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「お兄ちゃん、石田君見つけたよ。後撫子様も来てくれたよ。」 「どもー。」 「あぁ、ありがとう杏。撫子さんはこんにちは。石田、駄目じゃないか勝手に居なくなったりしたら。約束しただろう。」 「すみません、橘さんに飲み物を差し入れようとして…。」 どうやら石田が居なくなった理由は橘に差し入れを入れるためだったようだ。なんて先輩思い…いや、橘桔平思いなのだろう。 「石田ッ俺のためを思っての行動だったのか!なのに俺はッ!」 頭を抱えていたと思ったらいつの間にか握り拳を作っていてそのまま自分の顔面を殴ろうとしていた。 「た、橘さん落ち着いて下さい!」 「けじめたい!」 「おい神尾、深司、橘さんを抑えろ!」 橘の隣にいた二人に石田は声をかけ止めに入ってもらう。 「そうですよ!実際勝手にいなくなった石田が悪いんですから!」 「そうだよ。結局橘さんのためとか言っても言いつけさえ守って無いんだから、それから杏ちゃんまで迷惑かけてんだから逆に石田にけじめと謝罪をして欲しいよ。」 「伊武君、それは言い過ぎだよ。」 「…すんまそん。」 「うわー…お前らどんだけ橘君が好きなんだよ…。」 フラグ乱立てじゃねーか。 「俺達は橘さんを尊敬してるんです!前も話したでしょう!」 「うん実に御馳走様でした。あ、そうだ。橘君!一冊下さい!」 「ん?あぁ、レシピか。どうぞ。」 橘からレシピ本をもらい、代金を渡す。しかし十分なボリュームである。今までうpしていたものの作り方を書いていたら当たり前か。 「次からこれを参考にして弁当を作るよ!」 「そうか、役に立てれて嬉しいよ。あ、そうだ。やはり代金は要らない。」 「なんで!?そんな私甘やかす様なことしたらつけあがるよ!?」 「いや、この本の最後のページに写真を載せているのだが…この写真に見に覚えはないか?」 見るように促され撫子は最後のページに目を通した。 「え?…えー、んー……あぁ!あの時の写真か!ホントだ私写ってる!一部だけだけど。」 そのページにあった写真はあの時、杏に橘家へ招待された時の完食後の写真。撫子だけでなく、伊武や神尾、杏に千歳。そのメンツの一部が写ってあった。 「そうなんだ。雰囲気作りに使用させてもらったんだ。顔も写ってないから大丈夫だとは思ったんだが…まぁ、なんだ。ギャラとして貰っておいてくれ。」 「もちろん!こんな私を柑橘系男児さんの本に登場させて下さったと言う事実も嬉しいですわ、あざーす!」 撫子はそう言うことならいただきます。と受け取った。 「作ってみたなら写メをくれたら嬉しい。」 「クオリティーは気にしないでくれるのなら!」 「気にしない。作ってくれるのが嬉しいからな。」 「そかそか。」 「ところで…そろそろ会場の時間だが、撫子さん、大丈夫なのか?」 石田を捜して、今、そろそろ会場の時間である。今、ゲート前には人がゴミのようだ状態だろう。 「あー…人が来る前に一回スペースに戻るよ。じゃ!杏ちゃんと橘君、それから愉快な仲間達アリベデルチー!」 「はい!また会いましょう!」 「仲間達って何。俺達は橘さんのオマケな訳?別に嫌な響きじゃないけどもう少し考えてほしいなぁもう…。」 「久しぶりに呟き聞いたわ…伊武君はヅイッターの文字制限を優に超えそうな呟きしそうだね。」 最後に伊武の呟きに対してコメントを残し、撫子は柳のスペースまで帰って行く。 |
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