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「跡部、お招きありがとう。」 「いえ、監督にはいつもお世話になっていますから、この程度のもてなしは当たり前です。どうですか監督、楽しんでおられますか?」 「ふむ、先程挨拶まわりが終わったところだ。」 「それは重々ですね。マドモアゼルも楽しんでおられますか?アーン?」 「ッ、えっえぇ…!」 榊先生ー!まさかの跡部ですか!?まさかの跡部ですか!?跡部ですか!?バカですか?なんで跡部と私が対面することになってるですか!?しかも跡部気付いてねぇバロスすぐる。マドモアゼル、マドモアゼルってブッハァ! 「跡部、何を言っているんだ?お前が言う女性は撫子君だぞ?」 「は?」 榊先生の言葉にキョトンな跡部。撫子はキョトン顔の跡部を心のフィルムに記録した。しかし、キョトン顔と言ったら校内球技大会の時の方が立派なキョトンだった…今回はニアキョトンかな。 「跡部プギヤァ!」 「なッ!?」 「丁度良い、撫子君、跡部達と一緒に居ると良いだろう。」 「あ、はい、ありがとうございます。」 「私はまた友と話をしてくるからな。」 「はい。」 「好きなときに帰ってくれたらいい。」 「了解しました。今日はありがとうございました。」 「いや、こちらも助かった。では、行ってよし!」 そう言ってこの場を離れたのは榊先生の方だった。 「先生が行ってよしじゃねーの。よし跡部、きっと忍足達もいるだろう!さっさと合流しようず!」 「またお前は俺様を騙したのか!」 「なんて人聞きの悪い!私は校内球技大会時の桃の姫君の時しかないよ!こうやって偽ってんの!」 「具体的に言って俺のトラウマを引きずり出してんじゃねぇ!」 「ワザとだ!」 「跡部ー挨拶まわり終わったんか?早よ戻って来っと失礼、」 跡部をフレンドリーに呼びかけてきた忍足。しかし、跡部と大人の女性が話し合っている途中かと思い謝罪した。 「おー忍足、居た居た。よっす!終業式ぶり!」 「え…椿崎撫子さん、ですか?」 「おう!ってなんで敬語。」 「やって…自分、撫子とちゃうやん。」 「こら私を否定するな。シャバドゥビタッチヘーンシーンなうなんだよ。」 「自分鏡見てからもの言いや!!ぶっちゃけいつもと別人やぞ!?」 「プロのスタイリストさんとプロのメイクさんの底力だよ!分かったか!」 「プロパネェ!」 「ふっ、私も独学でここまでのレベルに達したいものだよ。」 「無理やろ。」 「…はい、無理です。ファンデーションだけで数種類とか…私の経済が真っ赤っかになりますェ…。」 「…やろうな。」 |
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