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「フン…樺地。」 「ウス。」 再戦するらしい宍戸。そしてその言葉を聞いた跡部は樺地を呼んだ。呼ばれた樺地の手には墨と筆。それを受け取った跡部は筆に墨を付けて宍戸の顔に落書きをした。 『激ダサ』 「ふん、次は岳人の番だからな。お前は待ってろ。」 落書きをした跡部はそう言って岳人の相手をし始めた。撫子は宍戸の落書きされた顔を見て吹き出してしまった。 「ブッハアハハハハ!今時墨をかけて羽子板する人等初めて見た!アハハハハハ!」 「黙れ椿崎!お前の顔にも落書きしてやるよ。」 ラケット基板を構える宍戸。それに対して撫子一瞬戸惑ったが構えた。運動できるのだろうか。 「……フン、返り討ちにしてやんよ!」 「テメェの顔に『オタク』って書いてやる!」 「残念だがそれはほめ言葉だ!私が勝った暁には『love鳳』って書いてやる!」 結果、勝者撫子。勝因は撫子のなんちゃってスマッシュ。宍戸は返そうとしたのだが、板の長さを見誤って空振り。テニスラケットだったらヒットしていただろうに…。 「…ケッ!書きたきゃ書きやがれ!」 「書きたいから書くわ!love…鳳っと。」 ただしミミズがのたくった様な字だ。 「書くならもっと綺麗に書けよ。」 「黙れこれが今の私の限界だ。」 繊細な作業が出来ない。 「は?」 「鳳ー!見てぇ!宍戸の愛の告白だよー!」 「なッ!?長太郎勘違いすんなよ!椿崎が書いたんだからな!」 慌てて繕う宍戸。その言葉に長太郎がシュンとした。 「…宍戸さん、俺のこと嫌いなんですか?」 「バッ、嫌いなわけねぇだろ!?大切なパートナーなんだからな!」 「ッ嬉しいです宍戸さん!」 「ったく…こんな事で喜ぶなんてちょいダサだな。」 「ナチュラルにボーイズにラブってんじゃねぇよ!」 「ラブってねぇよバーカバーカ!激ダサ!」 「激ダサはテメェだバーカバーカ!」 「自分らは餓鬼か!」 「「るせぇ伊達眼鏡!」」 「すまんかった。」 「…ん?忍足あんた、お年玉獲得したわけ?」 横やりを入れてきた忍足を威嚇し、その後目をやってみれば片手にはお年玉袋が確認できた。しかしながら顔に落書きは施されていない。 「獲得出来たでー。流石俺、一発や。」 「「………。」」 忍足のドヤ顔めっちゃ腹立つ。 「宍戸…。」 「…あぁ、分かってる。」 「忍足、お前羽子板構えろや。フルぼっこにしてやんよ。」 「え、ちょ!」 宍戸が羽根を打ち、そして撫子は板を右手に三本、左手にも三本構えて所謂六爪流。 「Let's party!」 「撫子それ打ち返す気ぃ無いやろ!」 「フハハハハハ!宍戸、後は任せた!」 正直、もう立ってるだけでも辛いです。 「忍足ぃ!お年玉寄越せぇえええ!」 「自分で跡部に勝てやコルァア!」 宍戸は案の定というか何というか、返り討ちにあってしまった。 |
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