青春Destroy | ナノ


等価交換


撫子と柳、仁王が撫子の家に集結。忍足は都合が合わなかったという理由で今回は居ない。いつものメンバーで、いつものくだらない話で盛り上がろうぜ、の会であった。しかし撫子はウズウズとさっきから落ち着きがない。

「どうした?撫子さん。」

「マ・ス・タァア!これを着てはくれないか!?」

土下座と共に出されたのは黒執事の劉の衣装とウィッグ。

「ふむ…良いだろう。撫子さんの発想だと今日あたりに申し出があるのではないかと予測していた。」

「うわー!ダメ元で言ってみるもんだね!」

「しかし、俺からも条件がある。撫子さんもこれを着てくれ。」

柳も紙袋を撫子に突き出した。

「お?なんだいなんだい?」

ウキウキMAX、テンションMAXで紙袋の中をあさる。しかし、次の瞬間撫子の動きはフリーズした。

「アノますたー?コレハ…。」

取り出したるは黒執事藍猫の衣装。あの足丸出しな、あのヒップギリギリな丈のチャイナ服…だ。仁王がヒュウと口笛を吹いた。

「藍猫の衣装だな。」

「……えー…私がこれ着るの?ガチで…。」

「あぁ、是非とも着てくれ。」

「うぇー…だってこれ…俺の下半身の贅肉なめんじゃねーぞぉ!」

「着ないのならば俺は撫子さんが出してきた物は着ないが?」

「ああああ!それはダメ!着て、絶対!せっかく用意したのに!」

「だったら着替えてくれ。撫子さんはバスルームにでも行って着替えてくれればいい。」

「…………なんかマスターがこの家の主みたい。私が主だっつーの…。」

「ん?何か言ったか?」

柳開眼。

「いんぇ!何も言ってませんがぁ!?着替えてきますよ!着替えてくればいいんでしょぉ!?」

乱暴に藍猫の衣装をひっつかみ、バスルームへと足を進める。

「あ、撫子さん。メイクもしてきてくれ。」

「はぁ!?メンド…。なんでこうなった。」

「撫子さん、やるからには?」

柳がこの後の言葉分かるだろ?と言うように撫子を挑発する。

「本気出すけどな。」

柳によって無理矢理点火させられたコス魂。そのままバスルームへと入室。

「さて、やっと行ったな。」

「そうじゃの。」

「俺達も準備を始めよう。仁王、柳生と忍足は今どこだ?」

「もうすぐつくぜよ。……お、メール。玄関開けてくる。」

「そうか、計画通りだ。俺も劉の衣装を着る。メイクなどは頼んだ。」

「了解じゃ。」

仁王は玄関に移動。すぐに忍足と柳生が入ってきた。撫子に内緒で彼らは何かを企んでいたらしい。それが滞りなく進められていく。
部屋まで入ってきた柳生と忍足がすぐに大きな荷物を下ろし、中身を出していく。その中にはカメラが一式。柳生の私物だ。

「仁王着替え終わったぞ。」

二人が荷物を下ろしている間に、柳が劉の衣装を着終わった。

「やーぎゅ、参謀にウィッグネット被せてやりんしゃい。俺も着替える。」

仁王も柳生が持ってきた衣装を身に纏い始める。黒執事のセバスチャンの衣装である。

「分かりました。忍足君はそのままカメラを鞄から出していって下さい。」

「分かったわ…もうちょいで撫子の藍猫が見れる!」

「しかし、忍足もよくポンポンと衣装が買えるな。最近の撫子さんの衣装はすべてお前持ちなんだろ?」

「俺かて懐が寂しゅうなっとる…でもな!あーだ、こーだって撫子と衣装かけて勝負すると撫子めっちゃ強いんや!」

と嘆く忍足。しかしどこか嬉しそう。そうだ、忍足は前から撫子のファンだった。言うなれば忍足が用意した服を撫子が着ている、ファンとしては嬉しい。
急げ急げと忍足、柳生、柳、仁王が準備。そして完成。

マサスチャン・ニオエリス
ラウ=ヤナギ

「おぉ、参謀似合っとるぜよ。」

「……にお…ペテンさんこそ、本物並に色気があるな。」

「仁王君のセバスチャンは何度目でしたっけ?」

「あー…多分四回目ぜよ。セバスチャンの格好は需要あるけぇ。」

「早よ撫子の藍猫、藍猫はまだなんか!?」

「忍足君、落ち着いて下さい。」

「せやかてっ!足、足ぃ!撫子の御御足が見れるんはコスんときだけや!しかもこうやって無理やり着せんと足の露出するん着てくれへんもん!」

「「「…………………。」」」

忍足の暴走。足、と連呼されては周りはドン引くしかない。

「うぉらぁ!着替えてきたぜこんちくしょー!どうだ!目を潰してしまえ!ムスカになってまえぇ!ばぁああああるぅううううううううすぅううううううう!」

荒々しくバスルームの扉を開け藍猫の衣装を纏った撫子が登場。開き直ったのか足を隠そうなんてせず男らしく仁王立ち。

「ってセバスチャン!?本物!?…じゃねーよ!に、ペテンさんだよなぁ!大好きだチクショー!マスターマジ似合ってる!私の目に狂いは無かった!開眼、開眼してぇ!つーか柳生君に忍足もいる!?何でだ。カメラまである!!このまま撮影会でもするか、ぁあん?」

「撫子さん…似合っているぞ。」

「撫子!足、足、美脚ぅ!最高やぁ!キャー踏んでぇ!」

「踏む?いや、蹴る。」

忍足の反応がキモかったから蹴ることにした。

「グハァッ、あざー…す。」

我々の業界ではご褒美です。

「撫子さん、こっちに来てくれないか?」

「ぉお?なんだい?」

「折角のあわせだ、柳生に撮ってらおう。今回、そのために柳生を呼んだのだから。」

「わーい、マスターとあわせが出来るなんて思っても見なかった!」

撫子と柳を被写体とした撮影が開始。背景が撫子の家なのが残念だが…その辺は合成する事にする。

「俺も入るぜよ。」

と仁王もフレームにログイン。

「え?なんで?藍猫とセバスって接点無くね?」

「何を言っている撫子さん。藍猫は猫っぽい。セバスチャンは猫ラブ、…後は言わずもがな。」

「はっ理解した!」

三つ巴写真の出来上がり。

「つか、ペテンさんがセバスの格好するなら私、グレルやりたかった…。」

「おぉ、今度やるかの。」

「マジか!?やっりぃ!」




――――――――――――――――――
40000hit企画第二弾
翼様リクエストの「41話で言っていた黒執事の劉」ネタでした。

主人公の衣装、藍猫とマダム・レッドと迷った…。けど、仁王を登場させたおかげで藍猫に決定!!ごめんね。主人公、きっと君に萌えてくれる人いるさ…多分。

<< TOP >> 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -