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「ならいいんだよ。」 パッと手を放す。 「おーイテテ…うわ、痣になってやがる!」 「あ、撫子それ写メらせてや。」 手首に残ってある手形を忍足が写メりたいと言う。 「なんで?」 「エロいから。」 「……あー…確かに…。」 よく見れば、自分ではつけることの出来ないものであり、そして只今着物を着ているという点で何だかエロい。撫子もつい納得してしまった。 「ちょう、力抜いた感じの手になってや。」 「おk把握。私にもその画像送ってくれ。資料にするから。」 「いっつも思うけどさー。侑士と撫子って変なとこで仲いいよなー。」 撫子と忍足が写メってデータを送ったりしていたらそんな事を岳人が言い出したのだ。 「やっだ!私的には岳人やジローとの方が仲良いわよー。」 「そうは言ってもなぁ…。」 「なんや岳人、嫉妬か?ジェラシーか?レビィアタンか?」 「………。」 忍足が茶化すように言った。それを岳人が今までにないくらいの無表情で忍足を見据えた。 「止めて、そんな目で俺を見んといて!」 「岳人、それは忍足を蔑んでいるのだろうが流れ弾で私もダメージ食らってるからな。嫉妬して!」 「じゃー俺が嫉妬してあげるC!オラ忍足ー、撫子にセクハラしてんじゃないC。やらC!」 「いやいやジロー、これは合意の元で撮っとるもんでな。」 「ジロー!助けてッ忍足が無理やり!」 撫子悪ノリなう。 「なっ!?」 「うわー!忍足最低ー!オメェに跡部からのお年玉を受け取る参加資格無いC!」 「…ん?参加資格って何?」 ただ貰うだけではないのか? 「あのねー!跡部からお年玉を貰うためには羽子板で一回でも負かす必要が有るんだC!」 「なん…だと!?」 「アーン?喋ったのか。まぁ、そう言うことだ。」 どうやらお年玉は勝者に渡されるらしい。跡部は一失点すらしないのがデフォだと思っていたが、それなりに力を抜いているらしい。岳人やジローの口振りからだと毎年貰っているようだ。しかし、羽子板て…。 「子供か!?」 「…中学生は子供だろ。」 「あ…。」 そんな感じでアトベッキンガム宮殿に戻ってみんなが羽子板を構える。順々に跡部に挑戦していくメンバー。 撫子は待機なう。しかし観察は欠かさない。欠かすわけがない。袴に羽子板。それから袖をまくる奴…萌えぇっ! 本来なら袴から見えないはずの二の腕がチラ見えする。さらに足袋と裾の間から見える足首のチラリズム。フラッシュの連続だ。 「ちょ、宍戸!テメ動くな、ぶれるだろうが!」 「は!?何言ってんだ激ダサだぜ!」 「何がだ!」 「ゲっ!」 宍戸が撫子の発言に気を取られていると宍戸が羽根をとることが出来ず負けてしまった。 「激ダサテメェじゃねーか?アーン?」 「宍戸…さーせんした。」 「再戦しても良いんだぜ?」 「ぐ……再戦させろチクショー!」 |
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