可愛い×4 |
「ただいまー。……はぁあああ!?なんて言うユートピアが目の前に広がってんの!?ていうかなんで居るの!」 「どうでもいいからとりあえず助けてくれ。」 撫子がイベントの日、一日テンションがハイで疲れ切って自分の家に帰ってみると、そこには氷帝のジロー、岳人、立海のブン太、そして青学の菊丸がビニール紐で縛られた状態になって床に転がっていた。監禁部屋か何かに撫子の部屋はなってしまったのだろうか。 「おお、悪いね。とりあえずヒモ切ればいいかね。」 撫子はハサミを取り出してビニール紐を切った。 麻紐じゃないのが残念。なんちゃって、 「撫子ー、ありがとねー!」 「いえいえ、いいもん見せてもらったし。で、どうして…私の部屋に?イヤ、マジで。」 「それはだな。お前のとこの滝?と幸村君後、青学の不二がいきなり俺達を呼び出して意識が遠くなったらこんなことになったんだよぃ…。」 「クソクソ!滝め!」 「不二ぃ、俺何かしたかにゃぁ…。」 「俺、滝にこんなこと言われたC。撫子を癒してあげてってー。」 「なん…だと!?滝様スゲェ滝様!」 「あー…確かに最近撫子って最近疲れてそうだもんな。侑士に対する態度がいつもの三割増しでひでぇもん。後、手の汚れようがいつもよりスゲェ。勉強しすぎだろ!」 「あー…ハハハハハハ、まぁね。これでも交換転校生!」 すんません、嘘です。勉強なんてしてません。今日の為に原稿っつーかなんつーか…無料配布の絵を書いてました。 「へー、椿崎って大変なんだな。つーかよ、別に一々縛んなくても俺ら逃げねぇよ。」 「そうだにゃー、俺らってそんな扱いされる立ち位置だったかにゃ…?」 「…なんかすんません、そうだ!お詫びに何か作ろう!簡単なものなら今から作れるよ!」 ぶっちゃけ今日はインスタントでもして終わらそうとしたけどこんな癒しが居るのだから何かしてやらなきゃな! 「マジマジ!?嬉C!だったらだったらカレーがいい!」 ジローがそう言うと他のメンツも俺も、と続いて言った。 「おk把握。じゃぁ30分程度待ってて、本気出す。」 三十分後。 温かいカレーがキッチンからやってきた。5皿分。 「お待たせしました!人間やれば出来るね、まさか本当に30分で作れるだなんてね!一時間かかるかと思ったのにねー。」 「わー!撫子の手料理ぃ!忍足に自慢してやろーっと。」 「ジロー、それって侑士がうらやむのか?」 「さぁ?まぁ忍足のことなんてどーでもいいC!丸井君食べよう!」 「おう!」 「「「いただきまーす!」」」 そして食べ始める。 「うん、美味しいぜ!」 「それはあざーす。でもカレーだから不味く作る方が至難の業な気がする。」 「椿崎さん…乾汁混ぜたら簡単だよ?」 アハハハハ、ととても遠い目をして遠くを見ている。まるで今まで一回はそれを食べたことがある様な、悟りを開いたオーラを醸し出していた。 「菊丸君…ドンマイ。」 「そーそー、聞いてぇ!今日なんてね乾の奴外周で下から10番内だったら今までに作った乾汁のブレンド茶を振舞ってやるといか言ってメガネ光らせてたんだよ!?ひどくない!?」 「うっわ、それは飲んだら確実に三途の川渡るわ。」 「でしょー!」 「俺ん所はあれだぜ?幸村君のイップスとかホントヤバい。幸村君の機嫌が悪い時真田が叫んじゃってさ、速攻でイップスの餌食になってやんの。」 「真田クーン!?まぁ、あの叫び声を聞いたらそのチート技も使いたくなるわ。」 そんな感じで他愛もない会話が続く。 そんな中撫子の瞼はとても重くなったように目がシパシパし始めた。 うわー、やっべ眠ぃ…流石に丸一日テンション保つことは無理だったか…いや、でもここにはまだショタショタがッ変な姿なんて見せられないわ!あー…地元のメンツの中で仮眠とることなんて簡単だったんだけどなぁ。やっぱ気を使ってしまうわぁ。地元が恋しい…。 「あれー?撫子どうしたの?」 撫子の眠そうな表情を一番に気づいたジローが話しかけてきた。 「んー…眠くて、私は膝枕を所望したい…。」 そういえばこうやって友達によく膝枕してもらってたわ。 「いいよー!やってあげるよ、いつもしてもらってる訳だし!さッおいで!」 ジローが正座をして撫子の頭を待つ。 「ありがとう…―――。」 そう、――っていう友達がよくしてくれてたんだ。懐かしー―――……。 「……撫子本当に寝ちゃったね。」 「それほど疲れてたってことだろ。」 「でもどうやって椿崎さんを運ぶの?俺ら力ないよ?」 「「「………。」」」 チビーズが頭を抱える。 ピーンポーン―――。 そんな中、玄関のチャイムが鳴り、そして程なく扉があいた。 「撫子ー、来たでぇ。今日の戦利品を……ってなんで自分らが居るん。」 「それはこっちのセリフだぜ侑士。なんでここまで来れてんだ?」 撫子のマンションのセキュリティーは中の住民がマンションの入り口を開けてくれなければここまで来ることが出来ないはず。 「いや、やって俺合鍵持っとるもん。」 忍足の手元にはきらりと光る鍵。 「なっ!?」 「安心しぃ、恋愛フラグなんてこれっぽっちも立たんから、むしろ立てれんから。って寝てしもうたか…しゃーない。明日せがむか。」 「ねー、忍足ー、撫子をベッドまで運んでほしいC。」 「そうだにゃー、椿崎さん身長大きいから俺達運べる気がしないんだにゃぁ…。」 「まー…しゃーない、運んだろ。」 忍足は撫子をジローの元から救い上げ撫子をベッドの上に。撫子の寝顔をジィっと見つめて一言。 「…ホンマ黙っとったら別嬪さんなんやけどなぁ。」 「忍足オメェ…撫子に悪戯とかしたら俺が許さないC。」 忍足のその光景を壁にもたれて見ていたジロー。 「……ジロー…どんなに今恰好つけても…足のしびれを耐えとるような顔しながら言われたら、きまっとらんで。」 「………ぐぅうう…痛いー…忍足、おんぶで連れて帰って!」 「不甲斐ないなぁ、ま、さっさと帰るで。」 忍足は撫子を運んだら次はジローを運ぶ羽目になってしまった。 「じゃーねー、撫子。おやすみー。」 「カレー美味しかったぜ!今度は俺が立海スペシャルを作ってやるよ。」 「サンキュー、メルシー、また来週!おやすみなさい椿崎さん!」 かわい子ちゃん+αがご帰宅。 色々充実した一日でした。 ――――――――――― 300000hit企画第12弾 涼様リクエスト「ジロちゃん・ブンちゃん・がっくん・英二などのカワイイ系との絡み」でした。 ちょっと菊丸が空気だった気がしなくもない。だって本編であんまり絡んでないから……。いや、でも…うん。絡んでる絡んでる。乾汁の架け橋。 ジローがなんか出張っちゃった。 |
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