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撫子の怒りも一応沈静化したし、話を進める。 「で、赤澤君。緑の娘は?どう考えても君じゃないよね。」 「…あぁ、俺じゃねぇ。扉の向こうに待たせてある。迎えてやってくれるか?」 「OK!可愛がってやんよ!」 だったら呼ぶか、と赤澤は言って扉を開けた。 そこに居るのは緑の娘。華奢な手足が裾から見える。色白で、可愛いと言うよりも美しいという形容詞がピッタリである。 「シャボン玉のように華麗で儚きシニョリーナ…いや、バンビーナ?…子猫ちゃん、子猫ちゃんの名前は!?」 「ッ……。」 何やら喋りたいという雰囲気ではあったが、何やら話せないらしい。さらにはほっぺが赤くなっており、気分が高揚していることが目にとれる。 どうしたんだ? 娘が赤澤に助けを求めるように目配せをする。 「あーっと、こいつシャイで喋れないんだ。」 「やーん!照れ屋さん!私にその恥じらい頂戴!」 「全くじゃ。」 ボソリと仁王は呟いた。 「何か言ったか?」 「なんも?」 「仁王、お前後で押し倒すからな。KAITO×MEIKOだコラ!…っと?」 撫子がそう言うと緑の娘が少しふてくされたように撫子の服の裾を引っ張ってきた。 「何?…ハハーン嫉妬かいな?大丈夫だよ、KAITOのフェイバリットはミクだから!」 「じゃあ撫子さんに、ミク。写真撮ろうか?」 「おk!」 不二の開始の合図と共にKAITOとミクの撮影が始まる。初めはぎこちなかった緑の娘だったが時間の経過と共に大胆にも撫子に抱きついたりしてきた。身長差としては撫子今10p位のブーツを履いているのでいい感じに上目遣いなのである。 「オプスッ…子猫ちゃんマジ天使。」 撫子だって自重しないことに対して右に出る者は居ない。緑の娘がそう言う態度をとるのならば、こちらとて攻めさせていただきますわ! 戦いの火蓋は切って落とされた。 「あー…テラ楽しかった。」 勝者撫子。緑の娘は真っ赤な顔になり過ぎて撮影どころではない。 「撫子さんに他のみんなも、休憩にしようか。」 「おお!周助君ナイスアイディア!」 撮影会の合間に小休憩。裕太や赤澤が寮から持ってきたお菓子を広げて談笑を始める。 「学校にこんなとこ作っちゃうなんて凄いね。学校自体も新しそうだし。」 「ですね。確かこの学校は出来てまだ5年…ですよね?」 「あぁ、そうだ。だからと言うのかは知らんが生え抜き組を躍起になって集めてるのかもな、成績を残すために。」 「…なんかゴメンナサイ…。」 「クスクス、撫子さんはマネージャーだったし悪くないよ。」 「皆さんはなんや優しいんだ!」 「て言うか僕達青学ってみんなを潰して頂点に立ってるんだよね。そう考えたら感慨深いよ。」 「…周助君、自重……。」 「あ、これ聞かねぇと。撫子さん、観月の事どう思ってるんだ?」 「赤澤君、なんて人の名前を言ってるんだ!?」 「いや…だってよ………観月の話題出さないと怒られんだよ…。」 「あ?最後の方聞こえない。」 「いや、なんでねぇって。会ったことあるんだろ?観月が言ってたぜ?撫子さんは僕に会えて嬉しかったようですってな。」 「裕太君の話は聞いていないのか!」 なんという虚実! |
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