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「ちょ、ペテンさんって中学生だったんだ。」 「撫子さんって中学生じゃったんか。」 驚くところもなんだか同じだったらしい。 「ツッコむところそこかい!」 「だってあんな色気が中学生…。」 「あの身長で女子で中学生かの…。」 「マスター知ってた?」 「いや…知らなかった。写真を見ても口元の黒子無かった…んだが……。」 柳は驚きのあまり開眼していた。 …柳よ、黒執事の劉をやってみるつもりはないかい? 「マスター黒子とかは簡単に消せるよ。」 「それよりも何故柳生が居る?」 「あぁ、私は仁王君のカメコです。」 と言う事はあの影とかは柳生のモノだったのかそうなのか。 「…とりあえず…音楽室に行こうか…。話は…それからだ。」 何とかショックから落ち着いた5人は音楽室へと足を進める。 音楽室につき再び向き合うペテンと撫子。 「……ハジメマシテ、撫子ト言イマス。今日ハ誘ッテクレテアリガトウゴザイマス…。」 動揺が隠せていない。 「は初めまちて…ペテンじゃ…。」 同じく動揺を隠せていない。 二人は事務的な挨拶を終え名刺交換。 「「……。」」 再び沈黙が流れる。 「えーっと…時間も勿体ないですし、仁王君と撫子さ…椿崎さんは着替えて下さい。」 そんな沈黙を打ち破ったのは柳生であった。ナイスアシスト。 しかし今苗字で呼ぶのは勘弁していただきたい。むず痒いのだよ。 「今はコスネームで呼んでくださいませn。……忍足衣装持って来い。あと着替えるの手伝え。」 「了解。」 撫子は準備室へ移動し、仁王はこの場で着替えることになった。 「まさか仁王がペテンさんだったとは……コスネームで理解しておくべきだった。」 「参謀がペテンを知ってることに驚きぜよ。参謀は何かやっとるんか?」 「俺はコスプレはしていない。考察サイトを運営しているだけだ。」 「知らんのぉ。」 知らないと判断した仁王は着替え、メイクに集中することにした。 「柳君…まさかマスタープランと言うサイトですか!?」 柳生がカメラを整備しながら聞く。 どうやら聞き覚えのあるサイトだったようだ。 「そうだが…知っているのか?」 「はい、時々ですが、その考察のクオリティが高いので拝見させていただいています。でも書かれている小説は高尚すぎて私には理解できないので他のサイトの方が要約して書いている物を読んだりしています。」 「…要約してくれているサイトは俺のサイトのリンクページの一番上のバナーで飛んでいるのか?」 「はい。」 「そのサイトの管理者は撫子さんだぞ。」 「…椿崎撫子さん?」 「あぁ、そうだ。」 「本当ですか!?私ファンなんですよ!」 「らしいな…本人に言ってやれ。喜ぶからな。しかし撫子さんの書くものはBLがほとんどだろう。それで読んでないというのか?」 純粋な疑問。 「あ…のっ……。」 そして言葉に詰まる柳生。 しかし恥ずかしい事ではないぞ。女子だって百合作品を読んだりしているのだからな。 「聞いた俺が悪かった。心にしまっておくよ。」 「そうしていただけると、嬉しいです。」 そんな話をしていると準備室からトボトボと歩いて忍足が出てきた。随分暗い顔をしている。 「…………ドモ。」 「どうした?撫子さんはまだなのか?」 「まだ着替えとるわ。」 忍足はまだ気分が沈んでいる。 「どうしたのですか?そんなに暗い顔をして。」 「撫子はヤバ…いや、やっぱ何でもないわ。」 「…そうですか。」 |
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