青春Destroy | ナノ


ナカヨシカッコカリ


『仁王ー、次のイベントにコス参加しない?』

『おー良いぜよ。』

『マジか、流石ペテンさん、マジ神。柳生君も来れる?』

『おー、来さす。椿崎は何がしたいん?』

『んー……戯言シリーズの哀川さん。』

『じゃったら俺、曲識するぜよ。』

『そういや昔やってたな自分。』

『ま、の。時間とかどうするんじゃ?』

『いつも通りでいいさ。アフターで飯食い行こうぜ。』

『よかよ。アフターは椿崎の奢りじゃろ?』

『…また今度善処しながら考えておきまーす。』

そして当日。
二人は既に哀川さんと曲識に扮している。柳生もカメラを構え準備万端だ。

「よっす、ペテンさん、柳生君。準備はいいかい?」

「私は良いです。何時でも暴走して下さい。」

柳生は冷静を保ちながらもテンションがあがっていた。

「暴走て…。」

「俺もいいぜよ。しかし、おまんリアル哀川じゃな。」

「体系が?」

うふん、と撫子はセクスィポーズをとる。

「いや、目つきが。」

「……嬉しいような?ムカつくような?そんなモワモワした感情を取り除くために貴様を力任せにぶん殴る。」

「おいおい、力任せにブン殴るんは三女のメイドじゃろーが。」

「お、仁王にしては戯言シリーズちゃんと読んでんじゃん。だがな!他にも居るんだよ!人間関係にな!」

「プリ!?」

「撫子さん!仁王君をブン殴るのならば早くして下さい。シャッターをきるタイミングが掴めなくなります!」

レーザービームを放ちながら喋る柳生。どうやら仁王が殴られ…曲識が殴られる絵を期待していたらしい。だったら仕方がない。柳生の期待に答えなければ、女がすたるというもの。撫子は握りこぶしを作り、構えに入った。

「では、軽く一発。」

「ちょ、待ちんしゃい!哀川と曲識って初恋?組じゃろ。殴るとかありえんじゃろ!」

「いやいや、余裕であるて。将来的に結婚して夫婦になったらカカァ天下になると思うし。曲識さんって哀川さんに対してはドMだと私は嬉しい、ので殴ります。」

「ふぐぅ…ッ。」

仁王の頭に二、三匹のヒヨコが飛ぶ。

「…この、リアル哀川が……。」

「大げさだなぁ。そんな強くしてないっつーの。柳生君撮れた?」

「はい、ばっちりです。」

とまぁ、この様な事態になりながらもイベント参加は楽しく過ごすことが出来た。

「乙でしたー。」

「お疲れさん。」

「お疲れ様でした。」

「これからアフター行こー。ココスでいい?」

「いいぜよ。」

「あ、すみません。私はこれから家の方で用事があるので…お先に失礼します。」

「あら残念。柳生君今日はありがとね。私のわがままに付き合わせちゃって…。」

「いえ、私自身も十分楽しむことが出来たので。」

「…俺は辛かったの。」

仁王がぼそりと呟いた。

「ん?何か言ったかい仁王。」

「ピヨ…。」

「じゃ、柳生君本当にお疲れ様でした。写真…またくれると嬉しいな?」

「承知しました。また現像したものとデータを送ります。」

「あぁん、もう柳生君マジ崇拝する!」

「ありがとうございます。では失礼。」

柳生は二人から離れていき家に帰って行った。

「さて私らだけでも行こうか。」

「おん。」

「じゃ着替えようかな。着替えたらこの会場の近くにある公園で待ち合わせな。」

「了解ぜよ。」

二人は男子更衣室と女子更衣室に別れていった。仁王は撫子よりもさっさと着替え終わったようで一足先に公園にたどり着き、撫子が現れるのを待っていた。
辿り着たのは良かった。しかし、何故か仁王の目の前には何故かパンピ女子3名が現れた。所謂逆ナンにあっていた。

