青春Destroy | ナノ


025


しかしまだ納得できてない宍戸。当たり前だ、いきなりファーストチッスは鳳にと言われたのだから。さわやか少年宍戸には無縁の世界なのだから。

「何で俺のファ、ファーストキキキスは長太郎にやらんといけないんだ?」

「うふふ腐腐腐腐…。」

再び妄想の世界に旅立っている撫子。

「…そういや撫子描く言うてたな。……宍戸、いつか分かるで、つか近々分からざるおえなくなるからそれまで知らんとき。」

忍足は何かを悟りました、と言う雰囲気で話す。

「……そうか。」

さすがに遠い目をする忍足にそれ以上のことは聞けない。聞いてはいけない気がした
宍戸であった。

「そうそう、じゃ部活戻ろうか。撫子行くよ。」

「腐腐ッ。」

「……ほら撫子。ジローと岳人が二人で何か喋ってるよ。」

滝が撫子に言う。嘘を、
校舎裏からテニスコートは見えない。

「マジで!?」

滝の言葉により戻ってきた撫子はさっさとコートに行った。

「面白いねー、やっぱり。」

「………滝、俺らも戻ろか。」

校舎裏から撤退する三人。宍戸はもう二度とここには来こねぇと心に誓った。
撫子がコートに戻ると滝が言ったはずのジローと岳人のイチャラブなんてなかった。
みんな真面目に試合をしていた。

「騙されたぁあぁあああ!」

撫子の目の前にあるのは使用済みのタオルと空になったボトルだけであった。
仕事という現実しかなかった。すごすごと自分の仕事を始める。

「ハァァァ…………二次元に行きてぇ。」

そんな呟きは洗濯機の轟音にかき消された。





部活も終わり榊監督の登場。
何か言っていたが最後の「行ってよし!」によってすべて飛んでしまった。
撫子的にはまだまだ爆笑していたかったが監督に音楽室使用許可を貰うために近づく。

「榊監督。」

「何だ?撫子君。」

「あのですね。練習試合の後、音楽室を使いたいんですがその許可をいただけますか?」

「ふむ…何故音楽室を使いたいんだ?」

コスプレの撮影会したいんで!とは言えない。

「あー…少し歌ぁ?の練習?をしたいんですよ?」

嘘八百。歌の練習をしたいのならカラオケに行けばいいじゃない。

「…そうか。そうか、そんなに音楽が好きなのか!良いぞ使えばいい。先生は嬉しいぞ。」

またもやガシィッと肩を捕まれる。

「ヒィ!?…アリガトウゴザイマス…。」

「なんだったら指導もしても良いぞ。」

「イエ、その日は一人で頑張ってみようと思います。また後日指導して下さい。」

指導して欲しいとは思っている。歌ってみたのクオリティが必ず上がるからだ。

「分かった。では撫子君、行ってよし!」

「っはい…。」

未だ慣れない行ってよし!何時慣れるのだろうか。









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※本来なら、公共の場での撮影は正式に許可を取る必要があります。

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