ついてきたら…ね?」

忍足は教室から退散。
そのとき足と手が同時に出ていたことに爆笑。

教室に残っている撫子。
鼻歌を交えながら宍戸復讐用鳳宍本を手に持ち、さらに鞄から薄い本を新たに取り出す。

そう忍足復讐用総受本を。

家で描き上げていたようだ。
因みに内容は昔(参照17話)語っていた物を小説にしたものだ。

「さて…ここからが本番。」



撫子は気合いを入れ文芸部部室へと足を運ぶ。

文芸部の部室の扉の前。
撫子は扉をノックする。

「おはやっぷー☆」

部室の中にはいるとそこには部員であろう数名の女子が居た。

「……なにか用かしら?」

嫌そうな顔をして言う。

「そだよー、用が有ってきたんだよー。つーか質問しに来たんだよー皆さんはテニス部レギュラー陣の面子って好きですか?」

「当たり前じゃない。あんないい方達なんて滅多にいないもの。だからみんなを独り占めしている貴方なんて嫌いよ。」

「ほうほう。では次、ビーエルって何か分かる?」

「!?っそんなの知るわけないじゃない!」

ひとりの部員を筆頭に部室にいた面子は顔を赤く染め完全否定。

かかった。
本当に知らないパンピならば、ビーエル何それ美味しいの?状態になるはずだ。
断言しよう、ここに居る文芸部員は腐女子である。


「ふーん…。」

撫子は机の上にある女子達が書いたであろう作文用紙に目をやる。

唸れ2.0の俺の視力!

そこには跡部だとか忍足だとか名前が書かれてあった。

「な、何見てるの!?」

撫子の視線に気付いた一人がとっさに隠すも時すでに遅し。

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