青春Destroy | ナノ


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ジローと宍戸のクラスから離れて更に闊歩。

――ウギャァアァアア―――――!!



「なんなんですかこの叫び声は!?」

撫子が更に校舎の上へ上へと進んでいけば屋上辺りからけたたましい叫び声が聞こえてきた。絶叫マシンに乗っているようなそんな感じ。なんなんだ、と思って屋上の方へ行ってみたらなにかここで出し物をしているクラスが居たらしい。

「お、撫子じゃん。バンジー挑戦しに来たのか?」

「やっぱり岳人のクラスか!そして私はそんなバンジーになんか挑戦しない!」

「クソクソ!何でだよ!」

「今の私の格好よく見て!バンジーなんてしたらウィッグとれちゃう!」

「だったらそれ取ってから飛べばいいじゃねーか。」

「ちょっと待て、なんで飛び降りるの前提?」

「なんだ?やんねーのか。滅多に無い機会だぜ?学校の屋上から擬似飛び降り。ちょっとした飛び降り自殺が出来んぜ!」

「超不謹慎!飛び上がり自殺してまえ!」

「やっていこうぜ撫子ー。ぶっちゃけ撫子が絶叫すれば客集まるんだもん!」

だもん、でウインク。物凄く可愛いです。その辺のアイドルよりも可愛いです。身長のことも相まって撫子の視界には上目遣いの岳人だった訳で、つまり撫子ホイホイだった訳です。

「だもん、って私を萌え殺すおつもりか!その手にはノってやるぜ!だがしかし、叫ぶつもりはない!」

「流石、姉御と言われてるだけあるぜ!だがしかし絶叫してもらうぜ!」

「俺の男気見せてやんよ!と、言うわけでウィッグと上着と看板とその他諸々ここに置かせてねー。」

とりあえず確実に落ちてしまうウィッグと手に持っていた看板を端の方に置いて、更に装飾品いっぱいの上着も脱いで身軽になった。

「…なぁ、撫子…男装するとき胸を簡単に潰してるけど、それ苦しくねぇの?」

「ん?ぶっちゃけ超苦しい!でも慣れてるからおk。さぁ!安全装置的な、ベルト的なのつけてー。」

「ん?おぉ!」

店員岳人に準備をしてもらってから撫子はいざバンジージャンプ。
しかし予想以上に高い。

「……あの…岳人様?」

「なんだよ。」

「辞退っておk?」

「ダメ。」

「………案外高いよ?」

「俺試しに10回は飛んだけど、平気だから大丈夫だ。」

「ヤッダ!岳人様ったら男前!自ら実験体になるなんて素敵!」

「まぁ、企画者が俺だからな。バンジーソムリエとは俺のことだぜ!」

「全ての元凶が貴様か。」

「そこに立って五分以内に飛び降りねーなら突き飛ばすシステムだからなー。」

「な!?計算してないぞ!」

「だって後がつかえんだよ!で、そろそろ五分だぜ?」

ニジリ寄ってる岳人。どうやらこの作業は岳人にとって楽しみなことらしい。証拠に半笑いである。撫子にとって…いや、飛び降りようと躊躇している者にとって恐怖でしかない。

「あ、…嘘っ待って………逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだッ!あ、アイキャンフラァアアアイ!!!」

突き飛ばされて落ちるくらいなら自分のタイミングで落ちる方が建設的である。フラァアアアアアアイ!!と半絶叫しながらのバンジーを済ませた撫子は放心状態になって、引き上げられて岳人とご対面。

「なぁなぁ!撫子、絶叫したよな!?」

「うん…したよ、しました、させていただしました!私絶対自殺しねぇ!」

「やったぜ!」

満足げな岳人。何時もより余計に跳ねております。撫子の不幸がそんなに嬉しいか。でも撫子はそんな小悪魔岳人を鑑賞できたのでこちらも満足かそうだ。

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