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「hshs袴hshshs!実に御馳走様です!あぁ、クッソ!着物邪魔!動きにくい!」 レザービームを発しながら撫子は空元気なう。 「…椿崎さん、着物を着ているならそれなりに大人しくして下さい。着物は活発に動くためにあるのではないですよ。」 「日吉!?まさかこの時代に女性の社会進出を妨げるような発言をするなんて恐ろしい子!」 「そんな事言ってるのではありません!これから俺達は初詣に行くんですよ?そんな恥ずかしいマネしないで下さい。」 「あ…ね、これ…目立つくね?和服集団の上ホスト集団……私なら迷わず写メするレベル。」 「アーン?んなの当たり前じゃねーか。そんな人の目をいちいち気にするたまじゃねーよ。」 むしろそれを誇れと言い出しそうである。まさに俺様の袴姿に酔いな、状態。はい酔いしれます。 「跡部は自信満々かもしれねぇけどなぁ!!…宍戸!庶民代表は私の味方!……。」 宍戸だけは目立ちたくねぇよ、と言ってくれるかと思って期待して宍戸を見つめる撫子。 「……椿崎。」 しかし宍戸は予想を反し何もかもに対して悟りを開いた…いや、諦めの境地にいるような顔をして撫子を見た。 「正直すまんかった。って言うかみんな暇なわけ?元旦から集まって…普通なら三が日は家族水入らずってイメージがあるのだが?」 「なんつーの?伝統、みたいな?」 「アーン?調子に乗ったこと言ってんじゃねーよ向日。俺様からお年玉をせしめに来てんだろうが。」 なんと言うことだ。元旦から跡部にお年玉を集りに来るために来ているというのだ。 「うわ、せっこ!私も欲しい!実家に帰ってないから私貰ってないのさ!跡部おくれ!」 「あげなくもねぇが…ただではやらねぇよ。」 「なん…だと!?」 「まぁまぁ、撫子、そんな身構えんと…とりあえず初詣行こうや。話はそれからや。」 「おk把握。」 そんな感じでとりあえず初詣に行くことに。既にお昼過ぎなため人が多いのなんの…その上、とってもいい見世物である。だってイケメン×9+撫子。なんのロケですか撮影ですか、と言った反応。 「跡部…帰りたい。」 「アーン?詣ってもねぇのに何言ってんだ。」 「デスヨネー。」 人の視線ってこんなにも破壊力あったんだね。まぁ、途中から慣れたので気にならなくはなった。順番待ちをしてそれから詣る。横一列で一斉にお参り。邪魔である。 それから初詣に来たと言ったら今年一発目の運試し、おみくじである。 「よっしゃぁあ!大吉!新年早々運がいいぜ!忍足、あんた何吉?」 撫子が引いたのは大吉らしくテンション高めである。 「んー?俺は小吉やまぁまぁやな。」 「ブッハ!小吉で満足とかワロス!」 「運が良ければええっちゅー話でもないやん?こう言うんは、自分の捉え様や。やって俺の学問は『努力すれば実る』やもん。受験頑張るでぇ。」 「あーそっか受験……ま、女と言えば恋愛っしょ!『障害有り』なん…だと!?」 「なんでそんなショック受け取るんや?」 「だって!二次元の嫁達との間に障害があるということだぞ!?…ハッ、もしかして障害って言うのは液晶画面!?ぐぁあ!最大の敵は液晶か!敵は液晶にあり!」 「………そか。なぁ、跡部はなんやった?」 それ以上は話を膨らまさなかった。賢明な判断だと思うよ。 「アーン?俺様が大吉以外引くわけねぇだろ?」 フン、とふんぞり返りながらピラっと見せて自慢する跡部。その姿に撫子は苛立ちを覚えて盛大に舌打ちをした。 「あ、御神酒。」 おみくじを引いて帰ろうとしたときに撫子は見つけた。 「ホンマやなぁ…飲んでええんやろか?」 「御神酒は良かった気がすっぜ?」 「撫子は飲まないでね?」 良かった気がするのでみんなで一口ずつ飲むことにした。飲み慣れないものなので変な味、と言う感想が多い。そして撫子が飲もうと勺を持ったとき横から滝に腕を掴まれ阻止された。 「え、なんで?」 「なんでも。」 にっこりと笑っている滝は万力のように手に力を入れた。 「イデデデデデデデデ!!飲まないから!」 そもそも風邪引いているのに飲まない。注ぐフリで飲むフリをする予定だったから。 ―――――― お神酒は未成年は口に含む程度だそうです。 |
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