青春Destroy | ナノ


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「おー、撫子やっと来たんか。ギリギリやん。」

女子が会場に着くと受付に忍足が居た。撫子の扮装をした女子を見つけるとこちらに歩いてきた。

「…うるさいなー。女子は準備に時間かかるんだから許してよ。」

ファーストコンタクト。バレないか、と女子の額には冷や汗が浮かぶ。

「なんや撫子にも女子成分有ったんやな。」

(えっと…もさい丸眼鏡……忍足やから辛辣にあたる、と。)「…あ?失礼だろう。謝罪と謝礼を要求する!」

「さーせんした。ま、会場内入ろうや。パーティー始まってまうわ。」

「お、おぉ…。」

忍足は女子の変装を見抜くことなく女子を撫子判定した。女子はホッとしたと同時に複雑な思いをした。

(…なんで見抜かれへんのん。誇らしいような、悔しいようなやわ……。)

「跡部ー、撫子来たでー。」

忍足に連れられてテニスメンバーが屯って居るところまで行った。

「うおー!撫子だC!俺より来るの遅E!」

「ジロー、お前は俺が迎えに行かなかったら寝てただろう。」

(赤髪のちんまいのと金髪の可愛い子は暴走する感じで愛でるべき…。)「あぁん、もうジローも岳人もいつになく可愛い!萌え!」

「…アーン?椿崎。俺様には挨拶なしか?」

(泣きボクロ…跡部だから辛辣でいい…なんや辛辣なん多いな。)「…こんにちは。はい、言った。自分こそ私に挨拶はないのか。」

「…チッ。」

跡部は挨拶も疎かに離れていった。

「うわ、態度悪!」

「まーまー、跡部の照れ隠しや。」

「は?跡部の照れ隠し?何それkwsk。」

「いやな、撫子の答辞の言葉に感動してもうたんやて。なんや、潤んどったらしいで。」

(…うわ、この話し知らんわ。)「へぇ…。」

「ん?なんや?計画通りとか言わへんの?自分、泣かす言うとったやん。」

(うわッしもうたっ!)「え、あぁ…うん。いやいや、そろそろ…そのネタの使いすぎは駄目かな思うて……。」

「さよか。あ、ちょうすまん。一年の頃の同級で集まり始めとるわ。撫子、後でな。」

周りを見ると、だんだんと小グループに分かれ始めていた。忍足が言うには一年の頃のクラスで別れ始めているらしい。
撫子は三年での転入生だから放置プレイなうな状況である。しかしながら、これは好都合。あまり関わらなくても良いと言うことで身バレを防ぐことが出来る。
女子は一安心して料理を食べようとテーブルの方へと向かっていった。そして皿に盛り付ける。主にサラダを盛り付けた。体型が気になるであろうお年頃であれば賢明な判断である。しかし、撫子は撫子である。そんかお年頃では無かったりした。

「あれ?椿崎、今日は肉食わねぇのか?」

同じくして料理に手を出していた宍戸が声をかけてきた。

「え…?ダメ?」(え!?撫子様野菜食べとったらいけんキャラなん!?アレルギーとかか!?)

「いや、だってよ。いつもなら肉肉肉肉野菜肉肉肉野菜みたいな感じだったじゃねーか。」

「んー…気分?」(嘘…肉ばっかくってあのプロポーションなん?うわー…どうやったらあんなんやれるんや…。)

「そうか…。」

(短髪の…)「…宍戸、は…クラスで集まらなくていいの?」

「あ?いいんだよ。俺、あんま好きくないクラスだったから。」

「へぇ、どんな?」

「金持ちが極端に多かったんだよ…。」

(え…氷帝って金持ちばっかの学校とちゃうんか?)「…それは、大変だったね…。」

「!?椿崎から労いの言葉が…なんの目的だ?」

「失礼やなぁ!自分は疑うことしか出来んのか!」

「…おい、忍足弁が混じってんぞ。」

(やってもうたッ!)「あ、え…ホラ、私田舎の方に帰ってたから。岡山って大阪弁微妙に混じるのよ、アハハハハ。」

「ふーん。」

「………………………。」

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