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「え?撫子?」 そうつぶやいた瞬間、男子達が片手を振り上げて亜久津達元凶に向かって振り下ろす。撫子は速攻でその場を蹴って男子と亜久津達の間に立ちふさがって殴りかかって行った男子の拳を去なした。 「「「姉御!?」」」 「「「撫子さん!?」」」 「舎弟共、私の言いつけを守ってくれてありがとう。それについてはとても喜ばしいよ。このクラスを護ったって事で表彰並だよ。だけどこの三人は私にとって神だからね。殴らせてはあげれねぇ。それから亜久津様、私を探していたようですが私は宣伝をしに外出していました。私を訪ねてきて下さったというのに気を害してしまったことについては謝罪します。後蔵さん達も舎弟sと同じ、君達は仲良くすべきだよ。亜久津様はあの白菜様で光君はぜんざいPさんなのだよ。」 「は?こんな不良があの繊細な作業を要するシルバー精工出来るわけ無いやないですか。」 「こんな耳ピアスの野郎に精密な曲、調教出来るわけねぇだろ。」 「マジか……自分らは撫子さんの言ってることが嘘や言いたいんか?」 「「…………。」」 思わず絶句。 「あ、ちょっとこのお客様の接客するからみんなポジションに戻って?私の友達が迷惑かけてゴメン。」 「…お姉様がそう言うのなら……。」 釈然としない思いを抱いていたクラスメイトだったが撫子がそう言うのならば何も言えない。今は撫子が言ったように接客をするだけ。すぐには客は入ってこなかったが、一人、また一人と来場してすぐに活気を取り戻した。 そして撫子は騒ぎの中心だった亜久津達を裏に通して話を聞くことにした。ついでにせっかく来てくれたのだからとカフェオレを奢ってやった。 「…ありがとさん。」 「ありがとうございます…。」 「フン…サンキュ。」 「…ご来店いただきありがとうございます。店員一同感謝の気持ちを持ってお客様をお出迎えしていたのですが、なんであんな事態になってんだよ。」 若干キレ気味。自分のテリトリーを荒らされた気分だ。 「やってこの…は、白菜さんが撫子さん出せ言うて店員に絡んどったから……。止めて点数稼ぎを、と。」 「俺は!…俺は店員に誰か待っているのかって聞かれたからよ、撫子さん出せって一言言っただけだ。そしたらこのぜんざい…Pさんが絡んできて。」 「あ、もう二人とも互いに認め合ってる。」 「撫子さん論点そこちゃうやろ。」 「ウヘヘヘ、だって君達がいざこざ起こしてる理由は何となく予想が付いてたからね。それから理由を聞いたらドンピシャリだったから気が抜けてつい…。ま、舎弟と子猫ちゃんたちを怖がらせたのは釈然としたくないけど…君達は私の大切な神だからね!」 「撫子さん!あなたが神ですわ!」 財前を筆頭に一同禿同。 「さぁ、私はもう店員する時間が潰れて君達にちゃんとした接客が出来なくなったけど…これから私はステージでコンテストなんだ。出来れば見に来てよ。応援よろしく!」 「「「応援する!」」」 ――――― ―― そして場所は移ってミスコン控え室。どうやらミスコンが行われてミスターコンが行われるようだ。今控え室には撫子とその他参加する女子で溢れかえっている。 実に撫子ハーレムである。両手に花。いや、花畑。 「ねぇ、子猫ちゃん達よ…私は不参加でも良いかね?むしろ審査員になって舐め回すような視線で君達を凝視したい。」 「私達はお姉様にミスコンでもミスターコンでも優勝していただきたいのです!」 「君達跡部ファンでしたよね!?一時でも私の事敵視したことありましたよね!?」 「か、過去のことは水に流しましょう?」 「私はさぁ、跡部をミスターコンでフルぼっこにする予定で、ミスコンに出る予定はなかったんだよね。多分忍足とか忍足とか忍足とかが勝手に登録したんだろうねぇ!」 「忍足君、グッジョブですわ!」 「裏切り者!だがしかし私は諦めない!さっさとリタイヤして子猫ちゃん達を舐め回したい!じゃない、舐め回すように凝視したい!と言うわけで、私より上の賞をとってくれたら1日言うこときく券を贈呈、なんちゃって…?」 贈呈の呈と言い掛けた瞬間だったか、その時周りの女子達が叫んだ。 「「「負けませんわよお姉様!」」」 「え?あ…うん頑張ってー…。」 冗談で言っただけなのに、こんなに食いついてくれるなんて予想外デス。 ま、結果オーライだな。 |
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