青春Destroy | ナノ


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(………か、会話が切れてしもうた…撫子様はきっと沈黙とか無いやんな。…そうや、宍戸君は鳳っちゅー二年生といつも一緒にいたっちゅー…。)「………宍戸、お前鳳と居れなくなるから寂しいだろ!毎週、毎週逢い引きでも…。」

「誰がするか!まぁ…時々顔出してやろうとは思ってるけどな。」

「…それだけで十分です。御馳走様です。」

「御馳走様って……お?じゃあな。二年の時のクラスで集まり始めやがった。」

「おぉ、行ってこい行ってこい。」

どうやらグループ編成が始まったようで宍戸はグループの中に入っていった。またもや一人になってしまった女子。
やっと一息である。時計を確認すると只今10時53分。あと一時間は保たせなければならない。

(あーもう、長いなぁ!後一時間も保たんといけんとかホンマ地獄や!今なんべんミスってもうた!?撫子様、バレたらすみませんわ!…あれ?バレたら私の身もヤバ…めやん?……バレたら死や!死不可避や!)

「撫子ー!ハグだC!」

ジローは女子に向かってガバッと抱き付いた。

「きゃあ!?」

考え事していたことと、油断していたことが重なってしまって、撫子としては可愛らしすぎる悲鳴を上げた。

「ん?撫子、どしたの?」

(ジロー…は抱き付いてなんぼ!んで、過剰なセクハラには注意。)「いや、何でもないよ?ジロー可愛いよ。マジ天使!」

「えへへへ。撫子は今日は可愛いね!」

「そ、そう?」

「胸が小さくて!」

一瞬、動きが止まる。そりゃ、もうピシィっと。動きが凍り付いた。

(撫子様ぁあ!?ジローって奴どこが天使なんやぁ!?悪魔や!羊の皮をかぶった狼や)「き、きき気のせいじゃないかな?それよりもジロー…セクハラは止めてね。」

「えへへへー!」

(あ や ま れ や)「……。」

「…ん?撫子なんか今日雰囲気ちがくなE?」

(うそん!?こんな奴にもバレるの!?)「…そりゃそうだって!だってお化粧とかドレスとかで女子は雰囲気を誤魔化せることが出来るんだぜ!」

「Aー!そうなんだ!俺も化粧してみてぇ!」

「…機会があったらね。」

「わー!嬉C!」

キャッキャキャッキャ、と騒いでジローは去っていった。女子はこの場に座り込みそうになるぐらい体力を使ったと思う。もう帰りたい衝動である。

「おぉ、撫子、ここに居ったんか。三年で集まり始めよるでー。」

忍足が撫子の名を呼んだ。どうやら山場な時間がやって来たようだ。女子は気合いを入れ、忍足の方へと歩いていった。

「今行くー。」

忍足の方へと歩いていったら女子の体に穴が開くのではないか、と思うほどの注目を浴びた。

「「お姉様ぁ!ご卒業おめでとうございますわ!」」
「「姉御!ご卒業おめっとーざいます!」」

「子猫ちゃんに舎弟共、君達もおめでとう。」

女子は撫子に言うように言われていた台詞を吐いた。そうしたら男女ともにありがとうございます。と返事が返ってきた。

「撫子の人気も健在やなぁ。」

「私の人気は永久不滅なのだよ。」

「なんや?高校に行っても上級生をおとすんか?」

「…出来たらいいなレベルかな。」

「さよか。まぁ、舎弟共ん所行ってきいや。待ちわびとるで?」

「あぁ、うん。」

女子は忍足に促されるまま舎弟達の所に移動した。その後は案外簡単だった。向こうがずっと話しかけてきてこちらは頷く程度で渡っていけた。内容の9割は分からない内容だったが適当に頷いていたらいつの間にか12時過ぎ。ミッションコンプリートである。

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