ダメ絶対音感 |
「ブラボー!ブラボー!ブラビアァアス!私の目、耳に狂いはなかった!お前ら喋れ、キャラになりきって喋れぇええ!フゥ!フッフゥウ!」 「「「ちょっと落ち着け。」」」 撫子がコネによってかき集めたメンツ。そして、撫子が完璧なる趣味によってメンツたちにコスをさせている。 したくない、なんて言う拒否権は認めない。 「しっかし、なんちゅうコンセプトなんじゃ?皆目見当つかんぜよ。」 「はぁ?あんたバカァア?」 「……すみません、私も…少々…このような格好をしているか分からないのですが……。」 いつもならカメラを構えている柳生だが、今回はコスプレをしている。 「おお!柳生君似合ってるぅ!」 柳生が着ているのは『マグダラなマリア』のエスメラルダの服で、黒を基調としアクセントが深緑のドレスだ。 「流石に、褒められても…嬉しくないです。」 「えー、ちょっと歌ってよ。怒りと恥辱が〜って、」 「え、…いかぁりぃとー…恥辱がぁわが身にぃ宿るぅぅぅ――」 「はぁあん、ヤギュラート最っ高!」 むちゃぶりにも答えてくれた柳生。しかも踊ってくれた。柳生、マグダラ知ってたんだね。 「撫子さん撫子さん、俺のも柳生さんと同じ作品のすか?」 「光君ッマジ似合ってる!可愛い、可愛いぃいいい!ケルベロス抱いちゃってんまぁ!そん中銃とか入ってないよねぇ?」 「入ってるっすわ。」 「なん…だと?」 「撫子さんのハートを射止める物が、」 「甘ぁああああああいい!!」 「どうっすか?撃たれてみます?」 「いや、エビ臭いって言われた方が嬉しい。」 「ッ!?」 このままいけば告白フラグだったのに、ベキィ、っとへし折った撫子。 「謙也のペア振られとるー!アハハ、撫子に恋愛フラグなんて立てれるわけないやん!」 その状況を見ていた忍足が笑いだす。 「……うっさいっすよ。謙也さんのいとこさんはその格好全っ然似合っとらんすわ。なんなんすかその神父服。神父に土下座してください。」 フラグをへし折られただけでも苛立っている財前に忍足は茶々を入れた。その結果、返り討ちにされ数倍の威力の暴言が返ってきた。 「俺が今一番気にしとること言わんといて、抉れる。めっちゃ抉れる。」 「ほら、究極って言ってくださいよ、ギッタンギッタンにしてやりますわ。」 「え、なんで俺そんなに責められんとあかんのん。てか、その格好で罵られたらかなり興奮するわ。自分も今の自分の格好を自覚した方がええんとちゃう?」 ロリコン乙。 「ええんですわ。撫子さんに喜んでもらえるなら過去がくそ重い少女のコスだろうと、兄でもない男に『おにーたん』って強要されるような少女だってなんだってやったりますわ。」 「男や…男が居るで、」 「ちょっとちょっと、忍足アンタは究極って言ってよー。光君のロリっ子に惚れる前にさー。何のためにその格好してもらってると思ってんのよ!」 「あー…そうか、声質が似とる人をそのキャラのコスをさせとるんやな。」 「うん、そうだよ?まぁ、柳生君と光君は無理やり感があったけど、成功したから満足。」 「激しく同意や。しっかし、よう俺がナックルまたは笹川了平と同じやて気づいたなぁ。俺、撫子に言われるまで気が付かへんかったもん。」 「俺のダメ絶対音感なめんな☆」 「じゃったら俺もよう分ったな。Gって…。出番あんま無かったじゃろ。」 「…お前ら私をなめすぎだぞ?いい加減にしないと、怒っちゃうぞ☆」 ☆の乱用、テンションがおかしい。 「……椿崎…キャラが行方不明になっとるぞ。」 「だって!私だけ同じような声質の人居ないんだよ!?こちらから似せることは出来るが、地声で同じ人居なんだぞ!?この辛さお前にははからないだろぉおお!?」 「「実にさーせんした。」」 「ばーかばーか!」 「撫子さーん、着てみたでぇ。なんや、この衣装上半身布無いやん。」 「……撫子さん、この格好は俺のキャラではないのだが?」 遅れて二人が登場した。白石は虚刀流七代目当主、鑢七花。手塚は真庭忍軍の頭、鳳凰。 「うぉおおおおおおおおおお!!七花ぁあ、鳳凰様ぁあ!!」 今日一番のテンションとなった撫子。白石の半裸、hshshs 「てて、手塚君!