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「…あー、おねーさんって腐女子ってやつだったんだ!俺知ってるよー。大丈夫、俺相手の趣味にまで口を出す男じゃないし。」 「撤退しない…だと!?」 「ねー、ねーいいでしょ?荷物持ってあげるし、俺おねーさんみたいなモデルみたいな人と一度でもいいからお茶してみたかったんだよねー。」 「ッ…千石、さん!私中学3年生です!手を出したら犯罪ですよ!?」 あまり実年齢言いたくないが、仕方ない。 「え!?君って中3だったんだ!俺と同い年じゃん!」 「嘘だろ、承太郎…。」 こうなったら最終手段。全速力で脱兎ぉおおおおお! 撫子は回れ右して千石の目の前から消える。 「あ、待ってよー!」 追いかけてくる千石。 「追ってくんなし!……って、しつこい!」 何時も微妙に体力作りをしてるからすぐにまけると思ったのに、想像以上に付いて来る。 チャラ男っぽいのに! 「持久力では負けないよん、だって俺テニスやってたからね。」 「は!?」 撫子はテニスと言う言葉を聞いて急ブレーキをかける。 「っと危ないなぁ。」 「千石君…はどこ中なの?」 「山吹だよ。」 「山吹…山吹……えっと…あぁ!確か不動峰に負けたところ!」 「そんな覚え方って…アンラッキー…。」 「なんか…ごめん。」 何故撫子が不動峰の事で覚えていたかというと、不動峰の行く末はどうなっているのだろうと個人的に気になっていたから調べていた。こんな所で役立つ?とは思ってなかったけど。 「そう言う君はどこ中なんだい?」 「……氷帝…。」 「なーんだ、氷帝だって不動峰に負けてるよね!親近感だよ。」 「さらばだ!」 「あ、ちょっとぉ!?」 完全に不意を付かれた千石は撫子を逃がしてしまった。撫子は脱出することに成功したようだ。 少し走ってケーキが美味しいカフェに入る。歩き回ってまた千石に出くわすのを防ぐため、それから走り回って糖分が足りなくなったから。その補給。 「糖分が足りないんだけどぉおぉぉぉ……。くっそあの千石って野郎マジふざけんなよ。中学生のくせにナンパしてるとかチャラ男か!不良キャラとCPってやろうか!」 「ご注文はお決まりでしょうか?」 撫子がぶつぶつと言っているシーンに臆さず店員は声をかけた。勇者爆誕の瞬間である。 「えーっと…お勧めの物ってありますか?」 「はい、今が旬のモンブランがお勧めでございます。後は…どれもお勧めです!」 「じゃー…モンブランとチョコケーキとショートケーキ下さい。」 「かしこまりました。お持ち帰りですか?」 「はい、お願いします。」 無事に糖分を注目出来てレジでお金を払っているとショタが店の中に入ってきた。 そーかそーか、ショタもケーキが好きか。好きな物を必死で探してる君の姿マジプリチィ。中1位かな?一人で来てるって事は甘い物好きだと行くことを隠したいお年頃かな? テラ萌えゆすな! 「す、すみません!あのモンブランって無いですか!?」 ショタが店員にモンブランは無いのかと尋ねる。 「申し訳ありません。今日の分さっき売り切れてしまいました。金時芋を使ったスイートポテトのケーキならありますが…。」 なん…だと!?私が買ったので最後だったのか!?いつもならマジで?ラッキーって思うのに、今はものすごい罪悪感!!ショタがそんなにガッカリする顔なんて見たくないぃい! 「ダダダダーン!?…そうですか、ならいいです……。」 ショタは無いことを知りトボトボと店から出ていった。 |
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