元気溌溂 |
「あ、カマキリや。」 教室から部室へと向かっているとカマキリが道の真ん中で撫子に向かって威嚇ポーズをかましていた。 「む!?虫のくせに人間様に向かって威嚇するとは何事だ。」 撫子はカマキリの首を持ち拾い上げる。 「いや、普通やろ。」 「あー…思い出すなぁ。」 「何が思い出すんや?」 「んー?私が小二ぐらいだった頃のこと。」 カマキリを道の端、草村に投げた。そのまま足を部室へと向かわせる二人。 「小二かぁ…どんな子やったんや?」 「今よりも活発だったよ!」 「今よりもて…なんちゅー悪夢や。」 「いや、その頃はまだパンピだから違う意味での活発だからな。」 「そうか…で?なんでカマキリが思い出なん?」 「イヤ〜、その時は男子よりも男子っぽい子としてたのよー。」 「…ロリの存在でショタになろうとするんやないで!」 「ショタ良いじゃん!ショタの何がいけないのさ!」 「侑士、撫子、また部室の前で言い争うなよ。せめて中入ってから話せよ。」 気が付くと二人は部室の前で言い争っていたようだ。岳人が呆れた顔で部室の中から顔を覗かせる。 「ごめんねー忍足がさぁ…。」 「人のせいにするんやないで…。」 中に入り適当に座る。 「で、二人は何の話してたんだ?」 「……なんの話してたんだっけ?」 ポンポンと話してたら前の話題なんて忘れちまったよ。 「あー…カマキリや!」 「あぁ、そうだったそうだった。」 「カマキリがどうしたんだよ?」 「んっとね。カマキリを見かけて懐かしいなぁって…。」 「カマキリを見て懐かしむなんて激ダサ。」 「黙らっしゃい宍戸。さっきのカマキリ捕まえて背中に這わせるぞ。」 「撫子……もしかして、それ…小二の頃、誰かにやったんか?」 「おぉ、すげぇな忍足、何故バレたし。」 「いや…その発想を躊躇無く出来るなんて、経験があるんやないか…と。」 「うん!そんときは担任の先生の背中にガチでくっつけたけどな!あ、男の先生よ。セーターだったからもうしっかりくっついちゃってちょっと焦ったのよねー。」 「「「……………。」」」 思わず手を背中にやってしまうメンバー。 「あの…椿崎、さん?もしかして小二の頃って相当なやんちゃっ子だったんですか?」 「うん、今より非道かったよー?聞く?」 「……言っても良いのなら、聞いてみたいです…。」 苦笑をする鳳。 「あ、いいもん見た。 …えっとねー。低学年の頃はすごかったよー。とりあえず休み時間は男子とドッジやケイドロをしてたし…。掃除時間中はありきたりに野球ごっこしてぇ…。登下校の時は道沿いの小川の中に靴ごと入ってザリガニを手で捕まえて、それを男子に投げつけてたでしょ?+ピンポンダッシュ。あと道ばたに落ちてたエロ本をマンガだと偽って見せつけて私に『エロいー』とか罵ってきた男子には股間に蹴り食らわして…。それから、雨の日には体育館の中でプロレスゴッコとか言いながら取っ組み合いしたし。友達の顔面にボール食らわしたのに謝らなかったクソ男子の顔面ブン殴ったし…。えーっと後はー……。」 「先輩、もういいです!言わなくて結構です!ありがとうございました!」 「ん?もういいの?まだまだあるのに…むしろこっから面白いのに…。」 「撫子…ほとんど男子にやんちゃ仕掛けとるやないか。」 「あんたバカァ?なんで女子に攻撃しなきゃなんないわけ?んな訳で私の攻撃は男子に対しての絶対的な嫌がらせのスキルをうpさせることになってしまったのでした!」 「この頃から撫子は嫌がらせの才能を開花させとったんか!?」 「みたいねぇ…かれこれ7年か…磨きあがってますなぁ。」 「それ磨いたん…多分俺らやろ…。」 「あー…そうだねぇ。紅桜並に戦艦をぶった斬れるぐらいまで磨いてくれよな!」 「だが断る!!」 試し斬りの対象になりやすい忍足は腹の底から叫んだ。 ―――――――――――― 50000hit企画第七弾 彼方様リクエストの『幼少期の今だから言えるあんなことこんなこと』でした。 管理人の今だから言えるこんなことー。 小学校の頃、本読みの宿題が出たら、読んだふりしていましたー。バレませんでしたー。 |
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