青春Destroy | ナノ


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「レディースアーンドジェントルマーン!いよいよ始まりました氷帝名物、ミスコンテスト!氷帝で一番の美女を決めるコンテスト!今回の選りすぐりの美女は19人!頂点に立つのは誰だ!?」

とりあえず始まったミスコンテスト。因みに撫子のエントリーナンバーは18。某風紀委員長を思い立たせるよ。
撫子も司会より紹介を受けて程良く挨拶。それよりも隣に居る超絶美女が気になって仕方がない。控え室には居なかったこの美女。今対面したわけだがこんな美女、氷帝に居たっけ?

「…お姉様?」

撫子が良い香りしそう、hshshsとしていたらその美女に話しかけられた。

「な、何かな!?」

「負けませんよ?」

蠱惑に笑む美人さん。卒倒してしまうぐらい素敵。

「いや、むしろ優勝してください。」

撫子と美人さんのファーストコンタクトはこんな感じ。
早速プログラムに移る。コンテストは三次審査まで行い厳密かつ公平に決める。後からメールで投票。だから一般人の票も勝負の分かれ目となる。
因みに撫子はミスコンでの一般票は望めない。何故ならKAITOで男装をして校内を闊歩していたから。本人は本命のコンテストではないから、気にしていないようだが。

「まずは一次審査の特技を披露していただきます!」

司会の声で開始。特技披露の場となった。

エントリーナンバーの若い順から特技披露。
ピアノを披露したり、バレエを踊ったり。流石金持ち学校。特技さえも優雅だ。そして撫子は何をしたか。

「次はエントリーナンバー18、椿崎撫子さん!特技はブレイクダンスです!」

ざわつく会場。ブレイクダンスと言えば男子が踊るイメージがある。
当たり前と言えば当たり前である。ブレイクダンスは様々なところの筋肉を要するから女子が踊るなんてそんなまさか。しかし撫子はやってのけました。イントロが流れ撫子が構える。その時には会場内のざわめきも落ち着いた。
そして本番。撫子が大きく体を動かしたのが開始の合図である。自らの手足の長さをいかしてダイナミックに踊る。持ち時間3分の中で撫子は懸命に頑張った。それから終わる。撫子が息を整えながらお辞儀をすると拍手がわいた。リアルの反応はいつ見ても嬉しいものである。
撫子が控え室に戻ろうと袖に引っ込むと、そこにはエントリーナンバー19番の美人さんが居た。

「あ、子猫ちゃん!?着物姿も麗しいぜ!」

「素晴らしかったですわ、お姉様。」

「いやいや貧乏人の特技ってこういうものしかなくてね。」

「フフっご謙遜を。次は私の出番ですの、良かったら見ておいて下さい。」

「はいな!凝視しますぜ!」

簡単な会話をしてそれから入れ替わる。撫子は舞台袖からその子を凝視。
と言うより凝視するしかない。その美人さんは舞踊を披露したのだ。先ほどの撫子の動きとは一転し、しっとりとしずしずとした動きをしている。その動きは息をすることを忘れさせるほど引き込まれる。指の動き、視線の動き、着物の袖、裾全てが完成された動きである。
そして程なく披露は終わり。美人さんは袖へと戻ってきた。

「っ、ふつくしいよ子猫ちゃん!素敵、抱いて!」

「フフ、ご冗談を。でも、ありがとうございます。」

「もう子猫ちゃん優勝で良くないですか!?」

「そんな、まだ一次審査ですからどうなるか分かりませんよ。」

「いっそ分かりきってもらいたい!」

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