青春Destroy | ナノ


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3月1日は元々卒業式が有るだけだったので、みんな式が終わると足早に帰って行った。

しかし、男子テニス部レギュラー陣はすぐに帰れなかったもよう。何故かというと、卒業と言うことで自分の気持ちを伝えたいという女子が多かったからだ。勿論、この大告白大会は伝統行事らしいので、あの宍戸もちゃんと出席?している。しかしながらシュールである。握手会か。横一列にメンバーが並びその前に女子が列を成している。女子の様子を見てみると一、二年が主で、ちらほら三年が居る。まぁ、当たり前か。三年は高校でも会えるし。ちらほら見える三年はきっと他の高校に進学する女子達だろう。
しかもこれを昇降口で行っているため、撫子他生徒はそれを眺めながら下校することになる。撫子としては絶好のからかいポイントと出来るためガッツポーズである。早速降りてからかうことにした。勿論トップバッターは宍戸である。

「よう、宍戸。どうだよ沢山の女子に告白される気分はよぅ!」

「…正直帰りてぇ……。」

顔を告白されて赤くしたり、過去のトラウマを思い出して青くしたり、忙しいようだ宍戸の顔面。

「…あの時私かなり体張ってたな……。」

撫子も宍戸ファーストチッス死守事件を思い出したようだ。撫子にとっても黒歴史だったりする。だってその時には女子には嫌われてるわ。何も変身せずに演技をしたのだもの。

「あの時は助かった。」

「で、ファーストチッスは鳳に捧げたかね?」

「はッ!?まだそんな事言ってんのか!?激ダサだぜ!」

「フッ…過剰反応するお前が激ダサだぜ!」

「っ…!」

「しかし…お前の列見たら男子結構居んのな。」

「…あぁ、まぁ顔見る限りじゃテニス部の後輩だな。よく遊びに行ってたからな。」

照れくさそうに嬉しそうに宍戸は語った。テニス部後輩にとっては兄貴分なのだろう。とても良い話である。しかしこの世界には下克上と言う素敵な言葉があってだな。

「御馳走様です。宍戸さん。今後もフラグ立てに励んで下さい。しかし、一生鳳の良きパートナーでいて下さい。」

「?あぁ、そのつもりだぜ。なぁ、長太郎!」

「はい!一生ついて行きます宍戸さん!」

「ん?なんで鳳が宍戸達と同じ立場に立ってんの?なんで宍戸の列に並んでないの。つーかよく見たら日吉もこっち側に居るじゃん。」

二年生なら列ばれる側ではなく並ぶ側だろう。ちなみに樺地は跡部の隣にいたため違和感など無かった。

「あ、俺達は卒業しないのですが、卒業する先輩方が…その……。」

「…あぁ、分かったよ。了解したよ。※ただしイケメンに限るってやつでしょ。モテる男は辛いね。」

「茶化さないで下さいよ!椿崎先輩!」

告白されていると言う事が恥ずかしいらしい。何故だ。誇るべき事実だろう。

「じゃ、日吉を茶化すことにするよ。よう、日吉どうだよ沢山告白される気分はよう!」

からかうターゲットを宍戸、鳳、それから日吉へと移した。

「椿崎先輩、滅んで下さい。」

「いつも異常に辛辣な不思議!」

「時間の無駄ですよ。こんな時間…誰とも付き合う気はないって言ってるんですけどね。」

「日吉、それは酷いと言うもの。気持ちだけは聞いてあげなさいな。」

「……。」

「もー、日吉もそんな事言いながらこっち側に居るじゃん。椿崎先輩、日吉にも優しさはあるんですよ。分かりづらいかもしれませんが…。」

鳳が日吉のフォローに回った。優しさはあるんです。と言われたのだが、そんな事…出会って初期に分かってる。

「ッ…リアルツンデレあざぁああああす!」

「うるさいです。」

「好きです!付き合って下さい!」

「嫌です。頭沸いてるんじゃないですか?」

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