まだまだだね |
『リョーマ!お願いがあります!』 撫子のこの一言のメールから始まった。リョーマはそのお願いを二つ返事でおkをした。 「リョーマ、今日はゴメンねー。折角の休みの日だっていうのに…。」 「いえ!撫子を独占できるなんて嬉しいです!それに今回は女装じゃないから最高っす!」 「いや、ホントにねー。うたプリの翔ちゃんをやってほしいっていきなり言っちゃって…。」 そう、今はイベント。そして撫子はうたプリの那月をするにあたってリョーマに翔をするように依頼をしたのだ。身長差的にはピッタリ。因みにライブ衣装である。 「このキャラって翔って言うんすね!」 「そうだよ!ショタキャラで私の嫁さ!ただ私よりも歳は上なんだけどね!」 「……俺よりもその翔ってキャラの方が好きっすか?」 どうやらジェラシー的なモノを感じてしまったリョーマは撫子にこのようなことを問うてみた。 「そんなの愚問!リョーマも好き!小っちゃくて可愛いんだもん!」 「嬉しいっす!」 『も』という言葉はリョーマの耳には届いていなかったようだ。 「あー!撫子さんやないか!」 「撫子やないですか!?」 大阪弁の声がした。 そして振り返ってみると見覚えのある二人である。 「おおおお!蔵さんに光君ではないですかぁ!というよりまたバレタァ…。」 「そんなん分かるに決まってるやないか!身長、んで目つき!それから撫子さんのオーラ!」 「部長、正直キモいっすわ。撫子さん!そのチビ、誰っすか?」 「蔵さんの洞察眼に全俺が泣いた!あぁ、リョーマだよ…ってゴメン本名言っちゃった…。」 もしかしたらリョーマはコスをしていることに対して第三者には秘密にしたかったかもしれないのに、撫子はうっかり普通に紹介してしまった。 「いえ!全然気にしてないっす!」 「リョーマ、マジ天使!」 リョーマのランランとした輝きに撫子はノックアウト。思わず抱き着き、シャッターチャンス。 だって那月が翔に抱き着いてるんだよ?それがシャッターチャンスにならずに何になると言うのか! 「くっ…うらやまけしからん!」 「うわ、めっちゃ腹立つ、めっちゃ腹立つわ!あのコシマエ君の顔!」 抱き着かれていいことに、リョーマはその二人に対してドヤァアアと羨ましいだろという顔を向けていた。 「グアァアア!撫子さんそいつから離れてください!離れて下さいっすわ!」 「えー?でも那ちゃんは翔ちゃん大好き設定だからここぞとばかりにセクハrゲフゲフ、スキンシップを図んないとね!」 「撫子さん、いや…那月、お前が、どうしてもって言うなら、だっ抱き着いてもいいぜ?」 リョーマが翔になりきって、ツンデレな演技をした。 「グフアッ!?なんて、破壊力ッリョーマァア!もう好きだ、愛してる!」 「「!?」」 役得ドヤァ byリョーマ 「財前、俺の言いたいこと分かるやんな?」 「はい、今なら分ります。 撫子さん、ちょう待っといてくださいね。すぐ戻ってくるんで。」 「ん?…この辺りに居るよ…?」 二人は撫子から離れ、一時姿を消した。リョーマとしては邪魔者が居なくなったので、とても清々している。 そして数分後。撫子とは別のところで、ざわめきが上がった。どうやら大御所と言うか、クォリティーの高いレイヤーが来たのだろう。 勿論見に行くに決まってるじゃないか! そこにはレンとマサの二人組が居た。なんだろう…後光が見える。 「「撫子さん!」」 レンとマサ、その二人は周りに居る撫子の姿を見つけ、名前を呼んだ。声からして先ほど姿を消した白石と財前だろう。 「蔵っ…ホワイトさんとぜんざいさん、なんて素敵な格好をしているのですか!?」 「そんなん決まっとるやないか!撫子さんの隣に立つためや!」 「どうですか?撫子さん、似合っとりますか?」 「似合っとります、似合っとります!二人ともステキ!写真撮ってもいいですか!?」 「「ええに決まっとる!」」 撫子は腕に絡んでいたリョーマを少し離してもらって、カメラを構えた。今はレイヤーの撫子ではい。カメコの撫子だ! リョーマを長らく放置して撫子は写真を一心不乱に撮る。白石と財前はリョーマが放置プレイを食らっていることにほくそ笑んだ。 「………、撫子さん!そろそろ撮るの止めませんか!?俺らを写真撮りたい人まだまだ居るっぽいっすよ!」 「ん?…あぁ、そうだね。ホワイトさん、ぜんざいさん、どもでした!」 「満足してくれたらそれだけで嬉しいわ。さて、俺らも撫子さんと行動することにするわ。」 「そうっすね。」 「ホント!?嬉しいよ!」 「え、なんでっすか?俺と二人だけでいいじゃないっすか!?」 二人っきりで行動できると思ったリョーマが声をあげた。 「だって同じ作品だし…こんなイケメンと行動すること珍しいんだもん!」 「………ッ。」 「じゃ、そういう訳でコシマエ君。一緒に行動させてもっらうわ。」 勝った。という顔で白石と財前はリョーマを見下す。 悔しそうなリョーマの顔。…萌え。 「あ、あの!写真、良いですか!?」 数人のグループの女子たちに声をかけられた。 「いいですよ!」 写真を撮られるようなので、撫子はリョーマと絡もうとした、が、白石と財前が撫子と絡む、と自己主張してきた。 「撫子さん、腕くんでもいいっすか?」 「撫子さん、俺と絡んでやー。」 下心丸見えである。 しかし、 「え?…二人は御曹司組だから二人で絡まないの?いやまぁ、クラスで分けたとして那っちゃんとマサ、翔ちゃんとレンってなることもできるけど、王道としてここは御曹司組とクラシック組でしょう!」 「「え?」」 撫子はキャラのCPを尊重したいと言う。 「やっぱりここはレンとマサ。那っちゃんと翔ちゃんでしょう!」 「そっすね!それに賛成っす!」 リョーマがごり押し。 「ですよね!ホワイトさん達いいかな!?」 「「撫子さんがそう望むなら…。」」 嬉しそうな撫子の顔を曇らせる訳にはいかないと思ってしまった二人。不本意ながら撫子の意見に同意した。 「あぁ、えっとホワイトさんにぜんざいさんでしたっけ?まだまだだね。」 ―――――――――― 500000hit企画第25弾 葉論様リクエスト「青春主がリョーマにコスをさせて抱き着き、それをみた白石と財前が嫉妬し、自らコスをする」でした。 本来ならいきなりコスは出来ませんが、此処は二次元!思い立った瞬間できると言った便利なことにして…。そして独断と偏見でうたプリのコスをしてしまいました…。他の候補としたら戯言シリーズの双識さんと人識さんでした…こっちよりもメジャーであろううたプリにしました。 |
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