色気?なにそれ美味しいの? |
「うあぁああぁああぁ!いやだぁぁああぁあ!!還る土に還るぅうううう!!」 「ハッハッハ!観念せぇや!」 「…侑士、撫子何やってんの?」 ここは部室、氷帝レギュラー陣(忍足を除く)が部活が始まる比較的平和な時間を過ごしていた。過ごしていたはずだった。 そこに絶叫している撫子とにこやかな忍足が登場。 「聞いてや、岳人!さっきな数学の小テストが返ってきたんやけどな、俺ら賭けしとったんや!勿論、負けたら勝った方の言うことをきくっちゅー内容や。で、一点差で勝ったんや。ちなみに俺満点。」 エッヘンと効果音が聞こえて来るようにふんぞり返る。 「っ……くっそ私としたことが『−』を書き忘れるなんてっ!」 「でな。言うことを聞いてもらおうと命令したら…こんな拒否しょんよ。」 「あたりまえでしょ!だって今日テストが返ってきたのにもう準備してきてんだぜ?凄いを通り越して怖いわ!」 「……結局侑士が命令したことってなんだったんだ?」 「『これを着て部活中過ごす』や。」 言って取り出したものは『戦国BASARA 濃姫』のコスプレ衣装。 「……………………。」 岳人の沈黙タイム。撫子が嫌がると言ったらこう、ネタ的なものかと思っていた岳人。しかしその予想を反して、忍足が準備していたのはガチの衣装で、その衣装は肩の露出、片足の露出が結構なもので、キャラクター的にも妖艶性が醸し出されており、シラフな時にするのにはそれなりの覚悟が必要とするものである。 「ね?キモイでしょ?」 「キモないですぅ。岳人は俺の味方ですぅ。」 「………………。」 岳人はスススッと黙って撫子の隣へ。 「何かな?」 「撫子…撫でてもいいぜ?」 流石にひいてしまった岳人、今回の忍足の行動は目に余るものだったらしい。 「あぁんもう岳人マジかわいいっ!私の癒し!」 「がっくぅぅぅうん!俺を裏切るんかぁあああああ!」 裏切られた忍足ザマァ! 「ねぇ撫子着ないの?」 「え?何言ってんの滝。」 「着てよ、僕見てみたいな?」 「えー………メイク道具無いしぃ、ウィッグ無いしぃ、不完全すぎて濃姫様に悪いわっ!」 いろんな言い訳を並べて逃げようとする。 「大丈夫大丈夫。メイク道具はここにたまたま有るし、髪の毛だって僕が結ってあげるよ。」 「…いいよ。そんな気を遣わなくて!」 「おい、椿崎。」 撫子が渋る姿に嫌気がさしたのか、部外者である跡部が撫子に声をかけた。 「何よ跡部。」 「逃げるのか?」 「あ?」 「逃げるんだな?」 「逃げるなんてそんな負け犬のような行動、私がするわけないじゃん!上等だよ、着てやる。着てやらぁ!貴様ら目ん玉かっぽじって待っていやがれ!絶対見惚れさしたるからな!滝着替えるの手伝って!」 「うん、良いよ。」 撫子は跡部の安い挑発に乗り、衣装をひっつかんで部室を後にした。滝は、協力するために撫子について部室を出て行った。 「跡部おおきに!」 「ふん俺様にとっては簡単だぜ。」 「忍足さんどんな服を渡したんですか?」 「足のスリットがめっちゃ深くて脚ガバーってなっとって襟元がガバーって大きく開いてる和服や!」 「「「うわぁ……………。」」」 ―――― ――――――― 撫子はまだかと一同待機中。お前ら部活はどうした。 そんな空気の中、部室の扉が開いた。開いた扉に視線が集中する。 扉の向こうには、背筋を凛と伸ばし、上品に両手を前で組み、清楚な女性。そして、開いた襟元から見える白い肌に鎖骨。深いスリットから見える足はすらりとしており、みんなの視線は足に向けられた。 不覚にもみんなが見惚れていた。これが撫子? 信じられない。撫子にこんな色気はないはずだ。しかし、これが撫子なのは事実。事実に対して信じたくないと葛藤している姿が数名見受けられた。 「撫子…やんな?」 「撫子でありんす。御久しゅうございます、忍足様。」 撫子から発せられる声は撫子得意の声マネ。参考はきっこさん。永遠の十七歳。撫子は忍足に寄り添う。 「撫子は寂しゅうございました。どないです?忍足様がくださったこの着物似合っておりますか?」 ちらりと足を悪戯に動かす。スリットから見える足が美しい。みんな、忍足が羨ましいとさえ思ってしまった。 「あ、あぁ、似合うとるで。」 「っしゃ勝ったぁぁ!」 忍足の発言にまっこと満足がいったようで、撫子は優しく微笑んだ後、拳を天高く掲げ、ガッツポーズをした。 つまり、スーパーお色気タイム終了のお時間である。 「あっ!?戻りよった!」 「あたりまえじゃん、安売りなんてしませぇん。時々の方が稀少価値あがるし?みんなに耐久性ができたら面白くなんだもーん。しっかし滝すごいねぇ!本当に結えるんだもん。」 「僕に不可能はないよ。何?撫子信じてなかったの?」 「…あ、…あ りとる。」 「フフフフっ…今回は許してあげる。」 「あんがとぉ!メルシーボクゥ!」 フウ、という風に胡座をかいて座りだす。 「胡座かくんじゃねぇ!」 撫子の姿に文句を一番につけたのは、初心(笑)な宍戸であった。 「あー?いっつも私してんじゃん。今更気にすんなって。」 「今変な着物着てんだろうが!見えそうなんだよ!」 目をそらしながら忠告する。 「平気平気。スパッツ履いてるし。つーかこれ見て!このタトゥーシールマジ完成度高いんだけど!」 ほれほれというように裾をピラピラさせる。 「ああああっ見せんな、こっちくんな!」 「撫子、俺に見せてや。」 「誰が変態なんぞに見せるか!!なんで私が宍戸をターゲットにしてるかって?純情少年の宍戸の反応が面白いからよ!さぁ、待ちたまえ宍戸。女に対する幻想をぶち壊す!いいか!女子は皆、男子がいなかったらこんな感じだ!」 「誰が待つか!」 「ハハハハッ待ーてー。」 部室を飛び出していく二人どちらが男か分からない反応。 「さっきの撫子は幻影やんな?」 「幻だな。」 「俺、普通に撫子に見惚れてたC。」 誰も「俺もだ」と誰も言えなかった。何故かって? あんなのに一瞬でもほれていたと思うと悔しいからだ。 結論→撫子は外見は非常によろしい作りになっている。 ―――――――――――――――― 10000hit企画第三弾 有美様リクエスト『主人公が不本意な事情でセクシーな女性キャラのコスする話』 遅くなって申し訳ありませんでした!どうでしょう! 管理人は残念な表現力しか持っていないんで残念な作品になってしまいましたね。 でもリクエストにお応えできていたら幸いです。 |
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