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「これ、助けんでええん?」 「忍足やっさしー!いやだって私、宍戸にマネって認められてないし、なんか自分を嫌ってる奴助けるのってやだよ?」 もっともな意見である。わざわざ助ける義理はない。 「そう言わんとさ。」 「さっきまでちゅー羨ましいっつってたのはどこのどいつだ。」 「俺はもっと見ていたいかな。」 「ですよねー!」 「ねー。」 「滝は黙っとき!あとカメラやめぇ!」 カメラを奪い取る忍足。 「チッ、忍足覚えとけよ。」 「滝なんかキャラ違ってるで!?ほら撫子助け行こ!」 撫子の腕を掴む。 「えー、だるいー。いーじゃんちゅーの一つや二つ。」 やる気の無さは只今天下一品。今お前にやろう、俺のやる気のなさを。ごう打って売り出せるぐらいのやる気の無さだ。 「宍戸はファーストキスもまだな純情少年なんやで!」 「え!?何それ萌える!…つか何で知ってんの。」 にやけた顔の撫子が聞く。妄想スイッチオンだ。 「あ…しもた……あれやあれ、男ばっかだったらなそんな話題も話すんや。」 「ほーぅ、だったら他の人の経験も知ってんだ?岳人とかジローとか跡部とか?んで?嫉妬しちゃうんだ?」 「戻ってきー!」 「撫子、助けに行かなくても良いの?」 宍戸と女子のMK5(マジでキスする五秒前) 「行きませう!宍戸のファーストチッスは鳳に捧げて貰いたい!行くぞ忍足!」 今度は撫子が忍足の腕を引っ張る。 「どないして助けよ?」 撫子が女子を注意するとなったら荒波をたてるだけだ。 「あー、これ以上女子に嫌われたくないし…。あ!」 撫子は高い位置でポニーテールをして髪を束ねていたがそれを解き始めた。 「おぉ、なんか別人やんな…そんな髪長かったんか。」 「切りに行くの面倒くさくて……。で、あーメイクする時間はないから髪を前にして顔を隠そう。」 ぱっと見、撫子と分からない女子が出来上がった。というか根暗なそうな女子が。 「それで止めに行くの?はっきり言ってあの3人は反撃してくるよ。」 根暗そうな女子が言っても気の強そうな3人組は聞かないだろう。 「大丈夫大丈夫、私の演技でどうにかできる、私の演技力なめんな!」 コスをしている関係で演技もそれなりに勉強している。 「ならいいやでもその身長はどうする?」 撫子ほど大きい女子はそう居ない。 「…………どしよかな…。」 「あー!早よせんとくっつく!」 「忍足ぃ!」 「何やねん!」 「私を抱いて!今すぐにだ!」 |
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