坊ちゃま(笑) |
「跡部ー、これからカラオケ行くけど来るー?」 何でも無い放課後。 これから忍足とジローとでカラオケに行こうと計画をしていた撫子。そして、義理程度に跡部も誘う。義理程度といっても跡部の美声は最高なので、ひと声かけるようにしているのである。 「アーン?…行かねぇ。今日は用があるんだ。」 「「「!?」」」 カラオケ中、マイクを離さない跡部が。 カラオケ中、撫子が止めろやボケ、と静止しないと歌うのをやめない跡部が、今回誘いを断った。そんなこと驚くしかない。撫子を始めとする三人は驚愕し、うろたえた。 「うわーん!跡部が壊れたぁあ!撫子ー!跡部死んじゃうの!?」 「ッ、かもしれない…私がいつもムカつくからって死ネタばっかりで妄想してたからッ!」 「撫子のせいやない…跡部はこうならんでもいつか背中から刺される運命やっただけや。それが早まったんや。」 「何不吉なこと言ってやがんだ。今日は用があるって言ってんだろ。」 「じゃぁその用ってなんなのさ!言ってみろよ!病院通いだから言いたくないとかなんだろ!?」 「………。」 「うわぁああああ!やっぱりなんかあるんだー!不吉だー!」 「ただの用って言ってんだろ!?俺は死なねーし!お前らもバカやってねぇでさっさとカラオケへ行け!行くぞ樺地!」 「ウス…。」 跡部は乱暴に言い放って部室を後にした。残された三人はニヤリと笑い合った後すぐに部室を出た。 跡部が跡部邸に到着。跡部の用とは自分の家であったのか、そうだったのかー。 「坊ちゃま、お帰りなさいませ。」 「あぁ、……奏はもう来ているのか?」 「はい、先ほど友人様達と共に。」 「友人?」 「はい、皆様は客間の方にいらっしゃいます。」 「…分かった。俺様も客間に向かう。」 「かしこまりました。」 跡部は執事に荷物を預けて自身は客間へと向かった。客間の扉を開け、声をかける。 「奏、来ているのか?」 「えぇ、景吾こんにちは、おかえりなさい。」 「跡部お帰りー!」 「跡部、今帰ったんか。」 「あー!遅いC!!」 「………………………………なんで貴様らがここに居る!!」 部室で別れたはずなのに、撫子、忍足、ジローは跡部よりも先に跡部邸でお茶を飲んでいた。 「庶民の交通手段のチャリと現役運動部の私らの脚力なめんなよ!?」 「跡部があんなにあからさまに物隠すやなんて一大事やないか、やから直接屋敷を訪ねてみたんや。」 「そしたらー、丁度門の所で奏ちゃんと会ってー!」 「景吾と同じ制服を着ていたから友達なんだろうなって思って、私に景吾の学校での様子を教えてくれてたのよ。」 四者四様答えて跡部の疑問は解消されただろう。跡部は怒りたかったが、なんというか呆れてものが言えない感じ。 「……お前ら…奏になにを喋った…?」 「えー?跡部は俺様だとか。子猫ちゃんに向かってメス猫発言だとか?」 「撫子なに言うとんの、もっと喋ったやろ。」 「わッ馬鹿!そんなわざわざ怒らせるような真似しなくてもいいじゃんか!」 「椿崎……何を言った?」 答えを強要される撫子。 「えーっと…ポン!」 撫子は忍足にバトンタッチ。 「え?俺、言いたない、ポン!」 忍足はジローにバトンタッチ。 「ポーン!」 ジローは奏にバトンタッチ。 「「「あ。」」」 「え?私?そうねぇ、景吾が蒼の貴公子っていう人に嫉妬をむき出していたことや、桃の姫君に全校生徒の前で告白したことや、水泳大会で個人タイムで撫子さんに負けたことかな?」 正直に話す奏。人間としては正しいのだが、今は間が悪いと言うもの。跡部のオーラが滝たちの様な重い物に変化した。 「アハハハハハハ!そうそう、確かそんなことを話したねぇ!奏さん流石!物覚えいいね!」 腰が引けてます。三人衆。 「まーまー、跡部落着きぃ。悪気があったわけやないんや。奏さんが教えて欲しいって、なぁ。」 「跡部が面白いのがいけないんだC!と言うことで帰る!」 ジローが言って三人が鞄を肩にかける。そして扉の方へダッシュ。 「じゃ、そういうこと!跡部また明日!いとこエピソードご馳走様です奏さん!また機会があったら!」 「はい、またメールしましょうね。」 「キャー!奏さん愛してるー!」 「椿崎ッテメいつの間に!」 「やーい!小さい頃からツンデレ坊ちゃま(笑)その年で坊ちゃま(笑)」 ―――――――――――― 300000hit企画第4弾 十二宮 癸様リクエスト「【運命は残酷だと言いますが、これは鬼畜すぎやしませんか】×デストロイ」でした。 もう謝罪文しか浮かばない!だって主と奏ちゃんがあんまり絡んでない!そしてオチもいまいち!でも言い訳、話が少なくてキャラが掴み切れなかったんだ。本当に申し訳ない。 |
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