026 |
部室に訪れる撫子、忍足に用事があるようだ。 「忍足ー居る?」 「おー、なんや?」 「金を出せ。」 「は?」 「忍足言ってたじゃん。コス5セット買ってくれるって。とりあえず欲しいの一個決まったから。」 「あぁ…何買うんや?」 「『龍ノ啼ク箱庭処リ』のKAITO。」 「なんで男もんやねん!」 「ナイスをするからだ!あと女キャラをしたことがない!」 「なん…だと……折角撫子綺麗な足しとんのに…。」 「忍足逮捕ー!どこ見てんだよ!」 「絶対領域や!」 「いっそ清々しいよ!」 「…分かったわ。でも俺が注文しとく。『龍ノ啼ク箱庭処リ』でええんやな。何時持ってこようか?」 「KAITOだからね?『間違えて他の注文しちゃった、テヘ☆』って言っても許さんからな。そん時はお仕置きカルテットだ・ぞ!」 「……分かっとるわ。で何時?」 「練習試合の日!」 「おK把握や。」 「んじゃよろしくー。」 撫子は部室に一番最後に入ったのに一番最初に出て行った。 そう、一番最後に 部室には忍足以外のメンバーも居たのだ。 「なぁ侑士。龍のなんたらってなんだ?」 「あー。」 「かいとって誰だ?」 「んー。」 「絶対領域って何かの技ですか?」 「えー。」 「おい、コスって何なんだよ。」 「……………。」 忍足は答えに困った。そんなとき言う言葉を忍足は知っていた。右手をグーそして人差し指だけをたて、口元に持ってくる。そして片目を瞑り、 そして…。 「禁則事項やで☆」 「先輩、少し…その……気持ち悪いです。」 「フン、下剋上する価値はないな。」 後輩に罵られる羽目になった忍足。哀れ。ちゃっかり滝はケータイでムービーを撮っていたことを知っていたのは樺地だけである。もう滝は会計でなく記録係りをすればいいと思うよ。 「我が家よ!!私は帰ってきた!」 と言う感じで返ってきた撫子宅。撫子はいつも通りの作業を流れるような動作で行う。そしてケータイチェック、まだペテンからメールは来ていないようだ。しかしすぐにけーたいの着信音が鳴った。 「来たっ!……ってあれ?ペテンさんじゃない。…誰?」 見たことの無いアドレスが表示してあった。 『件名:滝だよ』 「あれ?滝にアドレス教えたっけ?」 不審に思いながらもメールを開いてみる。 『撫子が部室を出た後面白い物が撮れたからあげる。メアドについては感だよ。』 「滝様恐っ!で…添付ファイル……。」 何やらムービーのようだ。宍戸の甘酸っぱい青春の一シーンだろうか…。 『禁則事項やで☆』 違った。忍足の恐怖のみくるだった。 「ギャーハッハッハッフェ、アーブフンフフッ何これ何これ!?禁則事項やで☆ってフフッフ。やっべー滝様最っ高!」 もうメアドの事は気にしていないようだった。早速返信をする撫子。 『GJ滝様、これはヤバい。腹筋崩壊レベル。マジありがとう。』 送信。返信。 送った瞬間にメールが来た。 「早っ!?」 滝からかと思っていたがメールを見ると滝ではなく「ペテン」からだった。 「あ、なんだ。ペテンさんか。」 |
<< TOP >> |