仁王の心境的には、「野生ノ女子ガ現レタ」である。


そんな現場を偶然発見した撫子は物陰に隠れて様子を見ていた。

「はい、こちら現場の椿崎です。こんなリア充な現場に遭遇する回数が多いと私は思っているのですが…。と少し近づいてみましょう。」

撫子は会話を聞くべく体制を低くし物陰に隠れながら仁王との距離を約5mにまで近づいた。

「俺、スパイに向いてると思う…まぁそんな事は気にせずに実況と解説をやっていこうかと思っています。…滝も忍足も居ないし。さて3名の特徴はと言うと……ん?どこかで見覚えが…。あ、私が小学校の頃所属してたテニススクールの先輩等だ!うわーお、こんな所で会うなんて…会いたくないなぁ。よし、仁王とのアフターは諦めてかーえろ。」

撫子は踵を返し帰ろうとしたが叶わなかった。仁王に見つかり呼び止められてしまったのだ。

「おい撫子!」

しかも何故か呼び捨てで。呼び捨てにした理由は見当がつくので撫子は寛大な心を用いて助けてあげることにした。

「ハァ〜イ。お久しぶりです先輩方?上京していたんですね。」

「椿崎撫子!?」

なんで仁王と一緒に行動してるの!?と言いたげな先輩方。

「雅治。君は懐かしの先輩方に囲まれてどうしたのかな?両手に花とはこういう事を言うのではないか?」

「そんなつんけにしなさんなって。俺はおまんを待っとったちゅーに。」

「やだなぁ、私は君なんて待っていなかったよ。私が待ってたのはあの方だし。」

「おいおい。あの方って俺じゃろうが。」

「まぁ、そうとも言うが。しかしホント私の人生は白髪のヘタレ野郎に乱入されたことで狂っちゃったよね。」

「白髪のヤツはイケメンでカッコ良い奴って決まっとるぜよ。俺だって女子のくせにデカいヤツに会わなかったら幸村や柳にヘタレ扱いされんですんだのにの。」

「冗談はよしてよ。私は君と初めて会ったときは平均的な身長だったんだから。身長が大きいヤツは器もデカいって相場は決まってるじゃん?君は被害妄想をしているだけじゃないの?」

「妄想なんてしとらんぜよ。妄想はおまんの特権じゃろ。それより、器もデカいんならココスを奢ってくれんじゃろ?」

「それとこれとは話が違うよ。奢る奢られるをかけて勝負する?」

「詐欺師に勝とうっちゅーんか?」

「ヘタレになんて負けないさ。ま、でも楽しい勝負は後からとっておこうよ。」

「そうじゃな。」


撫子と仁王の先輩でもあるパンピ女子は今の今までぽかんとして二人の会話を聞いていたが会話が一段落したところで言葉を発する。

「ちょっあんたたち、仲悪かったんじゃないの!?」

仁王と撫子は顔を合わせニヤリと笑う。

「昔はね。でも今はね?」

「そうじゃのぉ…今は、」


「「仲良しさ。」」



二人が目と目を合わせて、それから視線だけを先輩の方へ向ける。二人の妖艶な目つきと共に発せられた低く、心地の良い声色。先輩達はその空気にのまれ後退した。

「っ!?」

「では先輩方。懐かしい時間もお開きにしましょうよ。私達暇じゃないんで。では縁があったらまた会いましょう。」

「そういう事じゃ。おまんらに付き合う気は無か。柳生みたいに言うならアデュー。」

二人は先輩達を残し、公園を後にした。



「………ちょっと仁王!一人でどうにかしなさいよ。女子に助けられたってどうなの!!つか、あんたって絶対逆ナンって日常茶飯事だよな!」

「…いつもは柳生が助けてくれよる…。」

82ktkr!

「うん、ごめん。じゃあココス行こうか。あ、1000円までなら奢ってあげるよ。」

美味しい発言を頂いたことだし。

「ホンマか!?サンキューの。」



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20000hit企画第二弾。
渚様リクエスト『「仲良しさ」を言わせて、』

リクエストの物です!戯言を知っている方からのリクエストがあって勝手にテンションを上げた管理人です。
「仲良しさ。」…いいですよね!大好きです。そしてこのセリフに行くまでにちょっと掛け合いのようなものを入れてみたのですが…西尾先生みたいにはできませんね。

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