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「…何でも良い、日吉行ってこい。」 「はい。」 跡部の失言を聞いた日吉は少しだけ喜び混じりの返事をしてから部屋を出ていった。 「椿崎さん、お粥持ってきましたよ。…椿崎さん?」 「ぐう…。」 日吉が折角持ってきてくれたというのに、撫子は寝てる…だと!?はい、あーん。フラグだと言うのに、なんと言うことだろう。 「チッ!下克上だ!」 「何意味分かんねぇ事言ってんだ日吉。」 「跡部さん!?に皆さん…。」 入り口の方を見てみればそこには全員集合。 「なんだやっぱり寝てたか。」 「…何しに来たんですか?」 「さっきの羽子板やった時、椿崎がミスったのに落書きしてねぇこと思い出してな。…樺地。」 「…ウス。」 そして筆を構える跡部。 「鬼ですか貴方は。」 「俺様はキングだ。」 「……。」 「よし、書けたぜ。」 と書いた文字は『さっさと元気になりやがれ』。 「…これを椿崎さん風に言うならツンデレなんでしょうね。」 「日吉、悪いことは言わん。その単語は早よ忘れ。」 「うわー!俺みたいに寝てやんのー!元気ない撫子って希少種だC!」 「ジロー静かにし、撫子寝とるんなら俺ら戻ろうや。俺としては隙を見せとる撫子は奇行種や。」 「そうだな。撫子、今から寝てたら明日には元気になってるだろうし。次は百人一首でもしようぜ。」 「向日さん、百人一首出来るんですか?」 「バカにすんな!仮にも俺は年上だぞ!」 「んー…BL臭がする、ぅ……。」 「…さっさと出て行こうぜ。」 撫子の寝てもなお察知するBLアンテナにドン引いて皆は出て行った。因みに撫子の為にと作ったお粥はジローの腹の中へとおさまった。 次の日、撫子は意気揚々とメイドさんにみんなが寝ていると聞いた部屋へ歩いていった。そして乱暴に扉を開けた。 「フハハハハハハハ!帰ったぞぉ、肉○器共!括弧滝様は除く。」 「!?おぉ…おお…おはようさん撫子。元気になったんか…。」 撫子が部屋に訪れてきた時には既に皆さん起きていた。ちなみに只今の時刻、午前9時30分。 「めっちゃ元気!これでもかって言うぐらい!」 「あー!撫子だ!袴姿かっこE!」 そう、撫子は袴姿なのだ。わざわざ準備してもらったのだ。 「え?そう?メイドさんに袴が着たいって言ったらおk貰っちゃってさぁ!ジローの袴姿は可愛いよぉお!」 「お前って本当に男の格好するの好きだよな。」 「だって格好いいじゃないか!動きやすいし、何より私は男装が似合っちゃうんだもーん。」 クルクルと回って見せびらかす。その時揺れるポニーテールに結っている撫子の髪型を見て岳人は言った。 「つーか、そのポニーテールが袴姿だと妙に似合うのな。」 「岳人、君は前髪丁髷にしたら似合うと思うよ。ちゃーんって言ったら完璧!」 「は!?嫌だよ!それ確実に赤ちゃんだろ。」 「しとしとぴっちゃんしとぴっちゃんだよ!」 「知らねぇよ!」 「子連○狼知らねーの!?さすがに知っておこうぜ!?」 「必要ねーだろ!」 「いや、ねーけど……。」 |
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