飄々としてください。目ぇ閉じてくださいぃいい!」 とりあえず、白石を襲ってしまいそうだったので、意識を手塚に持っていった。 「ん?……これでいいかな?撫子さん。」 「嗚呼、キュンとする。胸がときめき過ぎて私死にそう…ッ。ときめいてもらうでござるー。あ、キャラ違った。」 「喜んでくれて嬉しいぞ。」 手塚が目を閉じたままふわりと笑った。 「鳳凰様が笑ったぁ!……ん?これは手塚君が笑ったことに驚けばいいのかね?」 「撫子さんー、俺とも絡んでやぁ。」 放置プレイを受けていた白石。いや、わざとじゃないんだ。撫子自身の理性をフル活用していただけなんだ。 「く、蔵さんッ…今の私、蔵さんを襲いかねないから…自衛頑張ってッ!エロいのが悪い。蔵さんがエロいのが悪い。」 一応忠告。 「なんや、撫子さんなら大歓迎や。」 「え、そんなん言われたら私飛び込むよ?」 「撫子さん!気を確かに持ってください!そいつ七花じゃないっす、白石部長っすわ!」 「は?今ナチュラルにそいつって言いよった?」 「ぐッ……本能、理性、どちらが勝つのぉおお!?」 「負けんといて下さい!」 「チッ、女装野郎が…撫子さん。」 「な、なにかな!?」 「撫子さん、俺に抱き着いてもええで?ただしその頃には、あんたは八つ裂きになっているだろうけどな。」 「きゃぁあああああああああ!!きゃぁああああああ、ぎゃぁああああああ!!!」 白石的には抱きついてほしいらしく、撫子を煽るように七花の決めゼリフをここぞとばかりに発していく。財前は撫子の手前暴力で解決することができず、撫子に正気を保つようにエールを送るしかなかった。 「撫子さぁあああああん負けちゃアカンですぅ!」 「負けないッ、私負けないッちょ光君、抱き着かせて?ダメ?やっぱダメ?」 「そんなの勿論喜んで!」 撫子は許可を貰ってロリ…ショタ?…こんなにかわいい子が女の子のはずがない。に抱き着いた。 役得ドヤァ。 財前が白石に向かってニヤァ、ドヤァと笑った。 「ざ い ぜ ん 貴様ッ。……この手だけは使いとう無かったが、撫子さん。」 「あはーん、何かなぁあ?光君可愛いいい。」 目線だけを白石に移す。白石は撫子に近づいて、生気のなくした目をしてまっすぐと撫子を見据えた。 こんな表情の白石、見たことが無い。撫子は思わず息を呑んで白石から視線を離せなくなった。その瞬間、 「嗚呼…面倒だ――。」 最大限の色気を用いて白石は言った。嗚呼、なんて吐息混じりでエロかった。白石、君は本当に中学生なのか。中学生でその色気を出したらないない。逮捕である。 「七花ぁあ!好き好き大好き愛してるぅうう!んちゅー!」 そんな色気に撫子の理性はプッツン。こんにちは本能。 調子に乗ってリップ音を鳴らし、白石の頬にキスをした。 「んんんんんッエクスタスィイイイイ!!」 「部長ゴルァアアアアアアマジふざけるんやないですよ!?マジ、ぶっ飛ばしますよ!?」 「今の俺ならトラックにはねられても生きて『僕は死にましぇん!!』って言える。そのまま撫子さんにプロポーズしたる。」 「そんな展開になる前に俺と、撫子さんのファンを募って部長を抹殺してやりますわ。アリバイ工作なんてちょちょいのちょいっすからね。」 「本気じゃ…あの目はッ本気じゃ!常識人ッ常識人は……柳生!おまん止めんしゃい!」 見ていた仁王が慌てはじめた。常識人さらに知識のある柳生に助けを求めた。 「…返事がないただの屍のようです。」 助けを求められた柳生は己は関係ないと言わんばかりの無表情だった。 「ばるすぅううううううううう!!」 ―――――――――――― 200000hit企画第15弾 悠様リクエスト「中の人繋がりコスプレ大会。テンション上がった主が頬っぺチューしちゃったりな感じ」でした。 趣味が偏って申し訳ない。マグダラなんて知っている人が絶対に居る気がしない。しかも中の人と言ってもミュキャスのサトちゃんと龍ちゃんだもんね。コアすぎるわ! なるべくキャラ同士が一緒のアニメ…って思って探しても案外ないのね…。 |
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