青春Destroy | ナノ


274


「岳人、私宣伝兼だから次回るわ。」

「おう!俺も時間があったら遊びに行くからな!」

「ありがと!っとウィッグとかを……………リョーマ何やってんの?」

ウィッグ他を回収しないとな、と思って置いた場所に行ってみたらリョーマが撫子の上着を抱えてhshsしていた。

「あ、撫子さん!お久しぶりです!」

「…うん、とてもお久しぶりですよ。ですがね、その私みたいな人種が行うような事はやっちゃダメだよ。色々真っ当な道から外れるよ。」

「撫子さんと一緒なら何処へでも行くっすよ。」

リョーマは決め顔でそう言った。

「わー!TPO弁えたら言われて嬉しい言葉トップ10する言葉なのに…何でだろ、喜んじゃいけない気がする。まぁなんだ、とりあえず上着とかを返してくれ。」

「はいっす!でもこれ撫子さんの匂いしないっすね。ひたすらバラの匂いしかしないっす…。」

撫子は上着を着ながらウィッグ他を整えながら手早くKAITOに変身。

「だって私物じゃないしね。よしリョーマ、私はまた宣伝に出かけるよ!」

「なら俺も!」

「一緒に来るなら移動は姫抱っこだ。」

「う……ッおんぶなら…。」

「おんぶならいいのかよ!リョーマあれだ。文化祭を楽しんでくれ!因みに私は午後からのミスコン、ミスターコンに参加するからねー。」

「だったらそれを最前列で待機するっす!頑張って下さい!」

「おう!頑張ルンパッパ!」

リョーマが体育館に移動するのを見送って撫子は再び校内散策。

「やぁ、椿崎さん。」

次のクラスへと思って歩いていると幸村に話しかけられた。目をやってみるとそこには立海メンバーが居た。

「わお、なんて大所帯。ようこそ氷帝文化祭へ。楽しんでおりますか?」

「あぁ、立海とはまた違った方向へ金を使っているな。」

「え、そう?立海も十分金使ってる気がしたんだけど…?」

「だいぶ違うぜ。俺らは単価が安いものをやりくりしてアレ。ここは基本から高いって事。」

「あぁ、確かに……もしかして私も金銭感覚狂い始めてる?」

「…撫子さんは服を買うとき一度に何円を見積もって買っている?」

「2000円。アイランドビレッジ万歳!」

2000円って一着か二着かしか買えない気がするのだが…しかしジャージをセットで買ったならそれくらいの値段になるか。セレブとは言い難い。

「ふむ、ならまだ庶民ではないのか?」

「チッチッチ、参謀。甘いぜよ。じゃあの椿崎、本屋に行ったらだいたい何円一度に使うんじゃ?」

「4000円強!だって新刊ラッシュが!」

一回で8冊程度買っているという事か。セレブでも本に、漫画にそこまで金は使わない気がする。

「…………ところで撫子さん。その衣装はサンドリヨンのKAITOの物だと推測するが?」

秘技:H/K(話変わって)。

「おう大正解!明日演劇で使うのだ!」

「えー!?今日じゃないんすか?」

「うん…残念ながら……。」

「俺ら明日高校と練習試合なんす…。」

「あちゃー…ま、カメラは回るらしいから焼いてあげようか?」

「マジっすか!?」

「こんだけの事で赤也君の笑顔に三割り増し輝きが戻るのなら!」

「撫子さん、俺にもくれるか?」

「ん?まぁ、要望があれば…焼くのは簡単だし…。」

「勿論俺にもくれるよね?」

「もちろんでございますわよ!焼いてラッピングして椿崎宅急便が早急にお届けに参ります!」

「そう?ならいいんだけど、…今日は看板持って練り歩くだけ?」

「午前はそれ。午後からはステージにてミスコン、ミスターコンに参加しますェ…。」

「椿崎…おまん、性別こえとるぜよ。」

「言うな。子猫ちゃんにいつの間にかエントリーされていたんだ…。」

「しかしそれは勝負になるのか?撫子さんの支持率は男女問わずだろう。」

「マスター…一般投票という物があってだな。」

純粋に外見だけを評価してくれるのよ。お姉様、姉御、そんな肩書きは見えないのだよ。

「それは…頑張れとしか言えないな。」

「ね。あ、そうだ。遅くなったけど……立海皆様、氷帝文化祭へようこそ。さぁ、心から楽しんでいってくれ。」

深々と頭を下げてゆっくりと顔を上げたところでニコリと笑う。営業スマイルフル活用である。

「「「イエッサー!」」」

立海特有のかけ声だが楽しめな声色であった。そんな声色を聞いた後次の展示へ移動した。

<< TOP >> 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -