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「撫子さん、すみません…観月さんに黙っとけと……。」 「観月君最低だぁあ!口止めだなんて!真実述べようぜぇ!?」 「観月さんは最低ではありません!」 裕太が大きな声で反論。 「!?」 「観月さんは本当はとても計算高くって、相手の弱点を突くのが上手くて、俺達の練習メニューだって細かく立ててくれてるんです!確かにちょっと撫子さんの事になると…あれですけど……本当にちょっと…。」 「裕太、それ半分は貶してるよ。」 「一瞬なんて先輩思いの後輩なんだって思ったけど…確かに、半分は……って言うか、あれでちょっとなのか…?」 「兄貴…撫子さんまで…。」 「フフフッ、僕は観月君のことあまり好きじゃなくてね。裕太、もうツイストスピンショット打ってないよね?」 「…あぁ、打ってねぇ。」 「観月君、つんだな。周助君を敵に回すなんて、私だったら生きていけねぇ。怖すぎるもん、ねぇ仁王?」 「…まぁの、俺試合に負けてしもうたし、リベンジはしたいんじゃけど…当分は遠慮するぜよ。」 「僕はいつでも相手になってあげるよ。」 「…プリ。」 「クスクス、本当に観月って苦手に思われてるんだ。」 「…苦手、ですわ。……だって石田公みたいな声でポエムを述べられたら…耳が孕む。しかも外見だってイケメンの部類じゃん。見てるだけなら無害なんだけどねー。滝達とは別の意味で怖い。」 「ふーん、観月がどれだけ暴走したのか想像できる気がするよ。」 「淳、観月ってやつは淳をルドルフに引き抜いた奴なんだろ?」 「うん、僕を亮と間違えて引き抜いちゃったんだよ。抜けてるよねぇ。」 「何て言うドジっこ成分配合!?何それ、完璧主義者みたいなのに!ギャップとかなにそれ美味しい!萌えるよ!萌えちゃうよ!…ん?」 撫子が興奮して思わず立ち上がっていると両足に絡まるように抱きついている緑の娘。顔がとてもイキイキしている。 「……ん?撮影の続きでもしたいのかね?」 喋らないから撫子が予想して言ってみたが、首を横に振られる。どうやら違うようだ。 「あ、お菓子切れたな。まだお菓子があったはずだ、取ってくる。」 緑の娘の隣に座っていた赤澤がお菓子が切れたことに気が付き、寮にまだあるというお菓子を取りに、立ち上がる。 「ヌァア!?」 赤澤が立ち上がって一歩踏み出したら物凄く派手に転んだ。緑色のツインテールのウィッグを踏んでしまい滑ったらしい。そして、赤澤の足に絡まったウィッグは解けずに緑の娘の頭からずり落ちてしまった。 「ちょっウィッグが!?……い、いやぁああああああ!?!!?」 緑のウィッグがずれたことによって現れた黒い地毛。そして現れる素顔。誰かと思えば、 「赤澤!!貴方は何度僕の足を引っ張ったら気が済むのですか!?もっと撫子さんの羚羊のような足を堪能したかったというのに!」 撫子が唯一表面に苦手意識を押し出している観月はじめ、本人だった。 「みみみみみ観月君!?お前ななななな、ちょ、ハァアア!!?」 「椿崎、日本語話してくれ。」 「黙れヘタレ!情報処理が追いついてくれねぇよ!え、ミクが観月君で観月君がミク!?だったら私は何て事を!?」 撫子は思いっきりミクと絡んでいた。それはもう…ワァオ!位。 「そうだねー、撫子さんは観月君と思いっきりイチャイチャしてたね。」 「ギャァアア!!客観的に言わないでぇ!」 「「クスクスクスクスクスクスッ。」」 「ツインズさぁん!今双子の神秘現さないで!」 「本当にごめんなさい撫子さん!」 「裕太君…さっきから謝ってたのはこの事だったのか!畜生嵌められた!」 「君達邪魔ですよ!あぁ、撫子さん。僕は天国にいるかのような錯覚を受けました。あんなにも僕のヴィーナスのそばに居る事が出来たのですから、木更津君よくやりました。貴女はあの時、運命の出会いから何一つ変わらず僕との関わりを待ち続けて下さったのですね。」 観月による撫子のための撫子の詩の朗読の開始である。 |
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